第81回 めいぷるごにんばやしの会

2016年7月19日(火)箕面市・メイプルホール

桂 まん我 「三人旅」
桂 ひろば 「阿弥陀池」
桂 米紫  「足上り」
~中入~
桂 紅雀  「二階借り」(茶漬け間男)
桂 吉弥  「らくだ」


お客さんいっぱい。200人以上とか。
噺家さんもハリキリ、高座充実。



午前中頭痛に悩まされ、
昼過ぎからやっとお薬が効いてきて、
夕方ぎりぎりの時間に出かけることできました。

落語会の前に、
にこさんと滝を見に行く約束をしていたのですが、
果たせず残念無念です。
「癪の合薬」に(「蛇含草」も?)
箕面の滝がちょっとだけ出てくるので、
どんな滝かいつか見てみたいです。


一番初めは、まん我さん。
実は「三人旅」、三年前にしん吉さんのを
聴いているのですが、感想を書きそびれて(大失態)、
うろ覚えのままでした。
誤魔化してイビキをかく場面があったように思うのですが…。
私の記憶違いでしょうか。
そしてそして、
文我さんの本の「三人旅」とまん我さんのも大分違ってます。
落語ってネットで検索しても完全に解決できない所がまたいいのかもしれませんね。
 マクラはたっぷり、高速道路とざこば師匠のお話を。
久々の落語で、「喜六清八」という響きにうきうき。
(源べえも居るよ!)
馬方の「ど、どどど畜生」という台詞に、じんわり。
落語の土着っぽさがやはり好きなのでしょうか。
道すがら百姓を冷かして走って逃げるパターンが繰り返され、
民話っぽいなあと思いました。
三年ぶりに聴いたのでほぼ初物! といった印象です。
メモ:文我さんの本よりも、噺全体の流れとして似ているなあと思ったは「上方落語メモ」の「三人旅浮之尼買」。露の五郎口演。
噺の近さの相関図
桂まん我(喜六に足まめが出来る・最後馬を暴走させる)

露の五郎(喜六に足まめが出来ない、金盥でケガしてる、それ以前に宿屋での色話あり。最後馬を暴走させる)

桂文我 著『伊勢参宮神賑』の内「三人旅」(喜六に足まめが出来ない、金盥でケガしてる、それ以前に宿屋での色話あり。終盤の道者の百人組のくだり無し。馬の暴走無し)
…露の五郎さんは「三人旅浮之尼買」で、
文我さん、まん我さんは「三人旅」だけで独立した噺にしています。
 ここからは私の推測です。大昔は「三人旅」と「浮之尼買」は別個の噺だった。でも露の五郎さんの時代になるとくっつけて語るのが主流になっていた。現代に至って文我さんとまん我さんが独立して語る工夫を始めた。しん吉さんのは…一体どこに入るんでしょう。露の五郎さんの時代の非主流派の型なのかしら。それとも馬が暴走したまま「浮之尼買」に入るのは難しいと考えて別のサゲを採用したのかな。(うろ覚え)


お次は、ひろばさん。
開口一番のまん我さんが35分も話したことについて。
めいぷるは開口一番だからといって短く終わらないケースが多々あります(笑)。どうも高津神社での落語会もそうみたいで、開口一番の南天さんの「道具屋」が45分にも及んだとか。その時ひろばさんはトリで「らくだ」を控えていたそうです(笑)。普段行かない落語会の様子が少し知れて、そこは興味深く聞いてしまいました。
 さてさて、ひろばさんの「阿弥陀池」は初めて聴きます。
驚いたのは、尼さんがおっぱいを出したこと。
佐ん吉さんと同じです。泥棒が喜んだ? というクスグリが付きます。
南天さんのは出しません。長襦袢の上から胸を指さしているイメージです。由瓶さんのはうろ覚えですが、南天さんに近いなあと思った記憶があります。何となく、ひろばさんは南天さんに親しいので同じやり方をされるのではと、どこかで思っていました。そこは古典噺一筋?のひろばさんのやり方を通したのかもしれませんね。
 尼さんがおっぱいを出して喜ぶ泥棒となると、
尼さんの年が、そこそこ若くないといけません。人にもよりますが中年前半までならアリなのかなあ。
そうなると日露戦争からそう遠くない時代設定になってしまいます。
南天さんのは尼さんの年齢をはっきりさせないやり方なので、
私は老境の尼さんを想像していました。
 「阿弥陀池」は現代的なくすぐりを入れられるネタ。
ひろばさんも「ぞう」と言わずに、
それに関する豆知識をしゃべってくれました。
足の裏がセンサーみたいになってるんですね。
ウィキで調べた、という言葉が出て来たのも驚きました。
ひろばさんは新作をしないイメージがあったのですが、
これはアリなんじゃないのかなあと思った一席でした。


お次は米紫さん。
マクラは老夫婦に話しかけられて、ファンかなと思ったら駐車場を尋ねられたこと。あと岡山でのお仕事の話など。
「普段どんなお仕事をされているんですか?」は鉄板ですね。
実は歌舞伎役者よりも噺家の方が人口が多いのだそうです。
なのに社会的な日当たりの差は歴然。
これには「歌舞伎と比べて需要と供給に問題がある」と(笑)。
でも保護動物よりも数が少ないと言ってました。
 「足上り」は、
「悋気の独楽」と部分的によく似たくだりがあります。
番頭さんは碁がはずんで帰られない、
と言い訳させられる定吉は、
50銭玉を二枚もらいます。
暗がりの中、はじめはいくら貰ったのか分かりません。
さぐってさぐって、ふちにギザギザがある! と
定吉が喜んだ時は、この演り方を1回しか見たことが
無かったので、すごく嬉しかったです。
阿か枝さんの「悋気の独楽」の時は、もっと闇が深くて、
本当に真っ暗という感じがしましたが、
米紫さんの定吉は一瞬見上げる仕草が入って、
星明りかほのかな街灯があるような感じがしました。
 それから迫力満点の芝居場面。
その中でお菊が「ケケ、ケケ、ケケ」と言うところは、
ここは笑って良いのかなと思い、お腹の中で可笑しかったです。
芝居の中では凄惨な場面なんですが。
この謎はにこさんの感想で解けました。
お菊も米紫さん特有の女性キャラの一人として描かれていたんですね。
納得。
「子はかすがい」のおばちゃんが懐かしい。
あの人が私の中で一番強烈です。急須回すところとか。


中入り後は、紅雀さん。
吉弥さんの「らくだ」が控える中、得意(?)の長いマクラは話せません。
しかし、このお客さんいっぱいのめいぷるで、
短い時間でも確実に爪跡を残せるネタだと思っていました。
内容がまずセンセーショナルですよね。
紅雀さんは「子どもさんも居ますが、性教育だと思ってください」と言ってました。
実際聴いてみると、いかがわしさというか、
きわどいエロさは全面的には出ていなかったと思います。
どなたかが感想で「爽やか」だと評していました。
私はそこまで言いきれません…(百歩譲って爽やかだと言いたい)。
初めて聴いた時はえぐいなーと思った記憶があるのですが、
だいぶ印象も変わってきました。
落語が終わった後の小走りは照れ隠し? なんでしょうか。
メモ:
・主人公がお茶漬けを何杯も食べていたけれども、
以前はそんなに多くなかったように思う。
・置き屋と盆屋の言い間違い。
一体何の噺のお稽古をしているのだろう。三枚起請かたちぎれか。
・紅雀さんはこの日エロさを抑えていたように思う。
「初天神」@動楽亭or雀おやど はやばかった。
紅雀さんのエロ噺は大ホールで聴きたい。濃度を下げてくれるから(たぶん)。


トリは吉弥さん。
マクラは朝ドラで、ドラマを見ない私にとっては、
今何が流行っているのか分かって大変良い指標です。
役者さんのモノマネ、大地真央さんや唐沢さんのが、
凄く可笑しかったです。
歌は宇多田ヒカル。低音すぎて何を言ってるのか
よく分からない(というネタ(多分)・きっと本物は違う(多分))
 紅雀さんの長いマクラと一緒で、
吉弥さんは歌うと良い調子が出るのかもしれませんね。
 「らくだ」は苦手意識のあるネタで、
コワイ! と思いがちな落語の酔っぱらいとヤクザが出て来ます。
吉弥さんのは全然こわくなくて、安心して聴けました。
以前聴いた時に体験した「こわいのが来る!」と落語中に身構える、
そんな癖がついていましたが、不思議と平気でした。
恫喝する声が大きく無いところがいいのかなあ。
「怒り」の場面は噺家さんが意識の中で、
完全に噺の中の人になりきるんじゃなくて、
頭の片隅に「これはお話ですよ」と、ひとつ距離を置いてくれると助かります。
男の人の大声や怒る声は苦手なのです…。
吉弥さんの怒ってる声のボリュームは丁度良かった。
 サゲは、くず屋が寝たところを熊五郎が抜けだすが、
らくだの家を出たとたん、同業者(複数?)に声をかけられ、
「シーッ、虎がやっと寝たとこや」(うろ覚え)こんな感じでした。
メモ:
くず屋の前妻、享年28。初耳。


めいぷるが終わって、
帰り道中、にこさんとおしゃべりしてたら、
落語は「上手」よりも「上手い(うまい)」が良いよね、
という話になりました。
上手は確かに「お」をつけたら「お上手」で
ちょっと響きがあれですね。
私は落語を聴いている時、
「上手だな」と思った瞬間冷めてます。
「上手い(うまい)」は
落語で感動して、思い返して何とか言葉にしようと思うんだけど言葉にならなくて「あれはうまかったなあ」と思います。

古語辞典で調べたら、
「うまし」(形容詞シク活用)は
1、立派だ、すばらしい
2、満ち足りて快い、楽しい
「これは2だな」と思いました。
ちなみに
美味しいの「うまし」は(形容詞ク活用)だそうです。

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