動楽亭昼席

2015年2月5日(木) 動物園前

桂 二乗  「癪の合薬」
桂 ひろば 「禁酒番屋」
桂 米左  「厄払い」
桂 紅雀  「かぜうどん」
~中入~
桂 米輔  「宿替え」
桂 米紫  「堪忍袋」


終演後、「やっぱり生の落語はええなあ」という声を聞いて
寿命が五年伸びました。(^^)
まるっとみんな楽しめた昼席でした。



この日は40人ほどのお客さん。
前日は平日にもかかわらず80人だったとか。

開口一番は、二乗さん。
登場するなり、「見台をちょっと片づけさせてもらいます、諸事情で…」と。楽屋でネタを決める時に内容が被るか何かで変更があったのでしょうか。落語会で時々見かける光景です。二乗さんが高座に座ると、とても贅沢な前座さんだなあと、しみじみ思いました。今まで体験したお客さんの入りの少ない落語会の話をされて、「癪」と「合薬」の説明を。初めて聴いた時よりも丁寧になっています。合薬の説明は初めて聴いたような。今回で3~4回目、一番面白く感じました。妹が土下座して侍にお願いを口にする時、ためらいを見せます。本人は至って大真面目なところが何とも言えず可笑しかったです。従者の「べくない」と侍の掛け合いはムラなく安定した感じ。侍が「笑うな」って怒鳴るタイミングがいいなあと思いました。
メモ:船場に住む姉妹と友人。三人女性が登場する。
うろ覚えだが、野がけ(ピクニック)と寺参りをして、昼頃、大阪へ向かう帰路で起こった出来事。朝、大阪を発って箕面に着き、それから野がけと寺参りをしたら、きっと夕方になってしまう。箕面で一泊した翌日か。


お次は、ひろばさん。
マクラは、笑福亭がキライというお話を二つ。(カタカナに注目)。その内の一つが「お前の阿弥陀池は米朝一門ではOKかもしれんけど、笑福亭ではペケ」(仕草付き←重要)。キライな話を二つ話して、「えー、これからするネタは笑福亭の人からもらったネタで…」と禁酒番屋へ。どなたから貰ったのか気になります。禁酒番屋って笑福亭が得意とするネタなんでしょうか。紅雀さんもこのネタを持っていますが、ひろばさんの方がテキストが古い。見台あり。紅雀さんは、無かったような?? 「盗人に投げ銭」は初めて聴きました。きちんとしっかり禁酒番屋を語ってくれた印象。本寸法ってこういう時に使う言葉だったんですね。お酒を呑む場面、侍がお酒に飢えていたことが分かる一滴も残さない呑み方。1回目呑んだ後、少し酔ってくれた方が、2回目に呑んだ後、ベロベロになっている侍にガガーンと吃驚しなくて済むかも。(吃驚しても良いんだけど唐突感があるかなと)。ひろばさんの良さが出た一席だったと思います。最後の燗のお酒(違う)はしっかり飲んでブーッって出してました。マルマルニジュウマル。


お次は、米左さん。「おあと紅雀師匠をお楽しみに、私はおまけですので」と強調。ひえ~。マクラは恵方巻についてあれこれ。「遊山船(ゆさんぶね)」で旦那が舞妓にかじらせて笑う場面、そこが原点だと。衝撃。船場の風習だとテレビで聞きかじっていたのですが、風習じゃなくて、舞妓をいちびる茶店遊び。恵方巻きは大阪の海苔問屋さんがパン食が増えて海苔が売れなくなったから出した案なんだそうです。それが今やパンの恵方巻まで出ているらしい。
 「厄払い」は明治時代の速記を読んだばかり。久しぶりに聴く噺です。始まった直後からワクワクしました。米左さん、声も小拍子の音も大きいという前評判なんですが、この日は見台も無いし、声もいつもより穏やかに感じました。主人公のアホさ、おとぼけさが良く出ているなあと。甚兵衛さんは本当に良い人。カンニングペーパーを取り出すときにドラえもんの四次元ポケットから道具を出すときの音楽を口ずさみました。余りに自然に感じられ、そのことに驚きました。面白かったです。節分のおめでたい後味の良い噺でした。
メモ:明治43年の速記と違う所。用心かごが出てくる。焼うどん屋との絡みがある。カンニングペーパー。そしてそれを見られるとマズイと察して、戸口の外へ。暗くて字が見えない(笑)。少し隙間を開ける。その間で番頭とやり取りする。
メモ2:「なーーーべやーーーき、うどん」と「いーーーしやーーーき、いも」の音程が同じ。


お次は、紅雀さん。この会場に着くまでトリだと知りませんでした。行くかどうか迷っていたので危うく聴き逃すところ。マクラはカナダのテニス選手ブシャールについて。「シャラポワは色気のある選手で、ブシャールは清楚。何とも言えない。まあ実際会ったら背が高くてムキムキなんやろうけど(笑)」。いやいや実際会ってみるまで分かりませんよ。最近は人質事件とか物騒なニュースが多いとこぼしていました。「(スポーツ選手の)錦織くんは良い。嬉しいニュースを海外から日本に運んでくれるから」と。
 かぜうどんは、序盤~中盤の酔っぱらいとの絡みをカットした内容。なのに凄く面白くて、けっこうな満足感が得られました。「パパリコシャン×2 (うどん屋の顔を見て)お前の顔は、ペケッ(仕草付き)」。ひろばさんのマクラを取り込む。めっちゃ笑いました。次に「ピピリコシャン(?)」という人が出て来て、うどん屋は「場所を変えよう」と立ち去ります。この日のお客さん、ノリは良かった(と思う)のですが笑い声が低くて! でも、紅雀さんの噺とお客さんの空気が、うまく噛み合っている感じがしました。花札を切る仕草が沢山見れたけど、二回目の切り方が素敵だなあと思いました。今回、すすったうどんの断面は丸に近い楕円形(想像)。きしめんでもこの世のものはない何かでも無かった。でもすする音自体は劇的に変わった感じがしない。音がまろやかになったのかな。
メモ:「ほしょほしょほしょ……」がけっこう受けていた。それは兎も角、「タヌキが出てきたらキツネ食わそと思ったのに」も。フレッシュなお客さんが多かった?


中入り後は、米輔さん。マクラは噺家に引っ越しを手伝わすとえらい目に遭いますよ、という話。あと「火」の宿替えの小咄。可朝さんがボインで売れる前、家主さんと喧嘩して飛び出した話。噺の冒頭は、おかみさんのぼやきから始まる。火鉢のそばにへたり込んで、鼻から煙出して、煙突おやじ、と。その後、釘のくだりへ。紅雀さんで聴く宿替えは引っ越しする前から噺が始まります。米輔さんのは引っ越した後から始まる。笑福亭のやり方でしょうか。位牌が出てくる場面のテキストは大体同じ? 釘の持ち方は、招き猫の手に釘を持ってる感じ。ちょっとトンカチで打ちづらそう。中間まで打ち込んでやっと違和感を感じなくなりました。おかみさんは河内の狭山の治衛門さんの娘。馴れ初め話は、祭りのくだりは無かったのですが、初耳の内容が。主人公が若い頃、心斎橋から道頓堀へ行く途中、今のおくさんとバッタリ会う。ちょっと料理屋へと二人で飲み食い。メニューは茶碗蒸ししか覚えていないのですが、古そうなテキスト。若い頃のおくさんにお酒をすすめる。顔が赤くなるからイヤだと言う。押し問答のいちゃつき。隣の男は「あんた何しに来たんや」と何回もつっこむ。主人公、聞く耳を持たず、下線部まで言う。ここの場面、けっこう良かったです。米輔さんのおかみさん言葉、いいですね。冒頭から良かったです。ちょっと頼りなさそうで実は向こうっ気が強い主人公も。サゲは、「ほうき、ここまで掛けに来なあかん」ではなく、続きがあって、おじいさんを前の家に忘れてきた主人公、隣りの男に「自分の親を忘れてくるやなんて」と言われ、「親を忘れるくらい何だんねん(※うろ覚え)、わしなんか、酒でしょっちゅう我を忘れております」、でサゲ。
メモ:聴きなれた宿替えとは違う、もう一度聴きたい。


最後は、米紫さん。マクラは、鉄板っぽい内容で、新幹線で移動する最中の出来事。KつらSこば師匠の見栄っ張りでおちゃめな? 一面を。その場にいた米紫さんの心の中のつっこみが面白かったです。何回聴いても面白いはず。こういうきわどい話はCDに入らなさそう。落語会ならではかも。「堪忍袋」は、今まで聴いた中で一番面白かったです。速記では書きようのない仕草が入るのが米紫さんの落語の特徴。カナヅチを徳さんが置くときに、首と肩をポキポキと鳴らしたように動かしてから置く。おさきさんは、何か話すときに口に手を当てて(アラマアあきれた)みたいな仕草が入る。膝立ちになって怒りの余り立ち上がる仕草、高座をどう叩いているのか、ドン、バタンッという音が効果的に入ります。(鳴り物さんの出す音では無い)。徳さんとおさきさんの夫婦喧嘩は、シーソーゲームみたいに、片方を責め合う。それがエスカレートしていくさまが面白いですね。客は相手を責めている方に心情が傾くと思うのですが、話が進むと、どっちもどっちやなア、ということが分かって可笑しくなります。堪忍袋に悪口を言う前、夫婦どちらかが?「こっち見るな」と言う。前回も聴いたような気がするのですが、今回はその台詞の繰り返しがちょっと多いかなあと思いました。落語を見ている側からしたら、続くとちょっと辛い台詞ですね。(※私は子供の頃、ままごとのお母さん役の子に叱られて泣いたことがあります。フィクションと現実の境目がちょっと危ういのかもしれません)。でも今回は本当に、米紫さんの本領が発揮された高座だったように思いました。私がドキュメンタリー映画を撮る人間なら、ここ一番とカメラを回しています。


終演後、お客さんが口々に言った言葉が、全部は聞き取れなかったのですが、暖かくて、ほっこりしました。

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