べにてん

2014年12月25日(木)鶴橋・雀のおやど

桂 南天 「うなぎ屋」
桂 紅雀 「三枚起請」

~中入り~
アンケートを元にしたフリートーク
1、コレいらんと思います
2、最近味わった贅沢


三枚起請、今度聴くのは数年後と思ってました。
こんなに早く聴けるなんて。お客さんいっぱい。



受付で南天さんのイラストが表紙のネタ帳が
売られていて、思わず買ってしまいました。
(紅雀さんが売り子をしていた)。
最近変わったと言われていたサインまで頂きました。


お客さんはいっぱい。25日にまさか、という入りです。


南天さん、マクラたっぷり。
覚えているのは、今年を振り返って…で中々思い出せない。2日後にある会ではちゃんと話します、ねこまんまのネタとして(?)と言ってました。11月末に被災地に笑いを届けに行った話が一番印象的で、お客さん、いっぱい笑ってくれたけれども、家族を亡くされた方はやはり笑えない人たちがいた、と。しんみりしました。その後、帰りの道中の話になって(?)、飛行機の金属探知機の話とか、面白かったです。来年の目標は、お客さんを増やすこと。紅雀の客はどうでもいい(笑)。自分のお客さんを増やしたい、と。(※私の心の声 紅雀さんも動楽亭で会を開かないかなあ。ネタはテーマを決めて2席とか)
 「うなぎ屋」は、前座噺として出しているそうばさんとは違うところが冒頭ありました。男が「いっぱい飲まそか」と友人から話しかけられて、町中ぐるぐる連れ回される。道頓堀にカキ船が繋いであって、ここで飲むのかなあと思ったら違った、というもの。初耳でした。店の主人は笑顔で「どうぞお二階へ」と言う。ちょっとひょうきんな感じ。噺全体が軽妙洒脱と言っていいのかどうか、そんな印象でした。そうばさんの店の主人は、そんなにニコニコしていない。ぱっと見ふつう(まじめそう)で、実は不器用。喋るとドジでオモシロい。何となく、板前さんと喧嘩しそうなのは、変わってそうなそうばさんの店の主人の方かなと思いました。ただ、青バイ、赤バイ~のくだりは、南天さんが「バイ」って言っただけで、笑いが起こってて、そうばさんは、そうじゃなかったなあと(聴いたのはだいぶ前ですが)。あと、ウナギの背中を撫でる表情がとても面白かった。それから見台が水槽みたいで、南天さん、うつむいてウナギを獲ろうとする場面があって、その姿が面白く、擬音が本当に多くて、「これ音源やったら絶対に面白さが伝わらんやろうな」と思いました。目に焼き付けなあかんというのは、今まで思ったことが無かったです。
メモ:紺屋の浜のことを、染め物をしているから、と言っていた。堺の紺屋の浜のことではない?


お次は、紅雀さん。マクラはクリスマスはいらん、というもの。ケーキを買うのに並んだ話、奥さんから頼まれていた枝豆を忘れて叱られた話など。娘さんはクリスマスをとても楽しんでいたそうです。
 「三枚起請」は、前回、女性役ばかり注目してしまったので、今回は男性役を見ようと思いました。
・「しゃべりなアーー(声の調子が上がる↑)ー、清八が来た」。が面白い。
・清八の妹の話。私は聞き洩らしたが、「人参」と言わず「高い薬」とだけ言ったらしい。
・妹のくだりの最後、「暑いにつけ寒いにつけ奉公している妹が可哀想や」とかいうような台詞の後で、源やんが「もっともや」。清八「あわれな」。源やん「道理や」(?)と、源やんが続けざまに合いの手を入れると笑いが起こった。台詞そのものはクスグリを生むものではないのに笑いが起こった。これは凄いことだと思う。
・喜六の「イヨー(ポンッ)」は、今回も不発でした。「稽古せい」と源やん。前回は手のひらで顔の正面から打って(ポン)と鳴らすものだったが、今回は、ちょっと曲げた人差し指を、口の中、頬の内側に突っ込んで、勢いよく指を引き抜く、というもの。前回はやり直して音を鳴らしていたが、今回はやり直しが無かった。
・「陽気なこと」で三味線が入らない。喜六の「赤いぼんぼりが吊ってあって…」という台詞を初めて聴いた。前回は三味線の音を聴いていて、聞き逃したのだろうか。源やんが「反省せい」と突っ込む。前回よりも反省を促す突込みが多かったように感じた。
・女将さんの「(耳)返してや」は、ちょっとした笑いが起こっていた。嬉しい。お客さんの数が原因だったのだろうか。言うタイミングはそう違わなかったように思う。
・小照が出てきたとき、やや俯いてかんざしの先をさわる仕草が、一番初めに聞いた時だけあった。あれがとても忘れられない。今回も無く、いつか復活して欲しい。
・源やんが小照の前で、ずっと渋い顔をしていて面白かった。「そんな台詞も随分と沢山頂きました」とかそいういう台詞。
・清八が屏風の上から顔を出す、喜六が押し入れから顔を出す、その繰り返しの部分はカット。時間の関係だろうか。
・死んだ方がまし、首括った方がマシ、という台詞も無くなっていた。
・「もやしのこむら返り」。
・小照と喜六のやり取りが前回より少し増えていた。小照が謝ると、喜六が許す! と言っていた。女性の泣き落としの表情がとてもリアル。(覚えているのは下唇を軽く噛む仕草だけ)
・小照が「ワ~」っと泣いた時、前回は手拭いだったが、今回は、袖の内側から襦袢?を出して涙をぬぐっていた。源やんの様子は、振り返って見ていた。正直言って、手拭いの端から目をのぞかせる方が好き。ただ、大きい会場だと遠くのお客さんには伝わらないかもしれない。
・サゲは以前よりも長く丁寧に言っているように感じた。


トークはお客さんの数が多い(アンケート数も多い)こともあって、たっぷりありました。ひろばさん語録が増えたこと、南天さんの家のケーキが上手く切れなかったことなど。伯仲したのは、紅雀さんはイルミネーションを綺麗だと思わない、夕日の方が季節によって色が違うしよほど綺麗だ、と。(ここでお客さんから「高尚やなあ」と声がかかる。ほんまやわ)。紅雀さんは、楽しいことを追い求めすぎているのではないか、と言うと、南天さんが「快楽主義者が何を言うねんな」と突っ込んで、めっちゃ可笑しかった。
 (この間、新聞で、3~40代の女性作家さんが、今の人は空しさを埋めようとしすぎている、空しかったら、空しいまま置いておいた方が良い、と言っていた(うろ覚えだけれども)。紅雀さんの意見はこれにちょっと通じるところがある。ただ、勤め人の多くは、冬の帰路、夕日を見ることが出来ないので、イルミネーションでせめてという気持ちがあるのではないのかなあと思いました)。
 南天さんは、イルミネーションを見ている女の子の目がきらきら輝いて、それがええねんと言ってました。

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青バイッ!

知っている限りでは、青うなぎは実在します。聞いたことあるぞと、ちょっと調べてみるといっぱい出てきました。汽水域などで穫れる天然うなぎやそうで、最高級だそうです。一番美味しそうっていうのは正解だったんですね。
ちなみに、養殖の青うなぎが青口うなぎで、これは南森町の近くで食べられます。このお店の名前が美味しそうじゃないと、さきさんがいつも言ってるお店ですが(笑)
さて、もひとつ気になったこと。けんげしゃ茶屋の、よーっ!ぽん!のとこ、前回のアクシデントから発想を得て、今回はワザと鳴らさなかったのでは?!と思いました。そんで、練習しとけよ!がくすぐりで更に笑かす演出かと。

よーっ!ポン と 青バイ

>前回のアクシデントから着想を得て~
まさしくその通りだと思います。本来とは別のくすぐりとして成立させた分、源やんの突っ込みで反省を促す台詞が続いてしまうというのが、リスクとしてあるなあと思いました。ただ、こういう工夫(一見行き当たりばったりで、一か八かに出る)紅雀さんが素敵だなあと思います。
 青バイは実在するんですね。南森町のウナギ屋さんは、いつもツイッターで美味しそうだなあと思って見ています。
そうそう、興味深い記事を見つけました。
http://www.page.sannet.ne.jp/mkumao/aobai.htm
青バイ=青兵衛 うなぎ屋の主人はうなぎに名前を付けていた。青バイって、てっきりウナギ業界の符丁(玄人用語)だと思っていたのですが。『上方落語メモ』の「うなぎ屋」は1983年の枝雀さんの音源で、青べぇ~と言っています。

キター!アオバイ

気になりだしたら気になるもんで、アオバイを追って、やっと発見しました。
「アオバイ」って岡山方言で「鰻」っていう意味だったんです。やっぱり元々あった言葉なんですね。

「アオバイ」のアオから「紺色」を発想して、「紺屋の浜」で獲れたとつなぎ、そこから派生して「紅屋の浜のアカバイ」「炭屋の浜のクロバイ」と来て、「警察の浜のシロバイ」=「白バイ」で落とす。
このくすぐりのパターンができたのは、1936年(昭和11年)に白バイが採用された後ということということになります。
最初に警察の取り締まり用に採用されたバイクは赤色で、赤バイと呼ばれていたそう。1918年(大正7年)のことです。
かなり古くからあるくすぐりなのかもしれませんね。

ご紹介いただいた枝雀さんの鰻屋に関する記事は
『最初は鰻屋さんが鰻に1匹ずつ名前を付けていると勘違いしていた。でも、青兵衛、黒兵衛ときて、なんで白兵衛じゃなくて「白バイ」で落とすのか不思議に思っていた。ほかの方からの指摘で、枝雀師匠の独特の話し方で「バイ」を「バエー」と言っていたのに気が付いた。だから、「アオバイ」、「クロバイ」と来て、警察の浜で獲れるのが「シロバイ」なのがやっと理解できた』という趣旨ではないでしょうか。

ちなみに、青バイも赤バイも黒バイも現役で実在しました。鰻じゃないけど。実在の警察二輪車両(赤バイは消防)で、アオ・アカ・クロ・シロ全部揃いました。これは偶然だと思いますが。

落語の言葉、調べるといろいろわかって、おもろいですわ!

<参考>
http://shokuhin-mame.main.jp/category1/entry170.html
http://ameblo.jp/realeyes-osaka/entry-11755526430.html
http://matome.naver.jp/odai/2139406601119007701

青バイだったんですね

「上方落語メモ」、部分的にしか読んでませんでしたが、
警察の浜が出てくるので、「白べえ」ではなく、「白バイ」と
枝雀さんは言っていると思って良いんですね。
じゃあ、聞き間違いの速記ミスということでしょうか。
今度、図書館で『枝雀大全』の「うなぎ屋」の速記を見て
確認して見ます。あと、「初代桂春団治落語集」に速記が
載っているようなので、枝雀さん以前の「うなぎ屋」が
どう演じられていたのか、手掛かりがつかめるかもしれません。
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