第60回 茂庵寄席

2014年12月13日(土) 京都市・吉田山

桂 米紫   ご挨拶
桂 吉の丞 「ふぐ鍋」
桂 米紫   「堺飛脚(さかいびきゃく)」
桂 紅雀   「宿替え」
桂 米紫   「三年目」
出演者全員による大喜利


ぎゅっとつまった好い落語会でした。
でも座る場所、間違えたなあ。



三枚起請の余波で、
京都まで来てしまいました。

この日は北野田駅で電車事故の足止めを
くらってしまい、大丈夫かなあという出だしでした。

京阪の神宮丸太町で降りて、
迷いながら、京都府立図書館を目指しました。
その道中、卒論でお世話になった星野画廊さん
お邪魔して、ご挨拶を少し。
(※HPの入口は怖めですが、素敵な絵が沢山ある画廊です)
約12年ぶりのことで、入るのに勇気が要りましたが、
今、入らないと後悔する、と思って入りました。
画廊主の星野さんは以前より少し痩せられましたが、
お元気そうで、嬉しかったです。
生地の裏からも色を塗る日本画のお話をして頂きました。
(蚊帳のような素材の生地で透けて光が通るのだとか)
(ぼんやりとした味わいのある絵になるそうです)


時間が無いのに寄り道して、京都府立図書館へ。
実は、大阪の最寄りの図書館で、むかっと来た本があって、
京都なら、絶対こう書かない、と思って図書館へ行きました。
どんどん焼けの市中の人の被害に関する記述の有無です。
大火によって脱走を危惧された政治犯が早々に処刑されてしまい、
それが気の毒だ、しか書いてなかったんですね。
京都の図書館で見つけた本は、
一番被害を受けたのは市中の人々で、と書いてあって、
私が求めていた本はこれだ! と思いました。
 茂庵寄席に行こうと思ったのは、
京都府立図書館に行きたかった気持ちが60%くらいで、
三枚起請の余波が60%くらいです。足したら120%。


図書館を出て、岡崎通りから、白川通りへと西に向かい、
あとはずっと北上しました。
吉田山山頂は遠かったです。時間が足らなくなって、
走って山を登りました。あんなに汗をかくなんて。

高座の真正面の席についてしまい、
しまった、と思っても席の移動が困難な状況で、
本当に、豆炭のようになりたいと思いながら、
落語を見聞きしました。


はじめは、米紫さんがスーツ姿でご挨拶を。
60回も続いたのは一重にお客様のお蔭です…、
と言ってたような(記憶があやふやでスミマセン)。

トップバッターは、吉の丞さん。
何だかお久しぶりです。マクラは、ラジオの収録後、
ネットカフェで何時間も時間を潰してここまで来ました、
という話などなど。記念の会には大物ゲストが今まで
呼ばれていたのに、今回は自分を呼んでくれて嬉しい、と。
 「ふぐ鍋」は、お客さんのキャラクターが幇間みたいな
お調子者で面白かったです。骨をしゃぶるところとか、
鯛蔵さんで見なかったような?(うろ覚えです)
 お酒を呑んで口笛を吹くところは吉弥さんと同じだなあ
と思いました。音が掠れているところが吉の丞さんらしいかも。
この所作は、私の中であまり落語らしくないと思っていたので、
苦手意識があったのですが、赤福餅が出てきた時に、
割と最近の話なんやなあと思ったら、ちょっと薄れました。
 あと、おこもさんが「おありがとうさんでございます」
という鯛蔵さんの時に出てきた台詞が無かったので、
彼よりはソフトな表現になっているなあと思いました。
杖とお椀を持っているおこもさんは幻なんでしょうか?
 お鍋の場面はとても美味しそうで、総じて勢いのある
内容だったように思います。


お次は、米紫さん。
マクラは、60回もしていると、お客さんから、
たまには珍しい噺をとリクエストされて…というもの。
この噺を持っているのは米朝師匠と私だけです、
と言って「堺飛脚(さかいびきゃく)」(←「び」と濁るようです)を。
何故珍しい噺なのか、それは面白くないからです、と。
この台詞、時々落語会で聴くのですが、
本当に面白くなかったことはありません。多分。
例にもれず、米紫さんの堺飛脚、面白かったです。
急ぎの手紙を渡されて堺の大浜まで飛脚さんが
走って行く、その道中に化けタヌキが驚かせようと、
色々な仕掛けをしてくる、という内容です。
走る時のお囃子は「明石飛脚」と同じでしょうか?
三味線の音の合間に聞こえる「バタン×2」という音が
聞こえなかった気もするのですが。
 もう一つ面白いなあと思ったのは、飛脚が走る仕草、
両肩が同時に(?)前へ後ろへ動く所作です。
走ると普通は両肩が左右交互に前後になりますよね。
何だか、落語ならではの所作のように思えました。
(狂言や歌舞伎にもあるのかもしれませんが)
 あと飛脚の表情、片目を一瞬つぶったりして、
体を張ってる職人さんらしかったです。
 お化けが出てくる所は、飛脚が一蹴すると分かっている
のに、ちょっと怖かったりして、ドキドキしました。
入道雲が耳をかしげて、足元にいる飛脚の声が聞こえない、
と、ここで今年話題の人を出したりして、面白かったです。
米朝さんも耳をかしげていたのでしょうか?
 短い噺でしたが、楽しませてもらいました。


お次は、紅雀さん。
マクラで覚えているのは、引っ越し屋さんが来て、
見積もりをする、というもの。「宿替え」の前に出すには
持ってこいの話ですね。
 噺の冒頭は、おかみさん、割烹着を着てました。
(来年もまだ出せそうな時事ネタ)
でも、火鉢にあたる場面は無かったですね(多分)。
糸にょんにゃくは何だか久しぶりに聞きました。
 このネタは、今まで聴いていて、
あそことここがカットされたなあとか、割と頭の中で
冷静に受け止めていたのですが、少し前くらいから、
カットされた状態でも一つの完結した噺として
楽しめるようになって来たように思います。
 荷物を持ち上げようとする場面は、
いつもだったら、もう少し笑い声が起こるのに、
今回はおかしいなと思っていたら、
高座の上にある太い梁が、照明を遮って、
紅雀さんの顔に薄く影が出来ていました。
米紫さんも膝立ちする所作があったのですが、
その時は、顔に影はかかっていなかったので、
噺家さんの立つ位置によって影が出来るようです。
 何度も聴いている落語の内容に満足すると、
あそこが、ここがといちゃもんをつける文章も
出なくなるのですが、(今回はそのパターン)、
思い出すと、梁の薄い影だけが残念でした。
(そして緊張する席に座ってしまったことも)


トリは、米紫さん。
マクラは、楽屋が高座の真下で、天井が抜けると
思いました、とのこと。「宿替え」の荷物を括る
所作の時の「ドタンバタン」という音ですね。躊躇がない。
「三年目」は、めいぷるの会で一度聴いたことのあるお話で、
聴き比べが出来る、と思ったのですが、
会場の雰囲気が余りに違ったので同じ土俵に乗せるのに、
何だかためらってしまいました。
高座の後ろにある垂れ幕が、3~4色全て暖色系、秋色で、
温かみがあったこと、古民家の空間は独特ですね。
 一番印象に残ったのは、主人公が先妻のお墓の前で、
とても複雑そうな表情が出た場面です。
相手を責めたい気持ちもあるけれども、好きな気持ちも
残っているというような。ほんの少しの間でしたが、
他の噺家さんが同じ場面をした時、
彼以上の表情を出せるのかとさえ思いました。
 あと、先妻の幽霊が出た時の笛の音色が、
何だかとっても、音が鳴っていなかったように
思うのですが、ヒュウヒュウ吹くあの世の風という
趣向だったのでしょうか。


大喜利は、舞台から向かって左から米紫さん、吉之亟さん、
紅雀さんと並びました。
お題をお客さんから求める、というもの。
覚えているお題は「クリスマス」でした。
他は「吉田山」?でしたっけ(うろ覚え)。
さくさくと進んで、茂庵寄席にまつわる数え歌を。
吉の丞さんも、紅雀さんも不吉なことばかり言って
ました。(噺家の性分)
持ち上げる言葉はしっかり持っているので、
逆の言葉を言いたくなるのでしょう。
「4は、死体が転がる茂庵寄席」「こらー!!」
というようなやり取りです。
これは来た人にしか分からない笑いですが、
米紫さんがマクラで、
「帰り道が余りに暗くていつも二三人行方不明になる」
と言ったことを踏まえたものです。
こうやって文章化すると面白さが伝わりませんね。

今回、山のてっぺんでする落語会ということで、
お客さんが少なかったらどうしようとも思い、
参加したのですが、よくよく考えたら、60回も続いている
寄席で、しかも記念の会です。ほぼ満席(9割か?)の
会でした。

帰り道は、余りに怖くて出町柳方面に出る山道を
選ぶことが出来ませんでした。仲間を見つけて一緒に
山を下りれば良かったですが…。
歩くのは嫌いじゃないので、てくてく遠回りして
帰りました。

頂上からの眺め、もっと噛みしめれば良かったです。
夕方たどり着いた時は汗まみれで何も見えませんでした。
京都の景観を味わえる有名なカフェみたいですよ。

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