めいぷるごにんばやしの会

2011年3月15日(火)箕面

桂 まん我 「牛ほめ」
桂 ひろば 「七段目」
桂 米紫  「堪忍袋」
~中入り~
桂 紅雀  「親子酒」
桂 吉弥  「猫の忠信」

 1時間休をもらって、箕面へ。遠かったですが、まだ聴いた事の無い紅雀さんの噺なので頑張りました。(このエネルギーを他に使えないものか)。ホールの入り口に、義援金の箱がありますという張り紙があったのですが、場所が分からず。受付の横にあったのでしょうか。噺家さんが沢山受付に立ってはるので、近寄れませんでした。小心者ですいません…。
 まん我さん、「地震で大変なことになっていますが」と前置きされて、自分の出来ることはこれしかないというようなことを仰ってから、さくっと噺に入りました。文我さんのおやこ寄席CDの「牛ほめ」と思わず聞き比べてしまいます。ちゃんと大人向け?の牛ほめで、甚平さんが、池田のおじさんの新築を見たくだり(雨宿りをさせてもらって…というもの)が序盤にありました。そういえば、こごろうさんもこんな事を仰っていたような。聞くにつれ、こごろうさんの牛ほめとテキストが似ていてびっくりしました。よく考えたら枝雀一門の噺家さん同士ですから、自然なことなんですね。主人公が、池田のおじさんの家の茶の間をほめた時に「首をくくったらいい」と言う場面も普通に笑えました。「そんなこと言われたら、向こうも怒るやろ」と甚平さんが言うと、「(失念)、おっさん激怒した」と(笑)。主人公が池田のおじさんの娘を泣かせた場面も特に傷つかず(あれれ)、主人公が「ほんまに(娘さんが)牛と似てるから」とさえ言っても(これはこごろうさんは無かったような)、苦笑いで済みました。「三人上戸ができた」と言わず「大爆笑」と。激怒も大爆笑も落語の中では中々聴かない言葉ですが、違和感無く笑えました。これはまん我さんの工夫なのかな?それにしても、まん我さんはきちっと綺麗に噺をしてくれる人なんだなあと改めて思いました。サゲは勿論牛まで。「ここにも秋葉さんのお札貼っときなはれ」だったかな。こごうさんもまん我さんも牛が糞を落とす描写は省きましたが、紅雀さんは何となく言いそうな気がします(何故に)。
 まん我さんの噺を聴いてはっきりしたことは、私が牛ほめで苦手な箇所は「紅雀さんが話すから」苦手なのであって、他の噺家さんは平気だという事です。自分でも何故だか分かりませんが、牛ほめを話す紅雀さんは凄く遠く感じてしまいます。何重も仮面をかぶっているみたいに思えるのです。


 ひろばさんは、タクシーに乗っていて運転手さんが事故を起こしたというマクラを。ブログにもありましたが、より詳細に語ってくれました。タクシーにはねられたホスト風のお兄さんが、「仕事に行かなくちゃ」と繰り返したのは、その日がバレンタインデーだったからだと。
 ひろばさんの七段目は初めて聴きます。芝居の仕草がとても面白く、女形の声(本当は定吉なのですが)も上手かったように思います。ただ、大旦那が凄く怒っている(または怒りを押し殺している)ところは、もう少し描いて欲しかったかなと。旦さんが怒っている、腹に据えかねているという言葉が出ても「そんなに怒ってたかなあ」と思ってしまいます。また若旦那が、芝居に通い詰めである自分を自覚しつつ、心のどこかで父親や奉公人に申し訳ないなあと思っている表情が、ちらりとでも出てきてくれたらなと思いました。これは、米團治さんの七段目で私が感じたことです。親に会わす顔が無いから説教する父親の前で、おちゃらけて芝居の真似事をしてしまう。人物像の彫りの深さは、ひろばさんなら将来きっと手に入れてくれる部分だと信じています。彼はそれだけの力を持ち合わせている噺家さんですので。


 米紫さんのマクラは芝居に関することだったように思います。つい最近、演劇(舞台)に出て、出演者の結束力の強さに感心したと。トラブルがあっても、協力し合って乗り越える。小道具を忘れても台詞を忘れても、さりげなく仲間が客に気づかれないように助けるのだと。落語だとそういう事はできませんね、仲間がすべっても逆に舞台袖でガッツポーズを取ってしまうと。(^^;) マクラ用にお話されているのかなと思ってしまいました。雀の学校でまん我さんが台詞を忘れた時、とっさに舞台袖の誰かが助けてましたよ。(もの凄いレアな瞬間を私は見たのかもしれません)。 堪忍袋は狭山で見たときよりも、毒がちょっと和らいで、柔らかな印象になってました。これぐらいが私にとって丁度良いのかもしれません。夫婦喧嘩をしている間、子ども達がどこへ行ったのかは、やっぱり気になりました。甚平さんの家に転がり込んでたら面白いなあ、なんて。最後に出てきた伊勢屋のお花さん、どうしても堪忍袋を貸して欲しいんですと言う前に、正座したままちょっとジャンプして両手を付いたので、そこがとても面白かったです。今回のめいぷるの会はお子さんがとても多いように思いました。いつもこれくらい来ているのかな?米紫さんの噺が終わった後、私の後ろ辺りに座っていた女の子が、「最後、姑さん死ぬかと思った~」なんて楽しそうに話しをしていました。


 中入り後は、紅雀さん。マクラが思い出せません。そんなに長くなかったように思います(うろ覚え)。さくっと噺に入ったような。そういえば、若い人と年のいった人の酔い方が違うというお話をされてました。若い人は前へ前へ姿勢がいって酔う。年のいった人は後ろへ後ろへ姿勢がいくのだそうです。その仕草が面白かったです。これは、2月の月末亭で、「親子酒」を出された吉弥さんに、私がアンケートで「親子の年の差が少ないように思います」と書いたことに対する答えなのでしょうか。だとしたら嬉しいですね。子供が二十代から三十代であれば、親は少なくとも四十代から五十後半~六十代になりますので、酔い方はきちっと演じ分けて欲しいものです。でないと、親子なのに、同一人物を見ている錯覚に陥ってしまいます。
 紅雀さんの親子酒は色々と凄かったです。吉弥さんとしん吉さんのお二人でさえ、笑いを取る所が違うなと思っていましたが、紅雀さんはもっと違っていました。違いすぎて大丈夫なのかと思ったほどです。落語では、笑う箇所がある程度決まっているものですが、紅雀さんの親子酒は読めない部分が多かったです。「こんな台詞があって、ここで笑わせる」というものではなく、酔態で笑わせているような感じでした。それはそれで、面白いのですが(ジャッキーチェンみたいだし)、余り深くアルコール成分を身体に入れると(演技上の話ですが)、成り切りすぎてここぞという笑いを取りこぼす危険もあります。とはいえ、想像の斜め上を行く紅雀さんの噺を聴けて満足でした。取りこぼした所は、次回高座にかける時に修正してくるでしょう。赤いポストにぶつかった、というのは、吉弥さんやしん吉さんにはありませんでした。某ブログの感想によりますと、雀三郎さんの型ではなく、枝雀さんの型なので教わったものだろうという事でした。
 メモ
・男が息子の帰りを待っている間寝てしまう場面で、ゴンという音がなるほど、床に頭を打ち付けていた。
・しん吉さんだと、男が息子の嫁に対し「私が今からもう一人息子を作りますので、あなたはあんな酔っ払いと別れて、私のもう一人の息子と結婚してください」という台詞が、紅雀さんでは「あんな男と別れなさい、私が酔っ払いでない男を新しく世話しますから」となっていた。
・おろし立ての(新しいいっぱい詰まった)唐辛子と言っていない?
・唐辛子の山の乗ったうどんを食べて、辛い~!というところよりも、水をお代わりして飲んだ所の方が面白かった。
・嫁の影が薄いので、もう少し出番を増やして欲しい。


 吉弥さん、出てくるなり紅雀さんのことを「面白い男ですね」と。マクラは、そんなに長くなかったように思います。猫の忠信という噺は長いですし、後から思えば、抽選をする時間を気にされていたのかなと思いました。内容は、浄瑠璃の師匠(美人)がいて、お弟子さんはファンの人が多い。師匠のお気に入りは俺やと皆が思っています(たぶん)。浄瑠璃の会が催されることとなり、役のことで教室の古株の人と次郎貴(ジロキ)がもめて、お師匠は妻帯者の常吉に惚れている、二人は良い仲だと古株の人がばらします。それを確かめる為に、ジロキはこっそりと師匠の家に行き覗き見を。すると常吉といちゃいちゃしています。ジロキは腹が立つものの、このことを常吉の奥さんにいいつけて、もめさせようとたくらみますが…。奥さんは始めジロキの話を聞いて驚きますが「それはいつの話?」「ついさっき見てきた」という答えに、「あんた嘘ついたな」と。常吉は朝から家にいると奥さんは言い張ります。常吉が二人いるのです。ジロキは、お師匠の家と常吉の家は秘密のトンネルで繋がっているに違いないと(笑)。「ズボ・シュー(っと出る)なんやろ」と。ストーリーはたっぷり楽しめましたが、吉弥さんが噺そのものに飲み込まれているように感じました。奥さんがあっさりとジロキの言葉を信じる辺りも、少し物足りなかったです。単純すぎではないかと。嫉妬深い人って、はじめは黙ってしまうものじゃないのかな。笑う箇所をもう少し増やして欲しいのですが、これはそういう噺ではないのでしょうか。
 それにしても、どこが「猫の忠信」なのか私にはちょと分かりにくいですね。親を追いかけて来たのなら、女の人といちゃいちゃする必要は無いと思うのですが…。隙をついて盗んだらいいのにとか思ってしまいます。



 吉弥さんが高座を降りた後、他のメンバーの方々が現れて(何と私服姿!)、これから抽選会をします、と。めいぷるごにんばやしの会と、わかばできまるの会に行くと、同じスタンプカードにハンコをもらえます。それを沢山集めた人から優先的に景品(サイン色紙や落語DVD、CDや手ぬぐい、噺家さんの名前の入ったシール(千社札)など)を渡していくという仕組みです。年度末らしい催しですね。私はスタンプ一つだけしか持っておらず、きっと何ももらえないだろうなと思っていたのですが、にこさんやH子さんがどんな景品をもらうのかなと興味があって最後まで残ってました。その間、じっくりアンケートも書けましたし、私服姿の噺家さんが舞台上でわいわい言っているのも見ていて楽しかったです。紅雀さん、米紫さんに「都んぼ兄さん」と話しかけて「お前なあ~」と言われてました(笑)。
 抽選会が終わって、いざ皆で駅まで~という時に通りすがりの落語通の方から噺家さんたちのサイン色紙(景品)を「いりますか」と訊かれて、思わず頂いてしまいました。沢山持ってるからもういらないのかな?何はともあれ有難うございます(^^)。今度落語会で会った時はちゃんとお礼を言わなくちゃ。

2011年3月15日めいぷるの会で頂いたサイン色紙
抽選会には、わかばできまるの会の、わかばさんとちょうばさんもお見えになっていたので、サイン色紙の中にお名前があります。鯛蔵さんだけお仕事?で来られなかったようです。

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ゴン

頭をゴンと床にぶつけるのは、枝雀さんと雀三郎さんで見た事があります。だから、頭に毛のない人に限ってぶつけるのかなと思ったりしていました。
頭に毛が沢山あるのに、ぶつけるのは紅雀さんが初めてです。
きゃはは。

もずさんへ

ゴンとぶつけた直後かどうかよく覚えていませんが、紅雀さんの酔いっぷりに拍手が起こったんですよ。私は、ここは拍手するとこなん?とびっくりして出来ませんでしたが、今から思えば嬉しい思い出です。

雀三郎さんも枝雀さんもゴンとぶつける所は同じなんですね。型の違いが少し気になってきました。枝雀さんの方がアッサリめで、紅雀さんもそうらしいのですが。毛のある枝雀一門の噺家さんで、他に頭をぶつけそうな人は誰だか探すのも面白そうですね。^^

ゴン

こんばんは
私も雀三郎さんのゴンは余りに印象的で、あの風貌故の演出かと思っていたので、紅雀さんのゴンにはちょっと驚きました。
雀三郎さんのゴンには毎回拍手が来ますよ。(私が見た限りでは)

にこさんへ

 雀三郎さんのゴン、一度だけ見たことがあります。親子酒ではなく、かぜうどんの前に話されたマクラの中だったように思います。やっぱりその時も拍手が起こってましたね。
 風貌ゆえの演出…(^m^)ふふ
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