第17回 紅雀の

2014年12月11日(木)鶴橋・雀のおやど

桂 そうば 「十徳」
桂 紅雀  「かぜうどん」
桂 二乗  「天狗刺し」
桂 紅雀  「三枚起請」


本当に久しぶりの三枚起請でした。心ほかほか。
そして、うどん屋さんは「うどーんそーーいやうー」。



開口一番は、そうばさん。
マクラは、若手は衣食住が貧しくて、というもの。
それぞれのエピソードを聞かせてくれました。
噺の冒頭、主人公の横柄な話っぷりに、「うっ」と思いました。
「つる」と台詞はそう変わらないはずなんですが。
上方落語メモを見ると、「つる」の方が、少しだけ
丁寧な話し方を主人公がしているような。
羊羹が出てきたあたりから、何故かほっとしました。
サゲは「上方落語メモ」とは違って、
よ(4)うな、よ(4)うなで、八徳になって…
そこからちょっと分からないのですが、お酒が一本(?)、
みたいなオチでした。変化球タイプです。
こういうのも良いなあと思いました。


お次は、紅雀さん。マクラは、娘さんを送る時、着ていく服をつい考えてしまう、というお話を。それから幼稚園の子どもたちの挨拶がしっかりしている、可愛らしい、とも。噺の冒頭の酔っぱらいの歌は、数字の歌でも、姉妹の歌でもなくて、パパラパパーというような歌でした。初めて聴くような、そうでないような。でもキョーレツな印象。星を指す場面は京都ではクスクスっていう感じだったけど、大阪ではドッとした笑い(人数は少ないけど)。で、その後の「団扇なのか扇なのか」というクスグリで「え?」って思って、(このあと2分ほど反省したと三枚起請のマクラで言ってました)、犬が下手ではなく上手の方へ消えていきました。意外。幻の泥の瞬間移動なんですが、今回も出なかったのですけれども、よく考えたら「自分の意志に反して泥の方へ体が向かって行って足を汚した」という台詞が言えなくなるなあと思いました。酔っぱらいからお湯をくれと言われてブツブツ言ううどん屋さん、「酔っぱらいのことやから逆らって店の道具こわされたら困る」というような台詞が入って(初耳)、「このお湯がきっかけでうどん買ってくれるかも」という台詞が消えてたかも? 後者の方がポジティブな考えですよね。妄想の女将さんは、以前よりクール美人でした。三枚起請の影響でしょうか。ちょっとそこが嬉しかったです。あと、うどんをすする音が、最後らへん水気を感じる音で凄いなあと思いました。


お次は、ゲストの二乗さん。何だか何時になく緊張ぎみのご様子。「紅雀の」では一度?前座で出演されていて、ゲスト枠は今回初めてだと思います。ネタは鉄板のものではなく、今年の1月(か2月?)に東京で出して、お客さんから「え?」という反応をされたネタを改めてもう一度出します、とのこと。紅雀兄さんはチャレンジを許してくれる人で…と言ってました。二乗さんも好きなネタだということです。聴いていて、ふわーっと思ったのは、「北っぺり」という言葉。何だかとても素敵な響きです。あと、カラス天狗が金網越しにきょろきょろ往来の人を見るところは、やっぱり紅雀さんのカラス天狗は怖いなあと思いました。二乗さんのは怖くなくて、ほっとしました。夜の暗さは、何故か出ていないように感じました。テキストに「夜」を表現する言葉がそんなに入っていないのでしょうか。主人公が暗くてお坊さんを天狗と間違えたという台詞を聞き逃したのかもしれません。このネタ、今まで聴いて気づかなかったのですが、主人公が山から下りてきて人々が口々に言う台詞(ここで夜は明けている様子)、京都弁っぽくない。大阪の人っぽい感じで、あれ? って思ったのですが、これは個人的に妙な知識を付けてしまっていて、「~さかい」は大阪弁だという方言番付を見てしまったからなんですね。見間違いではないかどうか、もう一度中之島図書館に行かないといけません。噺の全体的な印象は、とてもよくお稽古されているなあと、しっかりとした印象で、後は、高座にどんどん出して、お客さんの反応を見て間合いを微調整する段階に来ていると思いました。落語がパンなら小屋は釜やなあと思った次第です。サゲは衣の方でした。
※2015年1月25日追記
「~さかい」は、京都弁でも使う。『洒落本大成』第29巻を参照。


最後は、紅雀さん。三枚起請はよほど良かったのか、メモが余り残っていません。寝る前にいつも書きだすので、力尽きたのでしょうか。
・三人の描き分けがとてもくっきりしていて良い感じ。
・清八の妹の話は、ちょっとしんみり。騙されているって気づかない人の心理を突いている。ええようにええように考える。
・喜六のイヨーッ(ポン)←が不発。源やんか清やんかが「ちゃんと稽古しとけ」と笑いにしていた。
・難波新地に向かうハメモノ。本ではよく新町のハメモノよりも俗っぽく陽気(うろ覚え)だと書かれていて、うん、そう言われてみればそうかも、と。三味線を止めるキッカケが分からず、不覚。
・カシワとこんにゃくのたいたん、が相変わらずとても美味しそう。
・アネキがアニキに聞こえる。これはずっと前から。どうしたもんか。
・お茶屋の女将さんの「耳返してや」がめっちゃ好き。でも前の方が笑った。
・小照が源やんに倒れ込むようにして座る。肩の角度が斜めで物凄く女性っぽい。「ようお越し」。「辻占の悪い日は」。
・小照がワーッと泣く。前まで指の間から源やんの様子をうかがう目をのぞかせていた。この日は、手拭いに顔をあてて、その端っこから源やんを、そっと見ていた。とても自然。舞台から向かって右側の目。
・清八が屏風の向こう、喜六が押し入れの下段。源やんを中心に。掛け合いが面白い。
・豆炭、くさったジャガイモ、死んだ方がマシ←笑った
・かげぼうし、もやしのこむら返り(?)、首括った方がマシ。くすぐりの三段重ね、今までこうだったかな。牛ほめで苦手な首括るという言葉で笑えた。不思議。
・古典の持つ暗さが明るくなる。しんみりしていても面白い表情で笑わせてくれる。
・独演会で出してほしい。
メモ:「芸能懇話」第5号に載ってた小佐田先生の「はめものきかっけ帳(4)」、さんまいぎしょう、とふりがながついていた。本には難波新地へ向かうハメモノに三味線の人の唄(歌詞)が付いていたが、今回、唄声は入ってなかったように思う。あと「小照待てェ」の後に「男心はむごらしや、女心はそうじゃない」という台詞が入ると書いてあったが、そいういう台詞(ハメモノの声か)は無かった。

コメントの投稿

非公開コメント

三枚起請

前回聞いた三枚起請は、千朝さんそっくりのような気がしたのですが、今回もそんな感じか?それとも、紅雀色がたっぷりかな?
その辺は、湖涼さんの名レポを待ちたいです。

P。S 昨日聞いた天使さんのうどん屋の声は、紅雀さんと同じです。

RE:三枚起請

千朝さんとそっくりとは驚きました。誰にお稽古付けてもらったのでしょうか? 私は千朝さんの三枚起請を聴いたことが無いので、聴き比べることが出来ません。

天使さんの売り声は「うどーん」でしたか。他の人はあさ吉さんのように「うどんや」と言っていると思ってました。
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
ブログ管理人(湖涼)の連絡先
jaimo.koryou★gmail.com (★を@に変えて下さい)
@koryou_ツイッターです。
2つのアクセスランキングに参加しています。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 落語へ
↑にほんブログ村

最新記事
最新コメント
リンク
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
カテゴリ
月別アーカイブ