第195回 利久寄席

2014年11月15日(土)堺東駅前

米平さんのご挨拶
桂 鯛蔵 「ふぐ鍋」
桂 紅雀 「親子酒」
桂 米平 「抜け雀」


マクラもネタも、たっぷりの一席。
鯛蔵さん、ハードル上げ過ぎです。
米平さんの抜け雀は初めて見る型でした。
利久寄席のお客さん、あったかい。



利久寄席は堺で行われている落語会だというのに、
一度も行ったことがありませんでした。
中々情報を掴めずにいたのですが、有難いことに、
紅雀さんが出演する会の日にちを教えてくれる人が
現れまして、ようやく行けました。


会場のビルの入り口がこじんまりとしていて、
吃驚しました。こんなにスリリングな階段を
登るのは久しぶりです。
スタッフさんの気遣いが本当に有難く思えました。


会場は、普段お習い事の教室に使っているような
フローリング(綺麗)の一室でした。
並べられた椅子の間に通路となる空間があって、
噺家さんはそこを通って登場します。


はじめは米平さんのご挨拶から。
「事始め」についてのお話でした。
メモ:大きな鏡餅と白扇
利久寄席は、奇数月の第三土曜日にいつも催されるそうで、来年1月の会には福引をやります、とのことでした。また来年の9月は200回記念、ビックな噺家さんをお招きして、少し広め会場で会を催す予定だそうです。


開口一番は、鯛蔵さん。マクラは、広島県出身という縁から、広島県の小学校で落語の授業を行った時のお話でした。初耳です。初めは少し早口で聞き取りにくかったのですが、段々話に引き込まれていきました。「ふぐ鍋」は本当に久しぶりに聴いたネタです。冬にぴったりですね。ふぐをつまんだお箸を口に入れる手前の表情が可笑しくて、けっこう笑ってしまいました。「1、2、3、で…」という台詞は緊迫感のある空気を感じました。本当に楽しくて、お客さんもかなり受けていたように思います。余りに前座さんが受け過ぎて、紅雀さんのハードルが上がっていく一方だと思い、最後らへんはドキドキしました。ハードルを上げ過ぎだと思ったのは、いつだったか、動楽亭の二乗さん以来です。
メモ:全体的に充実した内容だったが、前半のどこかで、間が詰まって早く次の台詞を言ってしまった箇所があった。もう少し間を置いた方が笑いを取れるのにと惜しく感じた。紅雀さんもこういう傾向がある。ベテランさんには見られない現象(間を置いたからといって全員が笑いを取れるわけではない)。
メモ2:おこもさんは、杖とお椀を持っていない。


お次は、紅雀さん。鯛蔵さんにハードルを山のように上げられて、心の中で「頑張れ」と思いました。マクラは、テニスに例えるならフルセットのような長さでした。ざこばさんと地下鉄の話、奥さんの「てにをは」の話、今年一年起こったこと等などです。初めて引っ越した後の利久寄席に呼んでもらい嬉しいとも。導入部は、親父さんが歌を歌う所から。歌詞が聞き取れそうで聞き取れません(そこが面白いのかも)。今回初めて気づいたことは、お嫁さんが、戸を開ける前から笑顔だということです。もう少し困った笑顔を見せても良いのになと思いました。それから「ふとん」という台詞が無くて、今回は何だか寂しく思いました。定番ではないんですね。息子の登場する声で心臓が飛び出るかと思いました。これはアブナイ。「からけし」の説明は、いつもよりもやや省略。本当はこの説明の長さでいつも演じたいのかなと思いました。お水は二杯飲んでました。ただ直前まで俯いて笑っていたので「これ、二杯目? だよね?」みたいな感覚でした。唐辛子が顔にかかる表情はいつも見られない表情を挟んでいて、これは見れてラッキー。息子が、寝ている親父さんにつまづいて「荷物か?」と尋ねてました(以前もあった台詞だと思います)。それでも玄関は余り暗く思えませんでした。とはいえ、お客さんには、鯛蔵さんに負けないくらい(ファンの欲目かもしれませんが)受けていたように思います。
メモ:この日の紅雀さんは、飛び出す立体びっくり絵本のような迫力で、圧巻されすぎて、直視できず俯いて笑ってしまうことが多かったです。


最後は、米平さん。「紅雀さんのような高座は、心臓に悪いので(心臓に負担がかかるため出来ない)…」と言ってました。マクラは、冒頭のご挨拶で済ましたと見て良いのでしょうか、殆ど無しに「抜け雀」に入りました。「抜け雀」を聴いたのは、千朝さん以来です。今年の夏か秋に聴きました。おやっと、思ったのは、おかみさんが亭主に客の宿代の催促をするよう言う時に、「あのまま、ふらっと出て行かれた困る」と言っていたことでした。亭主が催促しに行くと、絵師が「ちょうど出かける所だった」と言います。亭主「危ないとこや」。このくだりで、一連の場面は朝の会話だったことに気付きました。今まで、何故か昼とか夕方だと思っていたのです。宿屋で生まれ育ったおかみさんが、今日こそは亭主に催促を言わさなあかん、客に逃げられる前に、と思うのは、大変理に適っているなあと思いました。「上方落語メモ」のテキストでは、朝の会話だと分かりにくい。確かに絵師は朝に出かけて昼に戻ってくる習慣になってます。「ブラッと出てまいろぉと思ぉておったところじゃ」と言っているので、よく考えたら朝の会話だと分かるはずなんですね。それが今まで気付けませんでした。今回、おかみさんが「あのまま、ふらっと出て行かれた困る」と言ったので、ああ朝の会話だったんだなあと、やっと思えました。ちょっとした一言なんですが、効果てきめんです。それから、印象深かったのは、絵を描くときに「チョイチョイチョイ」という擬音を言わなかったことでした。私は筆に墨を含めるちょっとした間も、この擬音も好きだったのですが、その間も擬音も無く、一気呵成に絵を描いていました。これもアリだなあと、既成概念を覆された思いがしました。少し台詞に言い詰まりする所が後半あったので、これからどこかの会で出すために、利久寄席で出されたのかなと思いました。つきたてのお餅だと思っておきます。


次回は、来年の1月17日(土)18:30から、米平さん、歌之助さん、鞠輔さんのご登場です。新春恒例福引大会あり(米平さんが頑張って揃えるそうですよ)。HPでは次回の更新はまだされていませんが、メールフォームで前売り券の予約が出来るので、大変便利です。ご参考までに。利久寄席.com


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利休寄席

利久寄席は、出丸さんの繁昌亭昼席のマクラにいつも出てくるのですが、それは前の利久寄席ですね。
亡き喜丸さんが、世話人だったという事でも印象が深いです。
前の利久寄席の最終回には、鈴々ちゃんが、急に廃業になったため、その代演で紅雀さんが出演され、演目は向う付けだっと記憶しています。む雀さんが世話人をしておられた時代もあり、いつかは行ってみたいと思いつつ、現在に至っています。( ̄o ̄*)ボソッ

利久寄席の歴史

利久寄席はスタッフさんがお若いのも、復活した寄席として頼もしく思えました。長年行われていると、色んなことが起こりますね。む雀さんが世話人をつとめていたとは知りませんでした。そして鈴々ちゃんの代演として紅雀さんが出演されたのも、初めて知りました。お名前を変えられてご活躍されているせいか、ひと昔前のように感じられます。
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