動楽亭昼席

2014年11月4日(火)動物園前

桂 鯛蔵   「初天神」
桂 まん我  「寝床」(半ばまで)
桂 しん吉  「若旦那とわいらとエクスプレス」
桂 紅雀   「親子酒」
~中入~
桂 宗助   「足上がり」
桂 南光   「義眼」


会の後の友達とのおしゃべりが楽しいと、
落語の思い出も磨かれている気がします。(^v^)



連休明けなのに、いっぱいのお客さん。
南光さん効果かなと思ったのですが、
まん我さんお目当ての人がけっこう居たような気がします。


開口一番は、鯛蔵さん。
マクラは、去年10月にご結婚された新婚生活の一端を。
何もかも言い負かされてしまう、というもの。
「何でしょうね」と、語彙少なに言うのですが、そこが何とも
面白い空気。佇まいがちょっとぼんやりしていて、いかにも
奥さんにやれている感じが出ているんです。
 「初天神」は久しぶりでした。寅ちゃんが相変わらず可愛い。
以前感じた、若いお父さんという印象が無くなってます。
 飴屋のくだりで、父親が売り物の飴を
間接的に舐めて回るところ、時間の関係か、カットしてました。
それが凄くスマートに感じて、おお~っと思いました。
 「落ちた飴、どこや」と父親が辺りを見る時、
手に飴を持つしぐさをしていて(鯛蔵さんにとっては、
飴を探しているポーズだったのだと思います)、
私は、飴、お父さんの手の中にあるやん!と思ってしまいました。
噺家さんの仕草ひとつで起こる勘違いです。何回も聴いている噺
だったのですが、私は視覚情報が勝って脳に入って来るようです。


お次は、まん我さん。
マクラ抜きで、いきなり「オオ~♪」と噺を始めました。
冒頭の辺りは、米二さんの寝床とテキストがけっこう同じだなあと、
思い衝撃を受けました。「絶好調や」って米二さんも言うのですが、
一体誰が言い始めたんでしょう。本当に面白い一言です。
 噺が少し進むと、米二さんのテキストと違う、と、
ドキドキし始めました。でも、どこが、とはっきり思い出せません。
久七が報告している途中からだと思うのですが。
 旦那さんがガッカリする度に「オオ~♪」という声が
小さくなっていきます。その二文字に、本当にガッカリしている
気持ちが凝縮されていて、面白かったです。
紅雀さんも少し言っていたと思うのですが、まん我さんほど、
頻繁には言ってませんでした。主成分と副材料くらいの差があります。
 「皆さん、そこで隠れて聞いているのじゃろ」
という旦さんの台詞で、奉公人が皆、障子の向こうで耳をそばだてている光景が思い浮かびました。障子の向こうで…というイメージが湧いたのは、初めてです。他の人は何と言っているんでしょう。
 会の後、にこさんから聞いたところによると、
昨日は三つ目の出番で、今日は二つ目。やはり今日の方が、
少し噺が短かった、とのことでした。


お次は、しん吉さん。
マクラで、鉄道の話をされる前にいつも、すいません、って、
ちょっと恐縮されるのですが、「も~そんなん言わんで
ええのに~(大阪のおばちゃんの褒め言葉)」と思って
しまいます。
内容は、北陸新幹線が出来て、自分の好きな電車が
消えるのが寂しいとか、そういう話でした。
 「若旦那とわいらとエクスプレス」は、何度も聴いている
噺で、当然他の人たちもと思っていたら、
にこさんもすだちさんも、初めてだと言うので吃驚しました。
(※後で、にこさんはずっと以前に一度聴いたことが判明)
同じネタが出てくると、残念がる人も居ますが、
私は、しん吉さんのこのネタ、けっこう好きで、
ひょっとしたら、これは代表作第一号かもしれない、と
勝手に思っています。
 印象強いのはやはり「こんにちは、さよなら」の
繰り返しのところです。場面転換が一瞬で終わる落語の強みを
すごく生かしているなあと思いました。
 好感が持てるなと初めて気づいた点は、
豪華寝台列車の切符を断る理由が、家族に付き添いたいから、
と言うところです。電車ファンなら断腸の思いでしょう。
 この噺を聴いていて、一番心地が良いのは、
新作をのびのびと語られている姿が見れることです。


お次は、中トリの紅雀さん。
マクラは、初めて聴く内容が「柿を剥いてほしい」という
ものと、しん吉さんの鉄っちゃん具合の話でした。
奥さんの「てにをは」が気になる話はお馴染みになりましたね。
それにしても、紅雀さんが家事を手伝う話を聞いたお客さんが
くすくす笑うのは何故なんでしょう。中々良い雰囲気。
 「親子酒」の冒頭、親父さんが歌った後、絶好調や、
と言います。この場面、やはり無いよりは有ると嬉しいですね。
 「上がり框(がまち)」テキストが復活してきました。
息子の嫁さんとのやり取り、もう少し長くやって欲しかったです。
親父さんが寝ないぞと頑張る姿が面白い。
安定感はあったけれど、全体的に少し巻き気味だったかなあ、
という印象です。
 お水を二杯飲んで欲しかったとか、そういう極細な思いは
置いておいて、気になったのは、息子が帰って来て、
親父さんの顔を覗き見る時間が短かったことです。
多分いつもの0.5秒くらい短い。
つっかえ棒で戸締りをしている時代ですから、
薄暗い所で寝ている人の顔はまじまじと見て欲しいです。
※コメントではデレているので合わせてご参照ください


中入り後は、宗助さん。
何だかとってもお久しぶり。
マクラは、落語と違って歌舞伎はお金がとてもかかる、
というお話など、いろいろ。
 冒頭、丁稚さんが、「縁にギザギザがついていたら、
50銭玉や」と言っていて、これは!!!!
と思いました。ずっと前、阿か枝さんが「悋気の独楽」で
されていた演出で、それ以降、ご無沙汰だったのです。
「足上り」は初めて聴く話でした。
丁稚さんが待っているのは、旦那さんじゃなくて番頭さん。
冒頭のところはだいぶと似てますね。
 四谷怪談のお菊さんが出てくる場面は、本当にドキドキしました。
とてもリアルに感じます。ちょっと身体を斜めに反らせて、顔は逆方向に反らしているのでしょうか。すっごい幽霊っぽい。
今まで見た幽霊は「饅頭怖い」とか「皿屋敷」とか、
体の芯が比較的真っ直ぐ立っている状態だったと思います。
お芝居の幽霊は、そうではなかったんですね。
 それはそうと、番頭さんはどうして、こんなに幼くて口の軽い
丁稚さんを連れて行ったのでしょうか。悋気の独楽の定吉が、
ごりょんさんから、嘘をついたら血を吐いて死ぬ饅頭をもらって食べてしまい、仕方なく白状するくだりを知っていると、幼さが余計目立ちます。ひょっとしたら、悋気の独楽、はじめは饅頭のくだりが無かったのかもしれませんね。


お次は、南光さん。
こちらも本当にお久しぶりで、こんなお声だったかなと、
驚いたくらいです。
マクラは、20年ほど前、声が出なくなって病院に行った時の
お話でした。
 義眼は、二回目だったのですが、聴いているときは、
初めて聴く噺だなと思ってました。最後らへんになって、
やっぱり二回目かなと。記憶がぼけぼけだったのは何故でしょう。
短い噺だからでしょうか。
 南光さん、やっぱり凄いなあと思ったのは、
廓の中の薄暗さが、語りの中からはっきり生まれてくる所です。
テキスト上は、暗さを説明するものが無かったように思うのですが、
それでも薄暗さが伝わってくるというのは、全く説明がつきません。
登場人物のしぐさや口調から想像できてしまうのでしょうか。
この薄暗さは、噺の中に入って聞き込んでいる状態です。
紅雀さんの噺もたまになら薄暗くなりますよ。(たまにって!)
余り聴きこみすぎるのも良くないみたいですね。
 主人公の相方(芸妓)さんの口調が、ちょっと面白かったです。
周りの人たちが笑わないので、ぐっと飲み込んでしまいました。
 以前聴いたときは、「ぞんわりしたサゲ」という感想を
書いたのですが、今回は免疫が出ていたのか、ぞんわりとは
思いませんでした。中々よく出来たサゲだなあと思いました。

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No title

六代目松鶴師は、彼の写真集によれば、一年間ほど同じネタばかりしていて(相撲場風景)、マスコミからたたかれた事があった。だが、師は「同じように見えるかも知れないが、皆それぞれ違う。色々変えているのだ」と一括したと言う。
紅雀氏の親子酒も皆それぞれにちがうのだろうか?私は、細かいところまで見てないので、一見同じように思われる。(ちがう所もたまに発見した事もありますが・・)
その辺は、最新の注意を払って、数多く親子酒を聞かれた湖涼さんの今回のレポを期待しながら待ちたい。

同じネタ

こんにちは。

 紅雀さんの落語は、ファンの欲目かもしれませんが、
この間と同じくすぐりだなあ(がっかり)と思ったことは殆どありません。この間と同じくすぐりが来た(嬉しい)という気持ちが多いです。「来るぞ来るぞ」という感じですね。
 「マイマイマイコちゃん」や「包囲されている」は、
調子が良い時しか出さないのかなあと思っていたら、
割と普通に出てきて驚きました。
 トリで出す「親子酒」、中々堂に入って来たように思います。(^^)
個人的には、お水を二杯飲んで欲しかったんですが。(これは時間の関係で出せなかったっぽい?)。
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