第16回 紅雀の

2014年10月21日(火) 鶴橋・雀のおやど

桂 米輝  「阿弥陀池」
桂 紅雀  「逆さま盗人」
桂 しん吉 「矢橋船」
桂 紅雀  「花筏」(ネタおろし)


何だかほんわかした良い会でした。(^^)
当日料金のお客さんが何と13名も!



米輝さんは二回目くらい。
マクラは、弟子入りした頃のお話を。
それから師匠の家でモモちゃん(犬)に構われながら
覚えたネタです、という流れで「阿弥陀池」へ。
 序盤でピストルでは無く抜き身を出しちゃったのですが、
後は、集中力を切らさず最後まで力いっぱい。
 テキストも噺のテンポも心地良かったです。
聴いていて、「ああ、これこれ! このフレーズ!」
って感じでした。
 型は、南天さんのものでも、佐ん吉さんのものでも
ありません。「かねて用意のガマ口を」というくすぐりが
無かったように思います。あと、尼さんの乳に飛びついた?
というくすぐりも無かった。並べると、
南天さん→着物の上から胸を指さす
米輝さん→着物を脱いで胸を指をさす
佐ん吉さん→着物を脱いで乳を出して指をさす
 それから「ぞうさん」の歌が出て来ました。
これにはびっくり。とても面白かったです。
 「おっさん、腕切れてボロボロや」のくすぐりは、
さらっと流れたように感じてしまって、
正解を言おうとして言いよどむ表情が直前に
あったら良かったのかなあとも思いましたが、
ぱっとドヤ顔っぽく言っている噺家さんも居そうだし、
どっちが良いのかなと考えてしまいました。
 気になったのはそこくらいで、マクラも噺も楽しそうに
語っている姿が印象的でした。


お次は紅雀さん。
マクラは漫画に名前が載った話などを。
繁昌亭の看板で右側に名前が出てるのは、
若手と見られている、そこが気になる、と。
私、三枚看板で一番右側だったら、流石にアレ?
って思うんですが、漫画のカットが二枚看板に見えるんですよ。
左側は大御所で(福笑さんか福團治さん)、
右側は大御所と会ができるくらいの中堅さん。
 それから紅雀さんはテレビだとけっこう若く見えるので、
若手だと思われても仕方ないのかもしれません。
 ネタの「逆さま盗人」は、何と煙管が出て来ない版。
初めて聴きました。無くても物語に矛盾は生じないんですね。
それでも、ちょっとさみしく感じました。
 それは兎も角、レアでグレーゾーンが好きな私は、
やっぱり元嫁の名前を叫ばないやり方が極上だったと
思ってしまいます。
打飼盗人の時は、博打にはまって嫁が逃げ出した設定
だったかなあと。(うろ覚え)。それが悪女の嫁の設定に
なったので、どうしてだろうと思ったら、嫁に逃げられた者同士
にするためだったんですね。その時は、嫁が同一人物という
設定ではありませんでした。ほんの少しだけ人情噺の匂いが
して凄いなあと思ったんです。(岡町落語ランドで)。
 本気でタイムスリップしてもう一度見たいです。
あと二十年くらい待てば、前の設定に戻るのでしょうか。
(戻ったら戻ったで、嫁が悪女でない版が聴きたいとか
言い出しそうです)


お次はゲストのしん吉さん。
マクラは、何と猫ちゃんの話でした。
モハちゃん(メス・ツンデレ)とキハくん(オス・ベタ甘)を
飼っているということで、名前はやっぱり鉄道関連でした。
キハは何となしに聞いたことあったんですが、モハは初耳。
 奥さんが師匠のように振る舞うので、
猫が唯一の癒しだという話でした(笑)。
他に鉄道のマクラも話してくれたのですが、有馬鉄道という
言葉しか頭に残っていません。何故そういうくだりになったのでしょう。
神戸電鉄?が枝分かれして有馬へ行ったような。
 鉄道から旅の流れで、「矢橋船」を。
おお、新作ではない。まん我さんで聴いたことあるネタですが、
やっぱり雰囲気がだいぶ違いますね。
船の中で「赤い赤いが赤いなりけり~」という言葉遊びの
くだりが面白かったです。特に、上手な人→褒める人→下手な人
の流れがあるんですが、続けて聴いている内に、
褒める人の所から、「次は下手な人が来るぞ~」と、
何だかワクワクして面白く感じました。
くすぐり前に可笑しさを感じたのは久々のことです。
 それから、病人のおしっこを飲むくだりがあったのですが、
おばあさんのおしっこだと思っていたので吃驚。
けっこうがぶがぶ飲んでいるように見えてヒエ~と思いました。
一口目で気づいてほしい・・・けどそしたら笑いの量が減るのかな。
紅雀さんが禁酒番屋で、寸止めで飲まなかったときは、
心の内で「飲め~~~!!!」と思いました。不思議なものです。
 しん吉さんは新作落語をされますが、古典落語は、
テキストが古めで、めっちゃ古典だなあと思いました。
新作と古典のふり幅が凄いのは雀喜さんもそうだったかも。
絵描きだと二種類の絵柄を持っていることになりますね。


最後は、紅雀さん。黒い袴姿だったように思います。
上の着物は黒では無く…緑っぽい色だったかも。
マクラは、コンサートで阪神が勝ったという情報を
舞台上のアーティストが客席に伝えて異様な盛り上がりを
見せたこと。(どんな理由であれ皆盛り上がりたいんですよね)。
それから相撲の八百長の話を少し。花筏や佐野山などの噺の前には
欠かせない話題です。
 花筏を初めて聴いたのは、ひろばさんでした。
千鳥が浜が青年らしく、徐々に土俵に近づいてしまい、
思わず土俵入りした所などとても印象的でした。
 最近、聴いたのは出丸さん。二回とも動楽亭昼席です。
二回目は、調子悪そうだなあと思ったのですが、
それでも、紅雀さんのネタおろしよりはずっと流れがありました。
淀みなく語っていたとは思うのですが、やはりテンポなんでしょうか。
中々噺の世界に入って行けなかったです。
 提灯屋さんって、普通の人のように見えて、
実はこすい、というか人間誰にでもあるような弱さが後半になって、
明らかになりますよね。ダメな部分がじわじわ出てくるような。
荷物をまとめている所なんて小物臭が凄いと思います。
あわよくば、ずるして楽して儲けたい、という性格の人間を
演じるのに、紅雀さんは何となく向いていない気がしました。
(二回目を聴いたら、また違った感想を持つかもしれませんが)
主人公に感情移入し切れていない印象です。
噺の流れがどことなく途切れるように感じたのは
そのせいだったかもしれません。
 あと、太った人を演じるのに、両腕を広げて膝の上に
手を置いていなかったところが気になりました。
それから「ぶっちゃけ」という言葉、出丸さんも使ってましたが、
ど、どどどどどどうなんでしょう。現代語っぽいと思うのですが。




メモ
マクラで「打飼盗人」と、
紅雀さんが言ったのは、多分、
漫画に出ていたネタ名を口にしたからだと
思います。
 ずっと前、「打飼盗人」を演じる前は、
昔は財布のことを打飼と言っていた…
という前置きをマクラで言っていました。
 その前置きを言わなくなった頃に、
「逆さま盗人」というネタ名が出てきたので、
前置きがある→打飼盗人
前置きがない→逆さま盗人
という区分けが私の中であります。

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演目

昔、岡町落語ランドに出演された時、終演後あるお客さんが、紅雀さんに、あのネタの演目は?と質問され、紅雀さん自身が「逆さま盗人です」とこたえておられましたので、今回打飼盗人と言われたのは意外でした。
あまりこのネタに遭遇しないのですが、文華師や幻の噺家・仁扇師は、打飼盗人として演じられていますね。

尻餅もネタの中身がばれない様、餅つきという場合もあり、今回の逆さま盗人も、ネタがばれないようにとの紅雀氏の配慮なのでしょうか?

どっちでもいいんだと言われてしまえば身もふたもないのですが・・。
そのあたり、湖陵様の明快な解析に期待したいです。

逆さま盗人

こんばんは。
紅雀さんがお客さんからの質問に答えていた
岡町落語ランドの会は、私もその時一緒に来てましたか?
ちょうどネタ名が変わる過渡期くらいだと思います。

この間も、動楽亭昼席に張り出された演目表を見た人が、「「逆さま盗人」と書いてあるが、「打飼盗人」ではないのか?」と受付の人に聞いていました。受付の人は、逆さま盗人です、と答えていました。

今回は漫画に名前が載ったことを契機にネタを出されたので、漫画に合わせて「打飼盗人」という演目名をブログの方でも書いて良かったかもしれません。ただ、ネタ名を変えたということは、自分のするネタは他の打飼盗人とは違うんだ、という気持ちの表れだと思うんです。なので「どっちでもいい」ってことは無いと思いますよ。ファンとしては(^^)

岡町

あの岡町はだいぶ古いんじゃないでしょうか?
マクラでこんな暑い時は、吉弥さんに抱き付いた方が良いとか言われ、演じ終わった後も、吉弥さんの方に走って行かれたのを記憶してます。

次回は、待ちに待った三枚起請ですか?
これも吉弥さんと一緒だった、あすと寄席で演じられた光景が、昨日の様に浮かんで参ります。
次回は沢山の人に見て欲しいです。

岡町落語ランド

こんにちは。
吉弥さんが出演された岡町落語ランドは、
平成22年9月で、
紅雀さんは「花色木綿」をされてました。

「逆さま盗人」を出された時は、
平成23年5月です。
 でも、マクラのことまでよく覚えていますね。
私も両方とも面白かったので、
段々思い出してきました。

三枚起請は、動楽亭昼席で出して、
お客さんをびっくりさせて欲しいネタなんですが、
なかなか出してくれません。お昼の会で
聴いたのは、あすと寄席くらいです。
本当に一人でも多くの人に聴いてもらいたいネタですね。

打飼盗人

私もこの時に、なぜ打飼盗人という題名を言われたのか不思議でした。
逆さま盗人というのは、WEBで叩いてみると、初代春団治のSP版がてんこ盛り出てきますね。その中に、紅雀さんのYouTubeの音源も!

http://www.youtube.com/watch?v=abJt9gnyjYk

逆さま盗人という題名をあえて使うのも、初代春団治に対するこだわりがあるのでしょうか?
枝雀が初代春団治の影響を受けていたことも関係あるのかな?

初代春団治と二代目春団治

初代春団治の「逆さま盗人」は、
SPを聴いたことが無いのですが、
図書館に速記があり、読んだ時は、
紅雀さんとえらい違うなあと思いました。
 で、二代目春団治の「打飼盗人」を
動画で聴いたところ、序盤のやり取り等、
紅雀さんと似ているなあと思う所があります。
(あと盗人が去り際に「しっかり働けよ」と言う所も)
 ただ主人公の声が基本的に凄く明るくて、
本気で死にたがっている紅雀さんの演じる主人公と
そこが違いますね。

何となく、使われなくなったネタ名を、
他の打飼盗人と区別するために復活させたのでは
ないかと思います。
 師匠は春団治が好きなのに、自分は東京の●●(失念、円生?)が好きだと発言して、叱られたか空気が澱んだみたいな話を、べにてんかどこかでされてましたよ。
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