3月9日の動楽亭昼席

2011年3月9日(水)動楽亭

桂 あおば「宿屋町」、桂 小鯛 「時うどん」、桂 ひろば「狸の化寺」、桂 塩鯛 「へっつい盗人」、桂 わかば「蔵丁稚」 ~中入り~ 桂 雀々 「がまの油」、桂 紅雀 「くしゃみ講釈」

 30人弱の入り。
紅雀さんの噺は、前半まったりした部分がもう少し欲しかったですが、講釈の場面は上々。^^
噺そのものを少しでも良くしようという気持ちみたいなものが伝わってきて、
この人にずっと付いて行っていいのだなあと思いました。信じて良い噺家さんなんだと、
そういう確信をやっと得ました(今まで一体何だったのか…)。
 13日もくしゃみの予感がする。しかし私はトリの紅雀さんが見たいのです…。
 あおばさん、開演前という事で、まだお客さんの話し声がする中、「宿屋町」を話し始めました。「子ほめ」と比べると、前半たどたどしい部分もありましたが、客引きをする女の人のもの凄い容姿(!)を語る辺りから、お客さんもあおばさんの話にのめりこみ始めたように思います。足のあかぎれから、麦などの種が入って、そこから芽が出て成長して、秋には自分の足から伸びる麦の穂を刈り取りする…そういう内容だったように思います。喜六が自分の足の草鞋を解かずに、隣の清八の草鞋を解いていたという所が面白かったです。


 小鯛さんのお噺を聞くのは、本当に久しぶりです。ブログ内検索をかけたら、2009年11月以来でした。もの凄い成長ぶりに、ただ唖然。マクラから面白かったです。あおばさんが、ざこば師匠の奥さんにおばちゃんと言ってしまった話や、話しかけやすい人っている?と小鯛さんがあおばさんに尋ねると、「小鯛兄さんと、雀太兄さんと…米市兄さんと」と言い、名前が上がらなかった人の理由を尋ねると、「僕、ちゃんとした人に話しかけるのが苦手なんです」と(笑)。「時うどん」はテンポよく、しっかりと笑わせてもらいました。喜六がどうして痛い目に遭うのが分かっていて、清八の真似をしたがるのかという理由もきっちりと。「こういうのは、息と間が肝心なんや」という言葉を信じたから、というものでした。だから、濃い~お汁もぐっと飲み干して…見事に噴いていました。笑


 ひろばさんの「狸の化け寺」は。月末亭で聴いた事がありましたが、領五郎さんのダジャレが少し増えていたように思います。お囃子を使っての、お寺の大そうじの場面は、やはり聴きごたえがありました。時うどんの後に、こういうストーリー性のある噺を持ってきてもらうと、本当に映えますね。少し珍しい噺のように思いますので、お客さんは、思わぬ拾い物をした、という気持ちになったのではないでしょうか。月末亭の方が、腰をすえてたっぷり語っていた(言葉数が多いわけではなく間の取り方がもう少し長かった)ように思います。トリでないと難しい部分もあるのかなあと思いました。


 塩鯛さんのマクラは、強烈でした。米朝一門でハワイ旅行に行ったときの事。ホテルに着くなり、ざこばさんの放った一言がもの凄くて、ここでは到底書けません。^^; 20年以上前なので時効だと塩鯛さんは仰っていましたが…。日本に帰って来たときに受けた空港の検問。米朝師匠は顔パスで、その後ろに並んでいたお弟子さんも検問を受けなかったそうです。ざこばさんだけは、並ぶのが厭で、別の検問の入り口に入ったところ、見事に没収されてしまったそうです。何をしても面白い噺家さんだなあと思いました。へっつい盗人は、こごろうさんの噺を聴いたことがあります。前座噺として出されたので、少し物足りなかった思い出が。塩鯛さんの噺の中で一番輝いていたのは、今から悪いことをするとワクワクしている喜六の表情。はじめは嫌がっていたのに、寝ている間に気持ちがすっかりと変っていました。目を見開いて興奮してはしゃく喜六が何だか凄くリアルでした。


 わかばさんは、初めて聴く噺家さん。すごく若く見えますね。小鯛さんと一緒に歌舞伎を見に行った話をマクラに。「彼もあおばくんの事とやかく言えないですよ」と。猿之助さんの名前を読み間違ったらしいです。蔵丁稚は、定吉の「旦さん、こっから出して~」という台詞が可愛かったです。何度聴いても飽きないですね。芝居の台詞まわしでもう少し笑いが取れたのでは、と思ってしまいました。彫りの深さをもう少しだけ出して欲しかったような。歌舞伎を一度も見に行ったことの無い私が言うのもおかしいですが…。


 中入り後は、雀々さん。がまの油を選ぶなんて、ちゃんと紅雀さんの時間を考えてくれているのだなあと思ってしまいました。ちょっと遠慮しすぎでは…何て思った私が馬鹿でした。まだ酔っ払っていない前半のがまの油売りのおじさん。売り声が、他の人と同じ台詞を使っているように思うのですが、雰囲気というか、全く別物に感じられて、改めて雀々さんは凄いなあと思いました。いつ聴いても新鮮に感じます。歯から生まれてきたのではと思うほど、売り声に迫力がありました。がまの油を売り終わった後、おじさんはお酒を飲みに行きます。そこに入ってくるのが、噺家さんの個人的なお酒にまつわるエピソード。少し噺から脱線しますが、ここも聴き所だったりするのでしょうか。酔った枝雀師匠のむちゃぶりなど、色々楽しく聴かせてくれたのですが、やや脱線しすぎた感じも(汗)。「お客さん、わたし暴走しますんで止めてくださいね」と。噺が終われば45分の大熱演でした。


 トリの紅雀さん、出てくるなり見台を手ぬぐいで拭きはじめました。雀々さんの後の出番の噺家さんは大変?ですね。でもこれで笑いが取れるのでおいしい所でもあります。マクラは、ええとメモってないので忘れてしまいました。すみません…。でも、落ち着いているなあと思った記憶はあります。前半は少しテンポが早く感じました。焦って早くなっているというよりは、無意識なのかなと。もう少しじっくりと主人公と政やんの話のやり取りを聞きたかったです。花色木綿のようにトントンと話が進んでしまうので勿体無いなあと思ってしまいました。ゆっくり語ってもお客さんを引き込む力を充分に持っている噺家さんです。苦手だったホエーイの大合唱は、今度はすっきりと笑えました。1・2・3、ホエーイが猪木みたいやなあと。講釈の場面はかなり良かったです。眩しくて直視できませんでした…。終わってみれば、2月の雀の学校と、きらめき落語会で良かった部分を合わせたような内容だったように思います。前半、テンポが早く感じたのは私の中のハードルが高くなっている部分であり、多くの人は普通に楽しく聴いていたように思います。
※八百屋さんが、主人公に向って「芝居小屋に行こうと思っているんでしょう」という台詞の前か後ろに「ホ?は魚屋にありますんでそちらへ行って下さい」と言う台詞があった。また、とうがらしをくすべる前後で、講釈を重複して語っている部分があるように思う。A→とうがらしをくすべる→Bではなく、A→とうがらしをくすべる→A→Bでくしゃみするという感じ。

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トリの紅雀さん

見たいのは当然です!
13日は私は岡町へ~♪
まん我さんがトリでございます(*^^)v
今頃「信じてよい噺家さん」なんてセリフを聴くとは、確かに思いませんでしたが…(^^ゞ

それにしてもメンバーのよさから察して30人弱は意外やね。
塩鯛さんの「へっつい盗人」聴いてみたいなぁ。

くっしゃみ

やっぱり くっしゃみだったか?そんな気もしたけどね。
彼は続けてかけてネタを練っていくタイプみたいですね。
丁稚蔵って蔵丁稚とは、また違うの?

にこさんへ

まん我さん、13日は岡町落語ランドなんですね(^^)
お客さんはどっち行くか迷うかな。笑

今頃と言われると辛いのですが(汗)、今まで天性的な才能に惹かれている部分が多いのかなと思っておりまして。こんなに続けて同じネタを聴いたのは初めてでした。すると噺をもっと良くしたいという思いが、何となしに伝わってきたんですね。紅雀さんもちゃんと努力しているんだなあと(ずっとぶっつけ本番タイプだと思ってました^^;)。楽したいから同じネタを出しているのかなと疑っていた自分が恥ずかしいです。

30人弱のお客さんの入りは、7日と8日?の反動かもしれませんね。
塩鯛さんのへっつい盗人、楽しかったですよ♪

もずさんへ

こんにちは!
> 彼は続けてかけてネタを練っていくタイプ
前からそういう噂は耳にしていたのですが、実際目にするのは初めてでした。^^
続けて高座にかけるネタというのも、限られてくるようです。花色木綿は相当長く続いてますが、住吉駕籠は意外と長く続かなかったですね。サゲまでやって欲しいという要望が多くなった所為でしょうか

> 丁稚蔵って蔵丁稚とは、また違うの?
これは私の思い込みによるミスです(^^;)。ご指摘ありがとうございました。直しておきます(汗
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