動楽亭昼席

2014年5月3日(土・祝) 動物園前

桂 弥太郎 「寿限無」
桂 吉の丞 「仏師屋盗人」
桂 歌之助 「野崎詣り」
桂 千朝  「抜け雀」
~中入~
桂 紅雀  「狸賽」
桂 塩鯛  「鶴亀捕物帳 (小佐田 定雄 作)」


家電のマクラも、
狸賽も初めて聴きました。\(^o^)/
めっちゃ面白かったです(涙)



GWの動楽亭昼席です。
去年か一昨年、13時くらいに会場へ行ったら、
凄い人が並んでいたので、今年は早めに会場へ向かいました。
そしたら前から4~5人目でした。

めいぷるでよくお会いする方とちょっとお話することが出来、
待ち時間も苦にはなりませんでした。
皆さん、良いチケットを取るのに頑張っているんですね。
私はぴあで買うことが少ないので、
裏ワザ(?)に吃驚しました。


お客さんは、そこそこいっぱいになったようです。
隣のお客さん二人、めっちゃ良い人でした。
私が席を立ったり座ったりするのに嫌な顔一つせずに(申し訳ない)。
あと、後ろのお客さんの会話もちょっと面白かったです。^^


開口一番は、弥太郎さん。
マクラは、GWの最中、色々出かける所もある中、
ようこそ動楽亭へ、と。トントントンとお客さんをちょっと
おちょくるような話し方(笑)。師匠の吉弥さんは、
ゆっくりマクラを話す印象があって、また違った雰囲気のマクラ
だなあと思いました。
 ネタは「寿限無」で、魚屋さんが出てくるバージョン。
緑のインクで好きな人の名前を書いたら、とか、
割と新しいテキストで、昔からある「寿限無」とは一線を画す
内容です。私が70才くらいになったら、昔からある寿限無と、
5:5くらいの割合になっているのでしょうか。いやもっとかな?
 多分、聴くのが3回目くらいで、
そろそろ、もう一つ何かが欲しくなってきました。
魚屋さん、もっとそれらしくならないかなとか。
何となく無愛想なイメージがあるんですよね。私の近所に来る
魚屋さん(軽トラに乗って来る)はそうではないんですが、
それでも満面の笑みは浮かべません。職人さんの目なんですよ。
 この新しい寿限無は、とても噺がよく出来ていて、
演者さんよりも、台本を書いた人の存在の方が大きく見えます。
でも人物の活写はその人の手の及ばない部分ですから、
どうかその領域へと念じてしまいます。
この日の弥太郎さんの語りは、決して悪いものではなかったのですが、
何だか、欲張った感想を持ってしまいました。


お次は、吉の丞さん。
マクラは、尼崎勉強落語会で聴いたものとは、
ちょっと違ってました。泥棒を追いかける話は
この日は無かったように思います。
 ネタは尼勉と同じく「仏師屋盗人」。
もう一度改めて聴くと、新しい発見が。
やっぱり吉の丞さんは上手やなあと。(新しい発見…?)
主人公が、盗人の穴を掘る音に目が覚めて、
ちょっと目をこすって(ここの仕草が自然で凄く良かった)、
暗闇の先を見ようとする。
 あと、前回の感想には書きませんでしたが、
やっぱり仏像の首の周りをヘラか何かでなぞる仕草が
本当にピタッと決まっていて凄いなあと思いました。
 何となく、尼崎の時の方がノリ良く噺が進んだ印象。
尼崎のお客さんの力の偉大さを感じました。
動楽亭は、落語をとてもよく聴くお客さんと、
よく聴くけれど動楽亭自体は久しぶりというお客さんと、
落語を聴くのは久しぶりというお客さんと、
客層がバラバラで(多分)、笑い声が揃いにくいのです。
 尼崎を体験すると、とんでもないことに
なるんですね。何だか忘れ得ぬ会場になってしまいそう。
 「(たんすの中に)一両二分ありまンねん」
設定はやっぱり江戸時代なんでしょうか。何となく明治の匂いが
したんですが。ずっと前聴いた「稲荷俥」がとても面白くて、
その刷り込みが強いのかもしれません。明治の初めごろ?は、
一両と一円を混同して言ってたらしいので、そのくらいの
時代だったらいいなあと思いました。(強引やなあ)。
メモ:江戸時代の大工さんのお給料が銀だったらしいんだけど、
仏師屋さんはどうだったんだろう。


お次は、歌之助さん。
すっごくお久しぶりです。
ひょっとしたら、繁昌亭で「崇徳院」を聴いた以来かも。
 マクラは、落語には期間限定の噺があって、
それを話そうとスタンバイしてても、出番が無い時が
重なると、その年は話す機会を失ってしまう、と。
それで、そのネタを持っていることを忘れてしまい…
というお話でした。
歌之助さん、普通に話しているはずなのに、
聴いていると妙に可笑しさがこみ上げてきます。
 その忘れてたネタを今からしても良いですか、と
言われた時、思わず心の中で拍手をしました。
 歌之助さんの「野崎詣り」は、
南天さんと型が明らかに違いました(大興奮)。
・焼き餅ではなくみたらし団子を食べる
・船頭さんの棹(さお)の先の向きが、南天さんとは
逆向きだった?南天さんは多分上手(かみて)。
・棒ぐいを握って離さない喜六の場面。
その棒ぐいの場所が、見台の真ん中外よりくらい?
南天さんは、見台に乗せていない?兎に角、
下手の方に棒ぐいがある。お客さんから見たら、
南天さんの体は横向きで、お尻を突き出しているのが
見える(多分)。
・屋台船が出てきた!
(雀五郎さんも出てきてた。南天さんは無かった)
鯛の片身が食べられて、両身あるわい! と、
鯛をヒラヒラさせるところがめっちゃ可笑しい。
・「紙入れ落としたで」→「どーこーにー」
これも南天さんは無いと思う。
サゲの伏線なんですね。
・「水つぼ抱いて寝ろー!」
水がめじゃなかった!!! 南天さんは言わない。
雀五郎さんは言ってたと思う。
・型の違いからくるものではないと思われる所
歌之助さんの喜六清八は、同級生みたい。うなずき合う場面が
あって、とっても仲良しさん。
南天さんの清八は、喜六より2~3才年上に見える。
ちょっと年下の子をおちょくってる感じ(笑)。
・ラジオで聴いた話(うろ覚え)
南天さんは南光さんに「野崎詣り」を教わった。
南光さんは春団治師匠に教わった。
でも、うまく出来ずにとても悩んだらしい。
それで色々工夫を加えた。それを南天さんが継いでいる。
歌之助さんの「野崎詣り」は、春団治師匠の型に
近いのかなあと思いました。


お次は、千朝さん。
乗り物のマクラで、昔は列車に揺られてお弁当を食べながら
富士山を見ていた。今や「リニア」の時代…というもの。
とーきょーって言ってる時の表情が、ちょっとおとぼけた感じで
可愛かったです。
 「竹の水仙」かなあと思ったのですが、違いました。
東海道、小田原の宿(しゅく)。
でも大阪弁のご夫婦(笑)、東京は江戸っ子弁なんでしょうか。
 雨戸(?)を開けると、光が差し込んで、
チーパタタタ。ここの場面、すっごく良かったです。
動いている絵本を見ているようでした。
 衝立(ついたて)を横にして、
ちょいちょいと描く所、絵師の名人らしさが出ていたような
気がします。
 若い絵師の一日の過ごし方を言う所は、繰り返し話すところ
なので、ちょっとウトウトしている人もいました。
歌之助さんの噺で疲れてしまったのでしょうか。^^;
 江戸時代の雰囲気が、けっこう出ていたように思います。
 年老いた絵師が出てきてから、噺に弾みがついた感じが
しました。物語がこれから動く予感が出るのっていいですね。
 一つ気になったのは、
膝の上に右手を置いて話している時、人差し指が動いていて、
噺家さんは、左脳を使って話しているのかなと思いました。
(紅雀さんもちょっと動いてました)。


中入り後は、紅雀さん。
独演会の後なので、体調を崩されていないだろうかとか、
色々な心配をしていたのですが(過保護)、
いつも通りか、それ以上の明るい表情で高座に
出て来られたとき、本当にほっとしました。
心に明かりが灯ったような心持ちです(涙)。
 マクラは、家電のお話でした。
奥さんが買ってくるのだそうです。えーと、
プラズマクラスター(空気清浄機?)と、
ヘルシオ(電子レンジ?)について。
思った以上にお客さんの受けが良くて、
背中に笑い声を浴びる感じがしました。幸せ…
「思ってもみないものが喋ると人は驚くもので」
と、「狸賽」へ。
(マクラとネタが繋がっている…!! 衝撃です)
子ダヌキが、
「親方、あの時は有難さんでございました」
(※うろ覚えです)
と話しかけると、主人公、飛び上がって驚いて、
しばし沈黙。こんな「狸賽」見たことがありません。
 他の噺家さんは、子ダヌキが喋っても、
ちょっと驚いて(驚きもしない? 感心はしてるけど)、
すぐ話を先に進めます。本当に子ダヌキが喋ったら、
そんなあっさりした応対はしないはずですね。
噺を一から見つめ直した印象を受けました。
 紅雀さんの「狸賽」は、子ダヌキよりも主人公を
メインに据えた感じ。
一回でサイコロに化けるのを成功させてしまうんです。
だからおもちゃ屋の看板のくだりはありませんでした。
無くても違和感無くて驚きました。
でも、「三の目はナナメやで」とか、
「ピンは尻の穴」と言うくだりはありました。
(紅雀さんは、「くさいピンやな」って言わなかった?
さわらんとこって言ってた気がします)
 そう言えば、紅雀さんが牛ほめで、牛のサゲまでやらないのは、
お尻の穴にお札を貼るなんて、という思いがあるからと、
ラジオかフリートークで聴いたことがあるのですが、
潔癖症かと思ったけど、動物のリアルな生態性を優先したい
思いがあるからなんでしょうか。
 それからターちゃんが化けたサイコロを、
賭場の人が、手の中でコロコロ動かしたとき、
他の噺家さんは「可哀想や」と言うのですが、
紅雀さんは「耐えろ」と言ってました(笑)。
何かこの辺は、博打好きな所がにじみ出てますね。
 チョボイチをしている時の目線の配り方は、
とてもリアルに感じました。
 サゲは「天神さん天神さん…」と言うものです。


トリは、塩鯛さん。
マクラは、17年前、米朝一門で「清水次郎長」を
舞台で演じた思い出を。あさ吉さんや米紫さんが、
一番若手だったころ、と言っていました。
「もうすぐ夜明け米朝事務所(タイトル合っているのか
自信ありません)」で、わかばさんが、この時の
思い出を話していたのですが、それと上手く
繋がりました。でも喜丸さんのエピソードは初耳で、
これは鉄板やなあと思いました。
それにしても豚松って一体(笑)。
 他に時代劇のお話もちょっとされていたのですが、
ええと、武蔵は萬屋錦之介が一番だと。
お客さんめっちゃ笑ってました。
 それで、上方落語には、岡っ引きの噺が無いと
いうことで、今からそれをします、と。
思わず心の中で拍手してしまいました。
 話の冒頭は、すっぽんの亀五郎という岡っ引きが
さっぱりサエないので、おかみさんがぼやいていました。
そこへ、岡っ引き志願の若旦那が現れ…というもの。
 この噺、めっちゃ面白かったです。
ときめきの宝箱をひっくり返してパーッと
綺麗に舞うような内容でした。
 もうちょっと噺をぎゅっと縮めて、
若旦那か亀五郎がピンチになる場面があったらなあと。
若旦那がちょっと無敵すぎる感じがするんです。
本気で岡っ引きになりたい気持ちがあるのかなあと、
思いきや、お供の人をぞろぞろ連れてるし。
(まあ、それも追っ払うのですが)。
 ここはもうちょっと本気で追っ払って、
それでピンチが訪れた時に熊五郎が敵をやっつけるとか、
そういうのはどうなんだろうと、あれこれ考えて
しまいました。敵が可哀想に思えたので。
 サゲは鳥肌もの。超私好みです。
余りに綺麗にまとまったので、本当に、
ごちそうさまでしたと言いたくなるほど、
良い噺でお腹いっぱいになりました。

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