仔猫

落語の「仔猫」を、怪談話って
下の記事で書いたのですが、
よく考えたら違うかも。
怪談話って、人外が出て来ますよね。
おなべはそうなのか? と思いまして。



昔、仔猫は怪談話として
演じられていたのかもしれないのですが、
今は、おなべの病気が、何となく、
夢遊病の酷いやつなのかなと、
私の中で、精神的な病だと、頭の中ではっきりしてしまって、
おなべ自身には噺の中で余りぞっと
していないんです。
(おなべの血のり場面は、噺家さんも
怪談っぽくされている所だと思うのですが)

私が今までぞっとしたのは、
噺家さんの芸の素晴らしさに対してであって、
怪談そのものに対して、
身の毛もよだつ思いをした訳ではない、
ということを、漸く思い出しました。

ぞっとした場面
・まん我さんの演じるおなべが、
番頭に呼び出されて、あれこれ話をしている内に、
何故、自分が呼び出されたのかを悟る瞬間、
はっと瞳の色が変わったんです。
これは今思い出しても、鳥肌もの。

・南天さんの、上記と同じ場面で、
明るそうだった(うろ覚え)おなべの声が、
急に声のトーンが変わって、
「そうじゃあるめえ、番頭さん」
と言ったところ。


うーん、
日常が崩壊する瞬間を演じられるっていうのは、
本当に凄いことだなと思います。


あと、この噺って、
おなべよりも、
旦那と番頭さんの方が、
ちょっと怖いなと思います。
決して悪人じゃないのですが、
普通の人と分かっているだけに、
「えげつないことするなあ」
と思うと、余計にそう思ってしまいます。

人の留守中に、
荷物を勝手に調べるなんて、
本当にひどいと思うんですよ。
でも、噺の中では、凄く自然な流れで、
そうなるから、この噺そのものも、
かなりよく出来ていると思います。

おなべの荷物をあさるくらいなら、
非行の現場を押さえたらいいじゃないかと。
怖いと思うなら、5~6人若い衆呼べば良いのに。
二人でコソコソするっていうのは、
やっぱり好奇心もあったのかなあと思います。


落語の「仔猫」って、
怪談話というよりは、
ミステリーだなあと思いました。
人の心の闇が表出される。
一番怖いのは人間です。
おなべも自分の病気を半ば親の職業のせいにしてますし。
昔の人の設定だから、仕方がないのですが、
彼女の告白の中で一番ぞっとするところです。
今でも、病気は遺伝的な要因があると、
親のせいにしてしまいがちですが。
(でも発病のきかっけまで責任持てないと思う)
やっぱり運命なんでしょうか。


とにかく、
仔猫は怪談話じゃない!
と思いまして。
日常が崩壊する場面を描かないといけないので、
お店の中の日常も、他の落語と同じように、
笑いを多く入れても良いと思います。
明暗ともに人が生き生きと描かれている、
それが「仔猫」だと思います。


ひろばさんのおなべは、
ちょっと笑顔が少なかったかなあ。何となく。
「大人5~6人で、わしを人置け屋まで送れ」
って言う場面、個人的にはクスグリだと
思ってます。

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