第26回 雀の学校

2011年2月17日(木)

桂 まん我 「浮世根問」
桂 雀五郎 「看板の一(ピン)」
桂 雀太  「夢の革財布」
~中入~
桂 こごろう「お楽しみ(阿弥陀池)」
桂 紅雀  「くしゃみ講釈」


雀太さんのお噺が凄く良かったです(>_<)
紅雀さんは前半早口でピンチでしたけど、後半はかなり良かったです。
 まん我さん、浮世根問というネタは、昔はそこそこ高座にかかっていたけれども、最近は滅多とかからなくなったお噺です、と。その理由は面白くないから…なら、今から話さなくてもいいのではと思われるかもしれませんが、このまま忘れ去られるにはちょっと、というような事を仰られてお噺が始まりました。噺の雰囲気としては、「つる」を思い出しますね。主人公が不思議だと思っていることを、ご隠居に次々と尋ねるのです。「つる」は最終的に「つる」の話題になるのですが、浮世根問はあの世ってどこにあるの?という話題に。文字に書き起こしてしまうと、子供が大人に、「なぜなぜ?」と訊いているように感じますが、やはりここは、大人の若い男の人(しかも暇人)という所がミソなんですね。質問をしているにも関わらず、どこかでご隠居さんをいじって遊んでいる感じが面白いです。「大阪からどんどん西に進むとどうなるのか?」という質問(この質問を受けたのはご隠居ではありませんが)、「神戸や」「その更に西は?」「岡山や」「その更に西は?」…どこまで行くのだろうと思ったら、ちゃんと笑いのスイッチが待ち受けていました。
 年季の入った人の前座は、まん我さんのように、ちょっと珍しい噺とか出してもらえれば、ぐっと集中して聞きやすいように思います。それか、短くても「おっ」と思えるような場面を一つ二つ出して欲しいなあ。


 雀五郎さん、今日はいつもよりずっと長めのマクラを。ギャンブルが好きなんです…あ、合法のものですよと(笑)。特に競馬が好きらしいです。競走馬につけられた変わった名前を教えてくれました。賭け事つながりで、サイコロの出た目を賭ける(ちょぼイチ)のお話を。若い衆が集まって、サイコロの賭け事をしていますが、皆知った顔ばかり。お金が無いことも分かっているので、面白くないと。そこで、昔、ばくち打ちとして有名だったという噂のお年寄りを仲間に引き込んで、あわよくばお金を巻き上げよう…と思いつきます。そのお年寄りの気迫ある演技が良かったです。若い衆はおじいさんから痛い目に遭って、そこで懲りたらよかったのですが、この手を本番(賭場)でも使ってみようと(ここが落語ですね)。おじいさんからの受け売りを、そのまま語ってしまう若い衆が面白かったです。見栄を切って「若いもんが」と言うような台詞を言うと、賭場の客からは「お前が一番若いやん」と。この噺、サイコロを振る場面が二度あるのですが、台詞も全く一緒なんです。一度目と二度目は別の人が喋っているので、話し方に少し変化が欲しいなあと思いました。


雀太さんのマクラはいつも面白いです(^^)。南海本線?のとある駅の近くに住んでいた時のお話を。洗濯物がたまりにたまって大きなゴミ袋に入れて、それを自転車の前カゴの上に乗せ、ふらふらと走っていた時に、踏切りの遮断機が下りて来たそうです。雀太さんを襲った独身男性の悲劇…。遮断機を両人差し指で表現していたように思うのですが、その仕草が可愛かったです。本題は「夢の革財布」。東京だと「芝浜」というタイトルになります。桂三木助の本で、その芝浜を読んで泣いてしまったことがありまして、「夢の革財布」って何か野暮ったいタイトルやなとか、若手がする芝浜という事もあり、自分の中の芝浜がどんな風に壊されてしまうのだろうと、思っていました。ところが、本題に入ってから直ぐに「どうもこれはおかしいぞ」と、頭の中で吉兆と思しきサイレンが(何やそれ)。天国の門って言ったらおかしいですが、噺の世界の入り口が目の前に開いて耳の後ろを通って行ったような感覚でした。本当に素晴らしい高座で、笑いあり涙あり(本当に泣きはしませんでしたが)感動と云うか感銘の域です。夫婦のやり取りも面白く、特に奥さんがお酒を飲む場面が可愛くて良かったです。犬が出てくる場面や、浜に行くまでの情景は語られませんでしたが、その代わり主人公が友達と騒ぐ場面にお囃子が入っていました。奥さんの「別れんとって」という台詞が…!東京の「殴ってもかまわない」という台詞に匹敵する強みを持っていました。やっと本当の雀太さんに会えた気持ちです。


中入りはあっという間に過ぎました。
こごろうさんの出番、「芝浜はいい噺ですよね」と。特に奥さんが良い人で…落語にはいい人が多いんですが、と付け加え、うちのヨメはああはいきませんね、絶対逃げますねと(笑)。まあ、彼女を愛しているわけなんですが(ここで何で愛の告白してるんやろとセルフ突っ込みを^▽^)。「阿弥陀池」は、去年の6月?に「こごろう雀五郎二人会」で、雀五郎さんが「こごろう直伝のネタ」として披露されたもの。あの会で、こごろうさんの「阿弥陀池」を知っている人は更に楽しめたのだろうなあと思っていました(私は未見でしたので)。やっと本家本元と巡り会えました。意外な事に、雀五郎さんの「阿弥陀池」とは随所に違う箇所が(気のせい?)。教えた後に、もっとパワーアップさせたのかなあ。「でこに小判」とか「馬の耳にせんべつ?」は初耳です。「辰ぅ~~~ッ」という大絶叫、絶叫と云うか、咆哮に近かったです。宇宙戦艦ヤマトの発射砲みたいでした。こごろうさんも絶叫する噺家さんだったんですね。とても楽しい一席でした。※「阿弥陀池」で主人公が友人の家を捜し歩いている際に、「桂紅雀」という表札を読む場面があり、私はその後の台詞を聞き逃してしまったのですが(何故に)、「こいつは今くしゃみでいっぱい×2やから止めとこう」というような事を仰ったようです(にこさん教えてくださって有難うございます)


紅雀さん、こごろうさんの仰るとおり、マクラから若干テンパってました(苦笑)。噺が始まって、雀太さんとは違うサイレンが私の頭の中で回ります。これはやばい(何が)。いつもよりテンポが早く、焦っている感じです。「座布団を持った化け物」が「座布団の化け物」になるほど。ご本人も噺の合間に、自分で何言ってるのかよく分からんと云うような事を仰っておりました(^^;)。雰囲気が、がらっと変ったのは噺の後半、講釈小屋に主人公と兄貴分が入ってから。あれっと思ったのは、主人公が火鉢を手に入れてからでしたが、やっとそこでふわっと笑えました。パントマイムで笑わせるのが上手な噺家さんだなとは前から思っていたのですが、それでも、噺が上手く運ばないと生きてきません。笑えたのは私が噺の世界に入っていけたからだと思います。それを皮切りに、後藤一山の講釈の場面は、大変素晴らしいものでした。恥ずかしながら、余りに格好良くて直視できなかったです。後藤一山じゃなくて、紅雀さんの講釈だったのかなあとも思うのですが(汗)、兎に角凄くて、講釈が一区切りつくと拍手が起こったほどです。後半は前半とまるで別人。紅雀さんって不思議やわ…。噺を聞き終わってすっきりしなかったのは、前半の出来だけではなく苦手なくすぐりが入ってきた所為です。これは19日の感想に書きます。
メモ:主人公の元カノは「おもやん」ではなく「みっちゃん」、振られた時の台詞は「ガビーン」、からくりの歌は「火柱」まで歌っていない?、ホエーイの大合唱、講釈は「本田平八郎」まで聞き取れた

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

湖涼

Author:湖涼
ブログ管理人(湖涼)の連絡先
jaimo.koryou★gmail.com (★を@に変えて下さい)
@koryou_ツイッターです。
2つのアクセスランキングに参加しています。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 落語へ
↑にほんブログ村

最新記事
最新コメント
リンク
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ