動楽亭昼席

2014年1月1日(祝・水) 動物園前

桂 ちょうば 「看板の一(ピン)」
桂 紅雀   「いらち俥」
桂 ざこば  「(私落語)」
~中入り~
襲名披露口上 司会:ちょうば
舞台に向かって左側から、
ちょうば、南光、文之助、ざこば、紅雀
桂 南光   「義眼」
桂 文之助  「らくだ」

ネットには書けないことが沢山起こりました。
初笑いは、紅雀さんの枝雀師匠のモノマネです。

※感想、書けました。また長文になりました。
特に口上は、ここまで書いて大丈夫なのかと
思いながら書きました。





桂 ちょうば 「看板の一(ピン)」
ざこば師匠がまだ到着していませんと、
お客さんに伝えると客席から、どよめきともつかない笑い声が。
口上は会の冒頭から中入り後に変更します、とのこと。
(中入り後にしたことでかなり盛り上がった気がする)
イレギュラーな事態が起こったのに、それを逆手にどんどん、
笑いを取るところが、凄いなあと思いました。
もっと若い子だったら対応できなかったのでは。
 噺は、江戸っ子弁の人が出てくる型でした。


お次は、紅雀さん。
除夜の雪のネタおろしの時のねずみ色の着物…
より明るいねずみ色の着物でした。初めて見るかも。
 マクラは、酔っぱらいの仕草に入ったので、
親子酒に入る前の小噺に行くのかなと思いきや、
片目をつぶる、ざこばさんのモノマネを。口の動きとか、
本当にヤバかったです。そこから師匠が地下鉄で帰ると、
言いだした話へ。この話でお客さんがこんなに笑っているのは、
初めて見ました。みんな初笑いに飢えている様子です。
 ネタは「いらち俥」で、かじ棒を上げるのに必死になった後、
上がりすぎた! っていう場面が無かったので、
ざこばさんが到着したのかなと思いました。
病弱な俥屋さんが気功のポーズを取るところも無く、天橋立までも
行かず、急行列車と危うく衝突しそうなところ、それを避けた、
というところで、「いらち俥というバカバカしいお話でした」
というようなことを言って、高座を降りてゆきました。
 色々端折った形になりましたが、土管を越える時の
紅雀さんの人間ではないような動き(と私は思っている)など、
彼の落語のエッセンスは十分入っていたように思います。
お正月から拝見できて幸せと思えるような内容でした。


お次は、ざこばさん。
客席から、どよめきと大きな拍手が。
待ちに待った席亭の登場です。
昨日(12月31日)の年明けパーティーから、
現在に至るまでの経緯を語ってくれました。
色んな芸能人がパーティーに参加していたようです。
そこへ来ていた子供たちのためにお年玉を用意していた
のですが…云々。朝起きたら、開演一時間前を切っていて、
慌てて家を出たこと、というお話でした。
 あと眼科の女医さんの話、久々に聴きました。
名前を忘れていたことが、ちょっとショックでしたね。
(たぶん、飲みすぎたせいだと思うのですが…)
 最前列のお客さんとのやり取りもあり、ライブ感が
凄かったです。最後は、「そろそろ皆さんトイレに行きたいこと
おまへんか? (客席の反応を見て)私が行きたくなりました」と
高座をおりて行きました。非常に貫録のある一席でした。


中入り後は、高座の幕が開いて、
襲名の口上を述べる方々が、並んで座っています。
舞台から向かって左側から、
司会のちょうばさん、南光さん、文之助さん、ざこばさん、紅雀さん。
口上は、舞台の高座をどかさないといけません。
元々この会の冒頭で口上をする予定だったので、高座は無い状態。
でも、ざこばさんの寝坊で、急きょ落語から始めることになり、
高座を慌てて組み立てたり、
紋付き袴を着ていた噺家さんも慌てて、着物に着替えたそうです。
ちょうばさんの話によると、南光さんだけ、元から着物姿だったそうで、
理由を尋ねると、「何となく、そんな気がした」のだそう。凄い!
 口上のはじまりは、ちょうばさんが「えー長らくお待たせしました」と、
お客さんに向かって言うと、師匠のざこばさんが「オレへの当てつけか」と。
のっけから笑わせてもらいました。
噺家さんの襲名の口上って良いですね。ちょうばさんの司会はとても上手で、
口上で笑いが生まれやすい、ほのぼのとした柔かな口調でした。
南光さんを紹介されるときも、米朝一門を支える云々と長~い肩書きを話してました。
 口上は、主役が頭をずっと下げて、何も話すことはないと、
そういうものだと思っていましたが、文之助さん、手を付けたままですが、
顔を上げていました。その姿が決まっていて、襲名のチラシの写真に出てくるような
ポーズをずっと取っていて凄いなあと思いました。
 なぜ主役が顔を上げていたかというと、南光さんの言葉で明らかになりました。
うろ覚えですが、「今日来ていただいたお客さんに顔を覚えてもらって…」
というような事を言っていたように思います。頭を下げていては、顔を覚えることは
できません。なるほどなあと思いました。
 南光さんは、弟弟子という気さくさもあってか、ほとんどが、
文之助さんの暴露話でした。話してはいけないはずの文之助さんも、
「兄さん…!」と時々突っ込むほど。文之助が襲名できた理由は、
ご本人も知らないもので、私は、甘いものが好きなイメージがあるから
なのかなと、思ったのですが、まじめな人柄をかわれてとのことで、
南光さんは、それを否定するような話を出していましたが、昔の話っぽいので、
それはそれでいいんじゃないかなと思いました。
「ご支援、ご鞭撻のほどを、特にご鞭撻の方を宜しくお願いします」
と言っていました。
 お次は、紅雀さん。兄弟子・南光さんから、
「僕は(文之助を)下げたけど、君は後輩やねんから、
上げ(るような話をしゃべら)なあかんで」と振られました。
紅雀さんは、「後輩の自分が、先輩である人(文之助師匠)を指して、
「どうぞご支援を」というような口はばったいことはとても言えませんが…」
と大変奥ゆかしいことを言っていました。でも最後は、若い女の子が沢山来る
文之助師匠の落語会にぜひ呼んでくださいと、座りながら、床につくほど深く頭を
下げました。その前に、文之助さんの落語の特徴として、可愛らしさがあると、
言っていましたね。「替り目」で「ふ~ふ(夫婦)やないか」と言うところと、
「短命」で、指でつつくような仕草を再現されていました。
あと、昔、落語会のあと、枝雀師匠がカラオケが好きなので、皆で行った
話をされていました。その時、文之助さんは日舞の練習をしていたそうで、
千朝さんは野球選手のモノマネをして、枝雀さんは「ギザギザハートの子守歌」を
淡々と熱唱されていたそうです。その歌のモノマネが凄くて、
(枝雀さんは音痴だったのだろうか…)、お腹にドスンと来ました。
 その後は、ざこばさんの口上です。
あまり一緒に飲みに行ったりしてないようなことを言っていました。
その分、文之助さんが気象予報士資格を持っている話をしてくれて、
三者三様の口上が、色んな角度から文之助さんを語るものになったように
思います。負けず嫌いのざこばさん、正月三が日の予報を、文之助さんが
つつがなく言ってしまうと、「長期的に見たら、今年の冬はどうなるねん」
ってなことを言って、文之助さんを困らそうとしました。
抜かりない文之助さん、「三が日は暖かいけれども、その後ものすごく寒い冬が
来るそうです。暖冬ではなく寒冬になると……NHKがさっきテレビで
言ってました」。ざこばさん「パクリかい」と言って笑ってました。
最後は、「「文之助」の看板を見かけた時は、どうぞ立ち寄ってください」と、
物凄くまっとうで、まじめなことを言っていました。
 本当に面白い口上で、ざこばさんが寝坊をしなければ、ここまでアットホームな
雰囲気にはならなかったように思います。今から思えば本当に遅刻してくれて
良かったなあと、スタッフ共演者の苦労をよそに、そう思います。


口上が終わると、幕が引いて、再び高座を出します。
幕が開いてから南光さんが出てきました。
マクラは、ざこばさんが「自分は、あそこも悪い、ここも悪い」
と言っていたことを踏まえて、ざこばさんがお薬を飲み間違えた話を
していたような? 南光さんも今は医者に通っているそうで、
それが通いだしてから、体が悪くなったというものでした。
医者に逆らう南光さんが面白かったです。
 「義眼」という噺は、初めて聴きました。でも、昔、本で
読んだことがあって、ぼんやりしたストーリーは知ってました。
私が知っている話と、どう違うのか聴くのが楽しみでしたが、
短いお話で、そんなに差はないなあと思いました。
ただ、南光さんが話してくれるので、何倍も面白かったです。
廓の中の様子は、覚えてなかったので(本に載ってなかった?)、
新鮮に感じました。娼妓の調子の良さも、ええなあと思いました。
ちょっとぞんわりしたサゲですが、小咄の原型がよく残っていて、
そういった所は、大変わたし好みです。


最後は、文之助さん。
「短命」は無いだろうけれども、
「替り目」が来るのかなと思いましたが、「らくだ」でした。
本当に長いお話で、中々お目にかかれません。
ずっと前、気楽堂で千朝さんの噺を聴いたのを覚えています。
あとは土塔庵で鶴二さんのものを聴きました。
 マクラは古い上方弁の紹介を。「らくだ」に出てくる言葉で、
「どぶさる」は「伏せる」から「寝る」という意味。
「ごねる」は「死ぬ」という意味という。
 大変申し訳ないのですが、熊五郎が何だか怖くて、
ずっとビビってました。相手を脅すような言い方をするキャラに
弱いようです。思えば、紅雀さんの「厩火事」も、
ずっと苦手なまま。髪結いの亭主の言葉遣いが怖くて。
何とか克服したいのですが。
(千朝さんのは怖いなあと思った記憶が無いです)。
とても重厚な一席で、紙屑屋の一人語りや、剃刀のくだりとか
思い出せなかったです。
 これは初めて聴いたぞ、と思ったのは、
紙屑屋が「すきっ腹にお酒を飲んだので…」と言ったこと。
「らくだ」は紙屑屋が深く酔っていくさまを、意外と短い時間で
演じないといけないので、難しい。最後は熊五郎と立場が逆転して
しまうほど酔ってしまいます。酔いが早く回る伏線をさり気に、
言う辺りに、この噺に対する心配りを感じました。
酔っぱらいも苦手なクチですが、紙屑屋さんは怖くなかったです。
いいぞ!もっとやれって思いました。
 熊五郎は、あまり怖く演じなくても(そういうつもりは無いのかも
しれませんが)、セリフの内容や、していること自体が既に怖いので、
もうちょっとソフトに話してくれたら良いなあと思います。
あくまで私の好みですが…。紅雀さんが「らくだ」をする日が来たら
どうしよう。今から怖いです。
たぶんサゲで心臓麻痺寸前になるかもしれません。
救心を持って行きたいと思います。

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狸賽

ちょうばさんの演目は、それであっていますか?
私は参加してないので、何ともいえませんが、雰囲気的に看板のピンかなと思ったりします。
差し出がましくてすみません。また大叱責を受けるかも知れませんね。

とにもかくにも、元旦から動楽亭参加とは、湖涼さんの今年にかける意気込みがひしひしと伝わります。

今年も宜しくです。

大阪締め

私いてきました。
ちょうばさん看ピンですよ。

大阪締めちゃんとできました?
ざこばさんの袴に爆笑。

らくだ、屑屋のひとり語りと
剃刀を返しに行くくだりがなかったのが残念です。

昨年よりちょいちょい書き込みさせてもらってますが
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

あってません(笑)

もずさんへ

ちょうばさんの演目、直しました。
ほんとウッカリしていて、恥ずかしいです。
聴き始めの時に「狸賽」だなと、思ってしまい、
噺を聴いたのに、それが脳にこびり付いていたようです。
いつもコメント、ご指摘、有難うございます。
今年もご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

P.S 年賀状、出せなくてすみません。(><)
住所メモを紛失してしまい、穴があったら入りたいです。


名乗るほどではござらん さんへ

大阪締め、最後はもう全く合いませんでした。
(一本締めしか出来ない…)
ざこばさんの袴は本当に衝撃的でしたね。
文之助さんのらくだは、重厚で、
もうお腹いっぱいでした。
そういう場面もあるんですね。
私とまた違った視点からの感想をいただけるので、
いつもコメント有難く思っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

羨ましい

超!羨ましす。

ぴーまさんへ

年賀状、ありがとうございます!
素敵な海の写真の中に、
奥さまとラブラブの写真がありましたね。
もうちょっと大きくてもいいかなと思いました(笑)。
でも、冬の寒い時期に南国の写真を見ると、
暖かそうで、冷え性の私にはとても癒されました。
来年もぜひ、海と奥さまの写真をお願いします。

No title

線の細い演者は屑屋を前面に出して
声の図太い演者は熊五郎を前面に出したほうが良い
ということを米朝師匠の本で読んだことがあります。
文ノ助さんは前者という感じですね。
しかし千朝さんのしゃべりかたでのらくだは想像がつきません。
一度聴いてみたいものです。

三が日とも見に行ってましたが
二日目の口上は予定通り行われましたが
厳粛な雰囲気はなく雀太さん司会で笑いの多い襲名披露でした。
三日目は真面目そうな佐ん吉さん司会で、他所の一門の鶴光さんがいてたからか
比較的静かに進行してました。

噺家同士の絡みが見れる機会はそうそうないので
この三が日は満喫しました。

文ノ助さんはらくだと天神山と替わり目でした。
替わり目は絶品ですね。

三日間も!

お正月の三が日、動楽亭へ行かれるとは。
口上を聴き比べて楽しまれた方は少ないと思います。
 米朝師匠の本に、そういった「らくだ」のコツも
書かれてあるんですね。熊五郎を聴いたせいか、
文之助さんは後者のイメージがついちゃってます。
でも紙屑屋さんも良かったので、う~ん、どっちなんでしょうね。
 千朝さんのらくだは、今感想を読み返したら、
熊五郎がちょっと物足らなかったと書いてました。
http://jaimo.blog116.fc2.com/blog-entry-327.html
(ずっと下へスクロールすると千朝さんの感想が出てきます)
米朝さんの言う「前面に出す」というのは、
熊五郎の場合、らくだを呼びかける所から噺を始める…出番が多い、
という事でしょうか。
紙屑屋を前面に出す、というのは、一人語りする場面を
出す、ということのような気がします。
千朝さんは、一人語りがありました。
 どちらにせよ、熊五郎のヤクザっぷりがリアルすぎても
引いちゃうし、あっさりやり過ぎても物足りない、と、
私の要求はかなり我がままな領域です。

二日目三日目の口上の様子、書き込んでくれて
有難うございました。おかげで訪問者が増えている
気がします(笑)。
 文之助さんの替り目、聴きたかったなあ。

No title

わざわざ過去の記事を引っ張って下さってありがとうございます。

先代米団治師が線が細いのでそういう演じ方をしてはったそうで
米朝師匠もそれにならってしてはったそうです。

線の太い細いは、
容姿や声で熊五郎を表現しにくい演者か
見た目そのままが熊五郎という人との違いかと思います(私見です)。
屑屋視点の演出か、熊はん視点のそれか(全くもって私見です)。

塩鯛さんとかが後者じゃないでしょうか。

どちらか考えると楽しいですね

過去の記事を探すのが大好きなんですよ(笑)。
ブログ内検索で直ぐ出てきますし。
 先代の米團治さんも米朝さんも熊五郎よりは、
紙屑屋さん側で演じるタイプだったんですね。
ちょっとだけ動画見ましたが、意外と熊五郎が
怖かったです。お酒を無理やり飲ます所とか。
局所的に見た所為でしょうか。
六代目松鶴師匠は、熊五郎タイプですね。
でも全然怖くなかった。私の好みなんでしょう。
 この噺家さんは、どちらのタイプかなと
思って聴くのも面白いですね。
文之助さんは今のところ私の中で両刀使いです。
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
ブログ管理人(湖涼)の連絡先
jaimo.koryou★gmail.com (★を@に変えて下さい)
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