田辺寄席 新・じっくりたっぷりの会―桂 紅雀の段

2013年11月16日(土)大阪市阿倍野区

桂 文太 「開口0番〈ぬ〉」
露の 紫 「江戸荒物」
桂 紅雀 「向う付け」
桂 文太 「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」
~中入り~
桂 一蝶 「ご先祖様」
桂 紅雀 「親子酒」


親子酒で、舌を出してポンと額を手の平で叩いた時の表情が、
すごく衝撃的でした。面白かったです。
色んな人と出会えてお話できた素敵な日になりました。



2013年11月16日「田辺寄席・紅雀の段」
田辺寄席は、この木製の番組表があるから嬉しいですね。
こういうタイプのものは他で余り見かけません。
動楽亭のはプラッチックの掲示板っぽいし、
繁昌亭のは、大きい割には、字が小さくて地味やし。(散々な言われよう)。


この日は本当に暑くて、
日陰を探して歩くのに必死でした。
11時半現地集合なのに、遅刻魔だった過去を省みて11時に到着。
その時は、番組表が出てなくて、確か整理券を配る12時前後くらいから、
運び出されていたように思います。
30分の時間を持て余し、商店街をぶらぶら。
ぴーまさんが予約してくれていたお店の前を通りかかると、
「本日はランチをしません」と書かれた紙が。
えっ…?
いや、きっと、昨日の貼り紙がそのまま出てるだけやんな。
と、思い、引き返しました。会場前で、ぴーまさんと会い、
その旨を伝えると、「ちょっと見てきます」と(^^;)。
予約していたお店は、何と、電話も繋がらず、
結局、以前立ち寄った喫茶店でお昼を取ることにしました。
(もずさんがわざわざ開店しているかどうか見に行ってくれました)。
(よく考えたら、携帯を持っている人にお店へ電話をかけるよう、
お願いしたら良かったですね)(その発想はなかった)。
昭和町駅と田辺寄席の間くらいにある、
「カフェ華(HANA)」です。
もずさんとぴーまさんと、ぴーまさんのお知り合いのWさんと、
四人でお昼を取りました。由瓶さんとか、紫さんの話題が多かったように
思います。(紅雀さんは?)
 整理券をもらってから食べに行ったので、
バタバタと会場へ向かいました。(食べるのが遅いのは私だけでした^^;)。
整理券をもらう前にお昼を済ませても、きっと途中でお腹が減るし、
難しいですね。


実は、予約をせず落語会に向かったのですが、
田辺寄席の封筒をK上さんからお借りしまして、紹介されたということで、
前売り料金でするっと入らせてもらいました。
 座席は3、4列目あたりの中央ゾーン(の端っこ)(好きやね~)。
やっと、えむもとさんと本格的に再会しました。
(受付で既に会っていたので)。


開口0番で、文太さんの登場です。
今回は「ぬ」。盗人について。虚実織り交ぜ…と言いつつ、
今昔物語の盗人を出すあたり、文太さんの知識の広さが伺えます。
あと、五右衛門は七条河原で処刑されたらしいとか、
息子と二人だけの処刑だったので、大した盗みを働いてなかったんじゃ
ないのか、とか(秀吉の時代は、重罪だと一族もろともの処刑になるはず)。
 話の最後は、死ぬ間際の台詞繋がりで、文太さんのご臨終シュミレーションに、
なりました。笑 シュミレーションだと、女弟子が沢山いて、七代目文枝に
なってました。


開口一番は、露の 紫さん。
初めて聴く噺家さんです。NHK新人大賞には、あと一歩という
ところだったのですが、この日のお客さんの中には、紫さんお目当ての
人が何人かいたように思います。
 マクラは、ご自身は愛媛出身で、進学時に大阪へ出てきたため、
師匠の言っていることがしばしば理解できなかったそう。
「すまんだや!」
「???」
いや、これ堺出身でも分かりませんよ~。「すみっこ」って意味らしいです。
てっきり、居酒屋の名前かと…(「阿弥陀池」に出てきますね)。
 「江戸荒物」は、吉坊さんの印象が強いネタです。
上方と江戸弁、両方マスターするのは難しいのだなあと、
改めて感じました。でも、間合いが、聴いていてとても心地よくて、
セリフがすっと耳に入ってきます。
どっとした笑いは今回起こりませんでしたが、
ふつふつとした可笑しみを感じることができたので、
技量やセンスをお持ちなのだなあと思いました。あとは経験値かなあと
思うくらいです。何かが決定的に欠落して、ハラハラさせられる前座さんって
最近、見ないですね。中堅さんではよく見るのですが…。


お次は、会の主役(!)の、紅雀さん。
マクラは、コンビニの傘の話と、奥さんが出しなに忘れ物を
思い出すという話、あと2ちゃんの話。
(ふだん、ネットを見ないそうですが、先輩に「お前のことが
載ってるで」と言われ、見せてくれたそう)。
最後らへん、下ネタを振ってくるあたり、もう自分の会なんだからと、
割り切っていたのでしょうか。良い傾向だと思います。
以前の田辺寄席の時のマクラは、硬い感じがしたので。
 「向う付け」は、久々に聴いたネタ。
喜六パワー全開でした。
(以前は、喜六と言ってなかった気がするが、
いつの間にか、ごりょんさんが「喜ぃさんかいな」と
言うようになった。今のとなっては懐かしい)。
「しかしうちの嬶(かか)は、何たる軍師やろな。
ピャっピャっピャと言ったら、ポッポッポと、返してきよる」
ここのセリフ、何となく紅雀さんの奥さんを思い出してしまうので、
面白いです。口達者かどうかは分かりませんが、マクラでそういう
イメージがついているんでしょうね。
 元々、塩鯛さんから教わったネタだそうですが、
かなり変えてしまっているようです。その分、思い入れもあるんでしょう。
噺と紅雀さんの個性が、がっちりはまった一席だと思いました。


お次は、文太さん。
男芸者に実際お会いしたことがあるというマクラでした。
男が男を遊ばせるのは難しいことだと。
「野だいこ」という言葉の響きに思わずときめいてしまいました。
(「野」という言葉に弱いのです)
特定の旦那(パトロン)を持たずに、町をぶらっと歩いている人を
つかまえて、ヨイショして、お昼をおごってもらうとか、
遊びに連れて行ってくれるようにする人たちだそうです。
こういう人、今は居ませんよね(本業にしている人は、多分)。
もの凄くファンタジーに感じました。
 「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」は、野だいこが出てくる話で、
文太さんの野だいこは、ずっとしゃべりっぱなし。面白かったです。
噺家さんによって「たいこ持ち」の個性は異なりますが、
まん我さんや文之助さんの「たいこ腹」のたいこ持ちとは、
ネタが違うせいか、だいぶ違うように感じました。
一人で居る場面が多いせいでしょうか。さらさらさら~って、
話している感じで、せっかちなたいこ持ちっぽかったです。
(だから騙されたのかな?)
自分がお金を出さないといけないと分かって、人が変わるところも
その変わり方が面白いなあと思いました。
文太さんは、軽やかなしゃべりをしていても、渋いなあと思います。
馬生さんよりもそう思います。


中入りを挟んで、一蝶さん。
こちらも初めて聴く落語家さんでした。
細い金縁メガネをかけた噺家さんで、58歳と仰っていたような。
やっぱり噺家さんはお若く見えますね。
「いっちょうけんめい、がんばります」って、
言った時には、頭の中にブラックホールが出来ました。
大丈夫なのかしら、この人、と(笑)。
 ご自身のお母さんが、最近、物忘れが出てきて、
そんなお母さんとの、財布のやり取りが面白かったです。
ずっとボケている訳じゃなくて、どこか覚めているところ、
息子がいくつになっても、食べていけるのかと心配をされる辺りは、
可笑しくもあり、今から考えれば、一人前になってもなお気にかけている
というところに、ちょっとジーンとしました。
 「ご先祖様」は、二代目春蝶の作った落語です。
(もはや新作落語と言わない気がする。創作落語というべきか。
そうしたら、「落語」は創作していないようで、それも変だなあと思います。)
主人公が死んでお墓に入ると、ご先祖様が沢山住んでいる。
みんな見栄っ張りで、有名人を名乗っている…という話でした。
 中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が出てきた時は、ドキっとしました。
万葉集のコピー本を作っていたので、私的にタイムリー。
額田王(ぬかたのおおきみ)が、お妃って!
二代目春蝶さんの時代では、ベストカップルだったのでしょうか?
 大化の改新は、蘇我入鹿を倒した「乙巳(いっし)の変」の後、
起きた政治改革で、倒した事件と政治改革をいっしょくたに
している所も気になります。まあ、中大兄皇子が人を斬る仕草のあと、
「乙巳(いっし)の変!」って言っても伝わりにくいですね。^^;
(今から思えば、万葉集の時代の人が落語に出てくるということ自体、
そうとう珍しいことで、軽い興奮すら覚える)。
 光源氏は、胡散臭さ倍増で面白かったです。
タコ壺の宮(みや)って誰ですか(笑)。
 サゲは、一応伏せておきますが、珍しい噺なので、
反転して読めるようにしておきます。
主人公が管理人に、どういう人生だったか聞かれて、
もの凄いお金持ちだったと豪語。お墓の前で奥さんが「嘘や嘘や」。
とてもよく出来たサゲだと思います。



最後は、紅雀さん。
酔った人のサンプルを、マクラで披露。
伊勢海老のくだり、あったのかどうか思い出せません。
七本松の会と、記憶がごっちゃになってます。
 今回は、主人公、歌を歌うところから。
「絶っ好調やな」って言ってました。笑
酔った人を演じる紅雀さんは、本当に面白いと思います。
酔った人が出てくるネタは、演者さんによっては、
すごい苦手意識を持ってしまい、勿体無いことに噺を楽しめません。
多分、人間の本性の出し方が好みなのかも。
本性って色々あるけど、その選択したものが好きなのかな。
 この日も主人公の父親は、玄関先で寝てしまいました。
ちょっと前までは、“玄関”という言葉が出てこず、
私の頭の中では、父親は居間のお膳の陰で寝てました。
(死角になっているから、息子が足を引っ掛けてしまうという)。
最近は、頭の中を居間から玄関にチェンジしています。
 この日、一番びっくりしたのは、
酔った主人公(息子)が、うどん屋との絡みで、
おでこをポンと手の平で叩いて、舌を出し、おどけた表情を
紅雀さんが見せたことです。本当にこの噺家さんは、
びっくり箱で、一体何が飛び出すのか分かりません。
このワクワク感があるから、追っかけは止められないのです。


落語会が終わって、Wさんが抜け、
えむもとさんが加わってから、
「カフェ華(HANA)」に行きました。
(売り上げがいつもより多いって思ってくれたら嬉しいですね)。
パスタを食べているえむもとさんと、コーヒーやココアを囲んでいる
私たち。今度は、紅雀さんの話題が出ていたように思います(笑)。
そうそう、
この喫茶店へ向かっている時、次のお仕事に向かう紅雀さんと
ばったり、会いました。私は太陽が苦手なドラキュラのように、
誰かの影に隠れました(笑)。
落語会が終わってから、拝見するなんて、
とても幸せでした。
こういう時に、このアイコンを使うんですね。


えむもとさんは、田辺寄席の夜席を聴きに会場へ行き、
私もアンケートを出すために、ご一緒しました。
夜席のお客さんの邪魔にならないよう、外で書いていたのですが、
親切なスタッフの方が、チラシ置き場を使わせてくれました。(TоT)
紅雀さんが再び出るのは、いつのことか分かりませんが、
このご恩は一生忘れません。(ほんまかいな)。

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おつかれーっす

今日はなかなかおもろかったっすねえ~
いまんとこ、写真だけみたいっすけど
めっさ細かいレポ、楽しみにしてまっす!

名古屋もおんなじまくららしいっすね(笑)

黄金の七人

私は会員でよく田辺寄席は参加していますが、これほど豪華な客席は見たことがありません。湖涼さんに、ぴーま氏、K上さんに ごまめさん、遠くから遠征のすだちさん、それに忘れてはならない歯に絹着せぬ発言でランチを盛り上げたWさん、不肖 私を加えるとまさに、これって黄金の七人かと思ってしまいました。>┼● ドタッ
はじめて、紅雀さんと話をしている湖涼さんをじっくり見れて良かったです。
落語に関しては、湖涼さんの感心するほどの細かいレポを待ちたいです。
(*´∀`)ニヤニヤ

紅雀さん最高

お久しぶりです。

このまえ、文之助さんの襲名披露公演で聴いた紅雀さんの「いらちの愛宕詣り」に感激。

今日は、紅雀さんお目当てに、田辺寄席に。

良かったですな・・・紅雀さんの喜六、最高でおます。

「青菜」に「くしゃみ講釈」「池田の猪買い」「道具屋」はされているようですが、
「崇徳院」「宿替え」「野崎詣り」はされるんでしょうか。
是非、紅雀さんで聴いてみたいですな。

コメント

もずさん、ぴーまさんがコメントされたら私もコメントしないわけにはいきません。
今回 涼涼さんがいかにみんなに注目されているかよくわかりました。
みんなあなたのコメントを待っているのです。私もその一人ですが、、
だからどんどん紅雀さんの落語を聴きに行ってほしいです。
不意打ちでいいので。

コメント有難うございます

ぴーまさんへ
 お疲れ様でした。
私が持参した色々なものを受け取っていただき、
有難うございます。めっさ細かいレポは、
帰ってからメモに起こしていないので、いつもよりは
簡素になると思います(^^;)すみません。
 同じネタを聞いても飽きない私たちに、
同じマクラをふって申し訳ないと思ってくれるところが
嬉しいですよね。(^^)

もずさんへ
 黄金の七人ですか。何だかファンタジー小説の
タイトルのようですね。いつも面白いネーミングを
つけてくれて有難うございます。よくネタ切れになりませんね。
 あれは紅雀さんと話している内に入るのでしょうか?
と思うくらい、遠くから話しかけてましたね。
しかも一言だけ(笑)。でも「大喜利面白かったですよ」
と言えて、ほんと良かったです。

ごまめさんへ
 本当にお久しぶりにお会い出来て良かったです。
思い出すのに時間がかかってすみませんでした。
紅雀さんをお目当てに来てくださったと聞いて、
すごく嬉しかったです。
 「崇徳院」は、頻繁には高座にかけないみたいですね。
でも、本~当に面白いですよ。折り紙付きです。
「宿替え」は、去年くらいにネタおろしをされて、
暫くよく高座にかけてました。最近は出されていないようですが、
またよく出す時期が来るかなあと思っています。
こちらも奥さんとのやり取りが本当に可笑しくて折り紙付きです。
 「野崎詣り」は、たぶん持ってないと思われるネタです。
将来的に手がける可能性はゼロではないと思いますよ。^^

えむもとさんへ
コメント有難うございます。
いつも反応が鈍くてすみません(^^;)。
皆さんの不意を狙って、これからも、
紅雀さんの落語を聴きに行きたいと思います。
 感想は、もう少しお待ちください。
できたら七本松の感想を少しでも書いてから、
書き出したいなあと思っています。
プロフィール

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