第30回 七本松落語会

2013年11月13日(水)京都市・丹波口

桂 染弥    口上(三十回記念会と襲名のご挨拶)
笑福亭 飛梅 「道具屋」
桂 紅雀  「親子酒」
桂 染弥   「天災」
~仲入り~
桂 かい枝  「京の茶漬」

爆笑大喜利 
司会…染弥 回答者…紅雀・飛梅・笑福亭 由瓶
(かい枝さん、飛び入りで一問参加してくれました)




舞台に向かって左端の席を陣取りスタンバイ。
紅雀さんの落語が始まってやっと気づいたこと。
動楽亭の左端の席よりも、ずっと左側から見ている角度です。
演者さんの横顔が見えて、ふだん見ない側面が新鮮すぎて、
噺に中々集中できませんでした。でもトキメキは沢山もらいました。


染弥さんの口上は、この落語会は、今回、三十回という区切りの良い
数字を迎え、ここまで続いたのはお客さんのお陰です、というようなことを
仰って、大喜利がある旨、それから三代目菊丸襲名の報告をされていました。
 染弥さんの袴姿にドキドキしてしまったのは、
袴が、白かクリーム色で、側面から見るため、横の隙間から、
中の縞の?お着物がはっきりと見えたせいです。これは女の人しか感じない
男の色気だと思います。(どこ見とんねん)。


開口一番は、飛梅さん。
マクラは初舞台で起こったハプニングについて。
ちょっと噛んでしまったところが可愛い。
 ネタの「道具屋」は、とても達者で、ずっと前、
拝見した時よりも、もっとこなれているように思いました。
紅雀さんの道具屋のテキストとそんなに違いを感じず、
一門が違うので、意外に思いました。
違うなあと思ったところ
・おじさんが、品物の説明をする時、主人公が出てこない。
(コンパクトな流れ)
・金魚屋さんで、主人公が子供に、破れたすくうやつの、
輪の部分に金魚の首を引っ掛けろと言う。
・金魚屋さんが、本屋の善さんを教えてくれる。
・電気スタンドと、花瓶は出てこなかった?
・「人間、義理を欠いたらいけまへん」
江戸っ子弁ではなかった。
 最近の前座さんは、達者な方が多くて、これからどう伸びるのか、
楽しみでもあり、荒削りな部分も見てみたいと思うところもあります。


お次は、紅雀さん。
マクラは久しぶりにマンゴーとデコポンの話を聞きました。
たぶん、初めてのお客さんに話すマクラだと思うのですが、
七本松のお客さんのノリというか反応が良くって、
めっちゃ良いお客さんやなあと思いました。
紅「これ、幾らやと思いますか? ●円なんですよ!」
客「ぇえーーー?」
紅「わざとらしい……っ」(笑)
 親子酒は、伸縮自在の凄いネタ。
二つ目用に、冒頭、父親が歌うくだりや、中盤のポストのくだりは、
カットされていました。(トリでもポストが出てこない時がある)。
 表情がとても豊かで、伊勢海老が税金を納めるしぐさのところから、
お客さんは、わっと驚いて笑っていました。
顔芸と言えばそれまでですが、噺家さんの中では珍しいタイプ
かもしれません。
(中身は本格派なんですよ!! と主張したいファン心)
 この日はいつもより表情が豊かで驚きました。
後日の田辺寄席は仕草の方に重点が置かれていたように思います。
七本松の方が表情のディフォルメが強かったです。
 この会は本当にお客さんの反応がよくって嬉しく思いました。
私は紅雀さんの余り見ない側面姿に「おぉ…!」と
見とれてました。(噺をちゃんと聴いていたのか…)


中トリに登場したのは染弥さん。
彼の新作落語は聞いたことがないけれど、
マクラはそれを思わせるような内容でした。
東京へ行ったとき、マクドに並んでいたら、後ろに、
関西弁が大嫌いと豪語する強面のお兄さんが立って…と
いうものと、三重県で有名なラーメン店でカップルの痴話喧嘩に
染弥さんが、少し絡んでしまうというものでした。
 「天災」は、一度だけ、今年の道頓堀太郎寄席で聴いたネタで、
その時は、ざこばさんのテキストの方が好きかなという印象でした。
主人公が、自分の性格を変えなければならないと、一瞬しおらしく
なるくだりが、多分ですが、染弥さんには無いのです。
 ところが、この部分がなくても、全く違和感なく聴けて驚きました。
骨太の古典落語のテキストを、自在に操っている印象を受けました。
「広ーーい、広ーーい、野原です」
が、繰り返されることによって、どんどん可笑しみが増していく。
ご隠居さんになりきった主人公と、噛み合わない会話が本当に
可笑しく思いました。
 考えられること
・道頓堀太郎寄席の時よりも染弥さんがパワーアップしている
(あの時は、本領ではなかった?)
・七本松のお客さんが染弥さんの芸を輝かせる土壌を持っている


中入りをはさんで、かい枝さん。
初めて噺を聴く噺家さんです。
海外の落語公演の様子をマクラで話してくれました。
英語で落語をするというのは凄いと思います。
面白い言い回しを、英語で考えないといけません。
 今回、英語落語にするか、日本語の落語にするか、
まだ迷っていると言っていた、かい枝さん。英語の小咄をして、
お客さんの反応を見てから決めます、と。
ずいぶん、ゆっくりと英語を話してくれていたのですが、
やはり全ては理解できず。それでも、面白く感じましたし、
お客さんの笑い声も大きいように思ったのですが、
小咄を言い終えるなり「日本語にしましょう!」と(笑)。
 「京の茶漬」を京都でするっているのは、
何だか凄いことだなあと思いました。でも、七本松のお客さんには
よく受けていて、ネタの選択は間違ってなかったようです。
この話が始まる前に、大阪人と神戸人と京都人がレストランで御飯を
食べて、お会計時に考えていることが違う…という小咄を
披露してくれました。オチに京都人が出てきて、そこからもう
お客さんが手を打つほど受けてたんですね。
 かい枝さんが「京の茶漬」をすると聞いて、
まっさきに頭に浮かんだのは、文三さん。同じ一門でお年も近いはず。
お二人の噺を聴き比べられるなんて! と思いました。
 このネタは、五代目文枝さんの得意ネタだったのでしょうか。
テキストは殆ど変わらないように思いました。「ジャズ」のくすぐりも有り。
ただ、芸風がかなり違うので、そこで楽しめました。
文三さんは描写が凄く細かい印象です。前歯に詰まったお米を
手で取る仕草は、かい枝さんはしませんでした。
大阪の主人公と京都のおかみさんが水面下で火花を散らす様子が
思い浮かんで、おかみさんの出番は少ないのに、間接的に、
生き生きと表現されていることに驚きました。
 かい枝さんのおかみさんは、文三さんのよりは、
前に出てこない印象です。その分、天然なのかな? と
思わせる、想像力の幅が生まれました。
煙管を吸うときに出す舌が、私から見る角度からは、
長く見えて、ちょっとびびってしまいました。^^;
 かい枝さんは、ぼそっと一言話しても、ただそれだけで、
不思議な可笑しみを感じます。噺家さんとしての強みがあると
思いました。そこは十代目馬生さんと似ているなあと思います。
かい枝さんの方が、皮肉屋っぽいかもしれませんが。


爆笑大喜利は、
なぞかけと、川柳(下の句を回答者が先に書いて、上の句をお客さんから募り、
中の句を回答者が答える)、それから、
数え歌で相撲取りが横綱に出世する話を作るというもの。
怪我ばかりしてちっとも横綱になる気配を見せない数え歌に、
お客さん、めっちゃ笑ってました。
(うろ覚えですがこんなやり取りでした)

紅雀さん「いちは、田舎から出てきて~♪」
飛梅さん「にぃは、二子山(ふたごやま)部屋に入門し~♪」
由瓶さん「さんは、三日で逃げ出して~♪」
染弥さん「それはあかんやろ!」

とにかく、由瓶さんが話の腰を折る発言をして
面白かったです。染弥さんもけっこういじってました。
紅雀さんは、なぞかけから、流石、米朝一門やなあ、
と褒められていました。
考える時間が短くて、答える回数が多かったんです。

で、由瓶さんが叱られながらも続きを。
由瓶さん「さんは、三日で序の口で~」
(序の口って、すっと出てくるとこが凄いですね)
今度は、紅雀さんがボケ始めました。
紅雀さん「よんは、四股(しこ)踏んで、足折って~♪」
染谷さん「ちょっと待って。今、聞き取れんかった。
     もういっぺん」
紅雀さん「(繰り返し)」
染弥さん「それもあかんやろ!」
紅雀さん「いやいや、怪我しない名人なんて居ないですよ。
     怪我をした周りに肉が付くんです。千代の富士かて、
     肩を怪我して、あんな凄い肉がついたでしょ」
染弥さん「それも、そうやな。俺が悪かった。うん、続けてくれ」
飛梅さん「五(ご)は、ころんで、腕折って~♪」
染弥さん「ちょっと待ってくれ。それはあかんやろ」
飛梅さん「いやいや、怪我をして、肉が周りにつくんですよ(^^)b」
染弥さん「そ、そうか。ほな続けてくれ」
由瓶さん「ろくは、肋骨、五本折り~♪」
染弥さん「ちょっと待ってくれ。ええんか、それで?」

だんだん、止める語調も弱くなってきた染弥さん(笑)。
このまま話を進める方が面白いと判断したようです。
勢いづいた回答者たちは、話をどんどん逸らします。

紅雀さん「ななは、軟骨、飛び出して~♪」
染弥さん「大丈夫なんかそれは」
紅雀さん「大丈夫大丈夫。軟骨は美味しい」
染弥さん「それは、鳥肉の話やろ」
続行する飛梅さん「八(はち)は、張ったら、首取れて~♪」
染弥さん「おい待て、それは流石にあかんやろ!」
飛梅さん「いやいや、首の周りに肉がついて強くなるんです」
染弥さん「もうええわ、続けてくれ」
由瓶さん「九(きゅう)で、救急車に運ばれて~♪」
紅雀さん「十(とお)で、とうとう、横綱だ!」
染弥さん「なれるかー!!」

・・・という、ぼけぼけのお話になりました。
めっちゃ可笑しかったです。
首取れたとことか、吃驚しました。
それでも話を進めるところも流石です。

落語も、みな面白くて、
ほんと遠くから来た甲斐があったなあと、
思える落語会でした。

(染弥さんを見るのはまだ二回目で、
つっこむ口調はかなりうろ覚えです。
ファンの方、すみません><)


噺家さんの個性がいかんなく発揮された、
本当に良い会だったなあと思います。

コメントの投稿

非公開コメント

意表

この落語会に参加とは、風のたよりで聞いていましたが、寒くなったし、寒い京都までは、行かれないだろうと、たかをくくっていた私がバカでした。
参加とは意表をつかれました。凹○ おもいっきりコテッ

出番から言っても、親子酒だけはないと思っていましたが、これも意表をつかれました。〓■●~~=□○0 ドタッ
楽しそうな大喜利で大変結構でした。

親子酒

トリネタの親子酒を二つ目に出すというのは、
よっぽどだなあと思います。
親子酒は中ネタっぽく、歌を歌う場面や、
ポストのくだりは端折ってました。
でも、紅雀さんの酔っ払う表情にお客さん、
すごく笑ってくれて嬉しかったです。

13日は私も半ば諦めていたのですが、
芳しくなかった体調が上向いてきたので、天啓かと思い、
出かけることにしました。(^^)

体調が芳しくなく...

ほんまに意表を突かれました(笑)
直前まで行く予定だったんですけど、体調が芳しくなく(>_<)
今日、復活しました!
なんとか。

お大事に

ひょっとしてぴーまさんが来られるかなと、
キョロキョロしていたのですが、
(実は万葉集の小冊子が出来たので、見てもらいたいと
カバンに忍ばせていたのです・笑)
体調、大丈夫ですか。お大事にして下さいね。

田辺寄席の時はどうぞヨロシクです。(^0^)ノ□
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
ブログ管理人(湖涼)の連絡先
jaimo.koryou★gmail.com (★を@に変えて下さい)
@koryou_ツイッターです。
2つのアクセスランキングに参加しています。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 落語へ
↑にほんブログ村

最新記事
最新コメント
リンク
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カテゴリ
月別アーカイブ