雲助の会

2013年9月23日(月・祝)高槻市・割烹旅館 亀屋

五街道 雲助 「皿屋敷」
五街道 雲助 「明烏(あけがらす)」
~中入り~
五街道 雲助 「夜鷹そば屋」


高槻は良いお店が多くて吃驚しました。
コロッケとケーキロールを家のお土産に。
お店まで案内してくれたH子さんとそのお友達に感謝! です。
落語がダメだったら、多分お土産買ってなかった。
私の浮かれ具合が反映されています。



亀屋さんの落語会は初めてでした。
座布団席と聞いていましたが、座椅子つきでした。
旅館によくある、木製の曲線が美しい座椅子です。
 指定席ではないと思っていましたが、指定席でした。
それから、前もってお金を指定された口座へ振り込んだのですが、
メールで予約したお客さんは当日に料金を払っていましたね。
システムがまだよく飲み込めていません。^^;
何でもありなんでしょうか?
よせぴっを見て電話を入れる→口座に振り込むよう言われる
HPを見て、メールで予約を入れる→当日、料金を払う。
口座に振り込むと手数料を取られるし、メールにした方が良いですね。


会場は、中くらいの大きさの和室の広間(分かりにくい)。
ちょっとした宴会に使っていそうな綺麗な部屋でした。
(お見合いとかも?)
亀屋寄席のお客さんは、アットホームな雰囲気を
かもし出していました。同じ噺家さんを目当てに、
はるばる来た者同士という団結感というのでしょうか。

まずは、亀屋の女将さんからご挨拶が。
もの凄く上品そうな方です。携帯電話を切るようにという、
アナウンス。
 それから、雲助師匠が登場しました。
すすっと現れたので、一瞬拍手するのを忘れました。^^;
小柄で、がっちりした体格、笑うとぽっかり穴が開いたような、
口元になり、ちょっぴり埴輪っぽい愛らしさの漂う噺家さん。
江戸っ子弁は、思ったよりもきつくなくて、
聞き取りやすかったです。動画では「かちっ」とした落語を
されるのかなという印象を受けましたが、生で見ると
柔らかく感じました。
 マクラで、大阪に来るのは三十数年ぶりとかで、
二つ目の時に、雀三郎さんのお家に泊めてもらい、
鶴橋でごちそうになったと仰っていました。
そんな繋がりが!
H子さんのお友達のお話によると、雲助さんは、
今まで名古屋どまりで、中々大阪まで来てくれない噺家さんだった
そうです。まさか、そんな記念すべき再来阪の会に、
私が参加することになるとは。


その他のマクラは、恐らく鉄板もの。色々話してくれましたが、
最後に、幽霊は、何故か標準語を話しますね、と。
関西弁の幽霊を実演。「~しまっせ」と、急に、
おじさんっぽい口調に(笑)。
 「皿屋敷」は、私は余り見ないのですが、前座バージョンの
ものを。上方に、前座型の「皿屋敷」ってあるのでしょうか?
お菊が殺された経緯も、地の文に近い説明口調。
大ネタとして持っているひろばさんの「皿屋敷」と比べてはいけないと、
思いつつ、ちょっと物足りなく感じました。ネタの長さが違うから、
同じ噺でも純粋に比べてはいけないということは頭では分かっているのですが、
難しいですね。怪談の部分だけでも、ひろばさんのテキストで
雲助さんが話してくれたら、どれだけ怖いかと、家に帰って勝手に妄想。
 鳴り物が無いせいか、幽霊の手つきも、動きもあっさりした感じ。
H子さん曰く、後半、芝居がかった手つきになるので、その落差を感じさせる
ために、上方のように初めから本格的な幽霊の手つきにしないのでは、と。
なるほど。
上方のお菊さんは、前半、本格的な幽霊で、後半はアイドルっぽくなります。
(米朝一門の若手の皿屋敷しか聞いたことが無いのですが^^;)。
東京…というか、雲助さんのお菊さんは、前半あっさりした手つきで、
後半は大仰な歌舞伎っぽい?仕草に(笑)。
 あと、「イイ女だったな! 」って、江戸っ子が強調して言ってたんですが、
上方は、どれだけ美人かって余り言ってない気がします。
「あ~こわ、あ~こわ、  明日も行こ」。こんな感じ。美人だから行くのか、
スリルがあるから行くのか、その点はぼやけてますね。
 あと、一番違うなあと思ったのは、お菊さんの「咳」の扱い方。
上方:お菊が咳する→19枚数える→サゲで「明日休ませてもらいます」
雲助さん:お菊が咳をする、めっちゃ噴出す(客が休みなよと心配する)
→翌日?お菊が酔っ払う、19枚数える→サゲ。
上方は、お菊さんの咳がサゲに直結しているのに、雲助さんはそうではない。
何故お菊が酔ったのか、商売に嫌気がさしたのか(風邪を引くくらい働いている)、
こちらで想像するしかない。上方のぼやけた点に対して、こちらも、
ぼやけている点があります。その違いが、凄く面白いなあと思いました。
 あと、お菊さんが芝居がかって、お皿を数えるところ、
特に「四枚」は、笑ってしまいました。手を振り回して、突き出すんです。
上方の方が、AKBとか出てきて、一見派手ですが、
雲助さんは、ふわふわ浮いている青い幽霊火が、
三本くらい青い火柱になって出てきたので吃驚しました。
 

「明烏」は、先代の馬生さんの音源を聴いたことがあります。
「おかあさん!」っていうところが大変ツボでした。
志ん朝さんは、速記本で読んだ程度ですが、
「二ノ宮金次郎という人はですねー!」がかなりツボってしまい、
図書館で噴出してしまいました。改めて読んだら志ん朝さんも、
その後で「おっかさん!」って言ってますね。
馬生さんは、二ノ宮金次郎と言ってたのかどうか、気になりますが、
箕面の図書館に速記本があるので、まだ確認できていません。^^;
 という訳で、雲助さんの「明烏」です。
両方とも言ってました!(だからどうなの)。
何か、それが凄く嬉しかったです。生で聴いたことが無かったから
なんでしょうね。
 若旦那・時次郎の描写なんですが、
何か、文太さんの時と同じ感想を持ってしまいました。
ちょっと女性っぽすぎる気がするんです。(>_<)
女の人に見えちゃう。(紅雀さんの2回目に見た崇徳院もそうだった)。
そこで、うーんと、思ってしまいました。
ただ、若旦那が泣き崩れ、遊び人の差し伸べた手を、
ごねて、大きく振り払った仕草は「男の子だなあ」と思いました。
やっと若旦那が男の子に見えて、ほっとしたのを覚えています。
 一番ツボにはまったのは、お茶屋のおばさんが出てきた時で、
「こういう処で働いている人は、言葉遣いは優しいが、力は強い方で…」
というような事を言って、腕を十字に組むような仕草をして、
ふん、ふん! と若旦那を締め上げた場面です。
ああいうビジュアル芸に弱いんですね。一瞬でしたが、目に焼きつきました。
 サゲの場面は、もう少し艶っぽさが欲しかったです。
エロ成分が足りなく感じました。師匠は、抑えていたのでしょうか。
どうも違うんじゃないか、と思ったのは、
時次郎の父親が、「浅草の観音さんの裏(手)」まで言い切ってから、
(ああ、吉原のことか)と気付いたからです。
昔、遊びまくっていたのなら、「浅草の観…」で気付いて欲しかった。
女性に対する下心を出す弱さ、というのは、何となく、
雀三郎さんと通じているような気がします。
紅雀さんは、ちょっと出しすぎかなと思いますが。
 東京でも、廓噺があまり高座にかからなくなっているようで、
いっそのこと「ありんす」っていう言葉を削ったらダメなのかなと
思いました。回数を減らすとか。今聴くと、けっこう抵抗があります。
幾代餅も、鰍沢も、足を洗った後に、ありんすって言ってくる型があるので、
そこはもう普通の女性言葉に戻して欲しいです。
 でも、雲助師匠の花魁言葉は、あっさりしていて、そんなに耳に
ねばっこく残りませんでした。


夜鷹そば屋、初めて聴きましたが、
じーんとしてしまいました。
はじめは、人情味がありすぎる話だなと思ったのですが、
男が、おじいさんの若い頃に似ているとか、
年寄りなのに、小金を貯めているとか、伏線もそこそこあって、
楽しめました。主人公の男、本当に泥棒をするのかと、
ちょっとハラハラして見てました。男のぼそぼそっとした話し方が、
怪しくて、でもニヒルで凄く格好良かったです。
陰のある男の人に弱い、女心をくすぐる男でした。

男はシリアス調で、
老夫婦は、お笑い専門。コントラストがはっきりしているけど、
均整がうまく保たれていて、噺の世界観は崩れない。
他の噺家さんだったら、バランスを保てない気がする。
そこは凄く繊細に感じました。

柳家金語楼の「ラーメン屋」を、師匠が翻案したネタと、
ネットで書かれていたのですが、
噺も作るし、語りも出来る噺家さんって、つくづく凄いなと思います。
天才ですね。
そんな凄い人に、中入り時、話しかけてしまった私って一体。
怖いもの知らずでした。
師匠がその辺で休んでらっしゃるから、思わず、
馬生さんの崇徳院に関する質問メールを返してくれたお礼を言いました。
一生に一度のチャンスでした。
本当は、お礼を言いたくて、落語会に行ったんです。
でも、「夜鷹そば屋」は凄かった。
目から鱗が何枚も落ちる落語でした。

※追記
明るい老夫婦だけども、実は、子供が居ない辛さを抱えてた、
そのことを本人らも知らずに過ごしていたのでは、と思えるような
内容でした。男の出現によって、蓋が開いてしまったような。
婆さまの、バーチャルせがれ妄想、面白かったです。
かがみこんでお金を数える老夫婦の姿は、無邪気で可愛く思えました。

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耳を疑う

先日、雲助さんの会に行くと聞き、耳を疑いました。あなたの発言には、何回耳を疑うか分かりません。{{{{{{{{ ( >_< ) }}}}}}}} コワ
明烏は文楽さんの十八番と聞きますが、聞いた事はありません、舞台を大阪に移した文太師の明烏はよく聞きます。やはり、甘納豆を食うシーンはあるのでしょうか?
ラーメン屋は鶴光さんで聞いた事があります。
夜鷹そば屋も養子縁組に発展する物語りかな?

debutですね

台風を乗り越えて、生の江戸落語debutおめでとうございます。
やっぱり先代馬生がらみでしたか。
また、新しい扉を開いてしまいましたね(;一_一)

debut が読めなかったです(t を何故発音しないのか)

もずさん、耳を疑う行動ばかりしてすみません。笑
亀屋旅館の前で、「初めての生江戸落語なんですよ」と、
他のお客さんに言ったら、「渋いですね」みたいなことを
言われました(ちゃんと聞き取れなかった)。
 甘納豆を食べる場面はありましたよ。
志ん朝さんは、梅干でしたっけ??
文太さんの明烏、2012年の1月に私も聴いていましたね。
甘納豆の砂糖粉を投げる辺り、どこかで見たような気がしましたが。
 「ラーメン屋」を持ちネタにしている人がいるんですね。
驚きました。ちょっと聴いてみたいです。養子縁組という言葉は出てきませんが、
まさにそんな感じで終わりました。

ぴーまさん、先代馬生がらみ…まさしくそうです。
でも、良い出会いのきっかけになりました。
馬生さんのDNAを継ぐ噺家さんの生の落語を聴けるチャンスは、
そうそうありませんし、何より、丁寧にメールを返してくださる
人柄にも引かれました。(動画で、苦手な声の噺家さんじゃないかどうかも、ちゃんとチェックしてから出かけた私)。もう一度、上方に来て欲しいです。
動楽亭昼席とか、雀三郎さんとの二人会とか、やってくれたらなあ。

t を何故発音しないのか

これをsilent letterといいます。
knife(ナイフ)とかsign(サイン)とかChristmas(クリスマス)とか
普段日本語として使ってる英語にも一杯ありますよ。

でも、debutのように最後のtを発音しないのは、フランス語の法則だったと思います。

wikiによると、デビューの語源はフランス語の débutanteだそうです。
『初心者、初舞台の人、年若い、若々しいの意味であるが、西欧諸国
 アメリカ大陸諸国、オーストラリア、フィリピンなどのキリスト教国で
 18歳から20歳の上流階級や貴族の娘で、初めて正式に社交界にデビューした
 者をさす』そうです。

何故発音しない?問われれば、決まりだから!というしかないのかな。

フランス語が大好きで(じゃなくて落第して)2年間も第2外国語をやったのですが...
説明できる知識を持ち合わせておりません。

フランス語の得意な方又はles Françaisの方、silent letterに詳しい方。
募集します。

って、勝手に人のブログで募集するなって(-_-メ)

ひらめきました

t を何故、発音しないのか…。
debut(デビュー)は、大昔、最後の「t」を
発音するような文字だったのではと。
フランス語の「débutante」は、t を発音してなくても、
その言葉の語源となった
ラテン語は「t」の発音があったんじゃないかと思います。
アルファベットって表音文字ですよね。
 しゃべっている内に訛って発音されなくなったけど、
「t」は、昔の名残なのでは。
 Christmas(クリスマス)は、
クリスト(キリスト)+マス。キリストの生誕を祝う、
英語のChrist(キリスト)の mass(ミサ)が語源だそうです。
面倒くさくなって発音しなくなった「t」だけど、
外したらえらいこっちゃ! ですね。
 「t」は大事だということが良く分かりました。
しかし発音するしないの判断は難しいですね。^^;
日本語の方がもっと難しいと思いますが…。
 昨日寝る前に考えたんですが、「母屋(おもや)」の、
「お」ってどこから来てるんでしょうか。
どう考えても「もや」としか読めないですよ。(万葉集読みすぎ)。
当て字にしたって、
「主家(おもや)」の方が通じると思うのですが。
母親がいる家が力が持ってる…?
いやいや、母体(ぼたい)となる家、の略なんでしょうかね。
 話がそれてスミマセン(^^;)
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
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