道頓堀 太郎寄席

2013年6月11日(火)

桂 紅雀   「道具屋」
笑福亭 由瓶 「僕とお客様の微妙な関係(仮題)他。ショートコント?」
桂 紅雀   「佐々木裁き」
~中入り~
笑福亭 由瓶 「一人酒盛り」

三味線:豊田 公美子

最終的にお客さんは10名。
名古屋のM本さんと再会して吃驚の夜でした。
道具屋は、紅雀さんにとって前座ネタではありません。
全力投球のモタレ(トリ前)ネタです。^^



※6月23日に感想を書いています(メモ無しなので、かなりうろ覚えです)


太郎寄席の会場に着いた時は、
会場前に沢山のお客さんが並んでいて、衝撃を受けました。
由瓶さんのファンがここまで詰め掛けているのかと。
(どうして紅雀さんファンだと思わないのか)
実は、お隣の会場のお客さんだったんですね。
超(スーパー)リアルキッズっていう漫才師さんのライブが
同じ日にあったんです。
結局、9名のお客さんと噺家さんで会はスタートしました。
(一席目が終わってからお客さんが1名入ってきました)


開口一番は、紅雀さん。
最後尾席にいる席亭の太郎をお客様としてカウントし、笑いを取っていました。
マクラは、娘さんと一緒にテレビを見ていたら、思わぬ質問が飛び出して
戸惑ったという話でした。娘さんの発想が可愛いし、紅雀さんと並んでテレビを見ている
光景を思い浮かべると、本当にほのぼのした気持ちになりました。
 由瓶さんから「普通のネタはするな」と言われていたそうなんですが、
「道具屋」をします、と言いました。
紅雀さんにとっては、普通のネタではありません。^m^
 この「道具屋」を聴く前、動楽亭昼席でも同じネタを聴いてました。
昼席で聴いた時は、「お前らにその掛け軸の良し悪しが分かってたまるかい」
という、おじさんの台詞にひっかかりを覚えたのですが、この日は、主人公の
「軸の良し悪しを言うてるわけやない」という台詞が聞き取れて、
昼席は、この台詞を聞き逃したんだなあと思いました。
乾いた心に雨が降って来て、うるおった心地です。
 昼席とは違うなと思ったのは、甚兵衛さんの名前が飛び出したこと。
紅雀さんの「道具屋」は、「おじさん」と「甥っ子(主人公)」が登場し、
それまで甚兵衛さんの名前が出てくることは無かったように思います。
(と言っても、ファン歴が浅いので、ずっと前の紅雀さんを知りませんが)
これは、何か目論んでいるのでしょうか?
「さかさま盗人」が変化してきた時も、こんな感じでした。
初めは、ボタンを掛け間違った印象を受けたものです。
紅雀さんが何を企んでいるのか、考えると楽しみなようで、末恐ろしいです。
アクロバティックの前触れなのでしょうか。


お次は、由瓶さん。
舞台袖から、ばさばさっと、客席を大胆に覗いていたのは、
紅雀さんではなく、由瓶さんでした(笑)。
紅雀さんにしては大胆だなあと思っていましたが…。
自分には人気がない、今日も紅雀さんのファンばかり来ていると、
そんなことを言ってました。紅雀兄さんのファンの中でも、
由瓶をガマンして聴ける人だけが来ていると。
私は紅雀さんとの二人会、とても楽しみにしていました。
ガマンしようだなんて、少しも思わなかったので意外でしたね。^^;
 自分には、変なファンが付く、変なお客さんとよく遭遇する、
という内容の、コント風の新作落語?を披露してくれました。
変なファンやお客さんのエピソードも面白いですが、
由瓶さんの反応が過剰で笑えました。
傷つきやすい人なんでしょうか。でも、それをお客さんの前にさらせるというのは、
とても勇気のいることです。まだちょっと手探りなところがあるように思いましたが、
行き詰まっているよりは、模索しているのだと分かるくらいが丁度良いです。
 実は「足袋と帯」という新作落語を、この会でもう一度聴きたいと思っていたのですが、
(「一人酒盛り」がトリネタではないと思っていた)
再会できずに残念です。由瓶さんのプライベートな一面がのぞける一席でした。


お次は、紅雀さん。
由瓶さんの一席で、客席の空気は、盛り上がったけど、
とっちらかった印象です。昼席の鯛蔵さんは、ハメモノが入ったネタをしたので、
部屋が小物で散らかった印象でしたが、由瓶さんは、ちゃぶ台をわざとひっくり返した感じ(笑)。
怒ってひっくり返したように見せかけて、側面立ちしてる感じです。
「屈折してますね」と、紅雀さん苦笑い。
突っ込み役に回った紅雀さんが、とても貴重に感じました。
 ネタは「佐々木裁き」。何度か聴いているのですが、
今まで私の中でクリティカルヒットが出ていない噺です。今までは、「ながせめしまに」
という落語感想ブログが、このネタを褒めてくれていたので、安心して批判を書けましたが、
そのブログが無くなった今、土台を失って、本音を書くのが怖いです。
 「佐々木裁き」のテキストが檻のように感じる印象を未だぬぐえません。
紅雀さんが思いのまま自由に話している、という印象が欲しいです。
手順が狂うと、あとで補正がききにくい噺だからでしょうか。
 何はともあれ、他の人では余り聴かないなあと思うところをメモしておきます。
(他の人といっても、大して聴いていませんが…)
・噺の序盤、わんぱくな男の子とものしりな男の子が喧嘩の次第を話す場面で、
ものしりな男の子の喧嘩の次第は聞けるが、わんぱくな子の台詞が無いように思う。
何か訳があってそうしていると思うのですが…。ただ、噺を聴くにあたって、
支障を感じたことはありません。
・何故、シロちゃんが、お奉行さんのお裁きの台詞を知っているのか、という謎に対して、
講談で聴いたと、言わせていた。これは、この日初めて聴いた気がします。
嬉しい補填です。


中入り後は、トリの由瓶さん。
以前、中入り後に出てきたら、帰っているお客さんが居て…
と言っていましたが、今回は、帰っているお客さんはゼロ。
それどころか、後方に居たお客さんの一人が、最前列に移動しています。
由瓶さんをじっくり見ようと思ったのでしょう。
 「一人酒盛り」は、初めて聴く噺でした。
六代目松鶴が、晩年、多く高座にかけていたと聞いたことがあります。
驚いたのは、落語によくある逆転劇が、この噺には見られなかったこと。
お酒を延々と注がされる弟分の男が、最後、ぶち切れて、
兄貴分に煮え湯を浴びせると思ってました。(すごい妄想)。
 サゲで、兄貴分が奥さんに、ポツリと言う台詞が落ちに相当する言葉になっています。
散々な目に遭った弟分がちょっと可哀想でしたね。熱燗を渡して痛い目に遭わすまでは
出来たように思うのですが、ひっくり返るところまで行かなかったので、
もやもやとしてしまいました。兄貴分に腹が立ってくる噺です。
そう思わせないやり方があるのでしょうか?
六代目松鶴は、どう演じていたのか、気になるところです。
 このネタは、噺そのものを楽しむというよりは、噺家さんの所作を余すところ無く見て、
内面や人間性を垣間見ることができるネタなんじゃないかと思いました。
ストーリーで見え隠れしていたものが、このネタだとダイレクトに伝わってきて、
中々酷な噺だと思います。お客さんを惚れさせないと間が持たない。技術とはまた違った次元の
ものが大幅に求められるネタなのかなあと思いました。
 由瓶さんは、お酒を呑んだ仕草の後、舌鼓を打つような音を実際に出すのですが、
それが少し大きいような気がします。あったり無かったりしても良いんじゃないのかなあ。
お酒を呑む音は良いなあと思ったのですが…。
 ネタが終わったあと、お客さんに一言ごあいさつを言ったのですが、
その一言が低い声で渋くて格好よかったです。
変なお客さんに振り回され続ける由瓶さんと同じ人とはとても思えませんでした。
きっと奥さんは、この由瓶さんに惚れたんでしょうね。何となく素に近い感じがしました。


終演後(会がハネた後、と言うのでしょうか)、
紅雀さんがお見送りに立ってました。
いつもなら、逃げるようにして帰るのですが、
M本さんが紅雀さんとお話している横で、あわよくばと逃げ腰で立っていた
私をどうぞお笑いください。(>_<)
またM本さんに痛い私を見られてしまいました。

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ビツクリ

観客10名もM本さんも吃驚ですね。
でも、紅雀さんが大人の対応だったそうで、よかたよかった(^O^)

こちらは、まん我三昧が二夜連続満席にならなかったのに吃驚(゚д゚)!
あんな街中で19:3なら、限定25席はすぐ埋まってしまうだろうと思ってました。
落語家にとっても、ますます厳しい世の中になってきましたな(´・_・`)

ぴーまさんへ

まん我さんの会、満席にならなかったんですか?
観客が少ない理由は、まん我さんの会があるから? と、
思っていたのですが…。
 他に人気の会があったのでしょうか??

紅雀さんが、大人の対応…。
いつもどおり落語をしたことが、そうなんでしょうか?
心の狭いキャラを由瓶さんに譲ったことでしょうか?
心当たりが無いのですが、^^;
精神的にタフだなあと、思うことはちょいちょいあります。

大人の対応

大人の対応というのは、M本さんのツィートによると、ということてす。

痛い?

痛い、の意味が私にはわかりません。今までも今回も湖涼さんの痛いところというのが思いあたりません。私は落語家さんを見かけると、つい話かけてしまうという名古屋のおばちゃんなのに大阪のおばちゃん化(俗に言う)しています(≧∇≦)
いつも後で反省して落ち込みます。
紅雀さんのマクラは落語家さんの中で一番好きです。笑えるし、人柄が出て引き込まれて行きます。またご一緒できればうれしいな(^_^)

一人酒盛り

えむもとさんのコメントに惹きつけられるように、このページに戻ってきました。
由瓶さん、「一人酒盛り」やったんですね。
六代目の代表的なネタの一つですね。
『私は酒を飲まんもんで、酒飲みの気持ちがよー分かりませんが』
と、定番のとぼけたマクラから、爆笑の十八番です。

それにしても、難しい噺ですわ。
ほとんど、一人語りじゃないですか。
その語りで、相手をしている方の気持ちの変化まで表現しないといけない。
まさに、落語という語り芸の極致ですよ。
湖涼さんが『腹が立ってきた』というのは、由瓶さんの勝ちじゃないですか?

わざわざ、仕事をキャンセルしてまで付き合うてるのに、どういうこっちゃ!いうことを、本人に喋らすことなく客に感じさせるのが、この噺の本領です。
サゲで『あいつ、ちょっと酒癖が悪いんや!』で、松ちゃんと竹やんの仲の良さが微笑ましくもあるのです。

追加!

追加!
六代目の一人酒盛り、いろいろ出てるけど、今のところこのVer.がオキニです。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=W1EQaF44STY

天邪鬼だから見ないかな(笑)

えむもとさんへ
 こんにちは(^O^)。11日はご一緒できて本と嬉しかったです。痛いなあと思ったのは私だけだったんですね(良かった)。紅雀さんに差し入れとは言いがたいものを送りつけていることが新たにばれたと思ったのですが私の気にしすぎでした。それにしても、えむもとさんが居なかったら、お見送りしている紅雀さんを、あそこまでまじまじと見れなかったと思います。どうか反省なさらずファンの鑑と思って下さい。ほんと羨ましい限りです。また紅雀さんの落語を一緒に聴きましょう。

ぴーまさんへ
 一人酒盛り、やっぱり難しい噺なんですね。六代目は爆笑ネタだったんですか。由瓶さんの「一人酒盛り」は、もう少し主人公に愛着がわくような感じにして欲しいなあ、なんて思ったんです。偉そうな口ぶりの中に可愛げがあるというか。難しいですね。^^; それにしても、あそこまで家事が出来ないって今の感覚でいったら、凄いですね。出来ない振りをしている設定にして欲しいです(願望)。奥さんが死んだ後どうするねんっていう妄想が(せんでよろしい)。サゲは絶交したように見えたので、仲の良さをうかがえるところまで私の脳内は追いつきませんでした。orz これから、オススメの六代目の「一人酒盛り」聴かせてもらいます。天邪鬼というのは、世間に対してなので、友達に対しては私ユルユルですよ(笑)。

一人酒盛り

六代目松鶴の一人酒盛りを始めて聞いた時は衝撃的でした。(S42年角座)
由瓶さんの一人酒盛りも最近2回聞いています。(由瓶・かい枝二人会と由瓶のさくら寄席)話の内容は枝雀型やなくて、さすがに松鶴型ですね。
このあたりは、話をすれば、長くなりますので、またの機会に。

六代目松鶴

もずさんは、六代目の生の高座を聴いているので、本当に羨ましく思います。衝撃的という内容、是非またの機会に教えて下さいね。一人酒盛りは、松鶴型と枝雀型の二通りあるとは驚きました。六代目松鶴のお弟子さんは、何故か崇徳院で「松鶴型」をしない傾向があります。でも「一人酒盛り」は、そうじゃなさそうですね。紅雀さんも「一人酒盛り」をする時が来るのでしょうか? 想像するだけでワクワクします(^-^)。貴重なコメント、本当に有難うございました。
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
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