get's 待っツ 動楽亭

2010年10月22日(日)

桂 吉弥  「桃太郎」
桂 紅雀  「いらち俥」
桂 佐ん吉 「幽霊辻」
~中入り(フリートーク)~
桂 ひろば 「禁酒番屋」
桂 吉の丞 「肝つぶし」


吉の丞さんの「肝つぶし」が凄かったです。
将来、国宝になるのではないかと思ったほどです。
 下記は過去の日記から抜粋したもの。
2010/10/23 (Sat.) 13:27:42

 月末にちなんで付けられたこの寄席名も、ついに月末に開催しない事になりました。理由は、月末に全員そろうのは、スケジュール的に難しいからだそうです。今までは誰かが欠けても会を開いていたのですが、お客さんが減ってきて、方向転換したようですね。これからは、必ず全員メンバーがそろう寄席になるでしょう。寄席名も変えた方がいいように思いますが…。


桂 吉弥さん「桃太郎」
 その日、学校での落語会があったような事を仰っていたのですが、お疲れだったのでしょうか。「落語ブーム」とか「ちりとてちん」というお決まりのキーワードを出してしまうのは、そうとしか考えられません。こごろうさんも、子ども向けの落語会の後に「べにこご」をした時、大分お疲れのようでしたし、何かしら精神的に疲れるお仕事なのでしょう。こんなに調子の悪い吉弥さんを見たのは初めてです。笑いどころが当たらない、上手くヒットしないのです。笑っている人もいましたが、私は「どうしたの?」という気持ちでした。前座は笑いを取ったらダメだという暗黙のルールがあるのでしょうか…。今まで前座で面白かったのは、本当に数えるくらいです。若手ならコンパクトに笑いをまとめる作業は大変だと思いますが、そうでないのなら、もう少し頑張って欲しいなあと思います。


桂 紅雀さん「いらち俥」
 「禁酒関所」の前によく使っているマクラを話し始めたので、その噺が始まると思いましたが、違いました。紅雀さんのマクラの引き出しは、非常に少ないです。もう少し増やして欲しいです。噺の時代設定の説明なども余り聞いたことがありません。私は、電車と人力車が同時に存在しているのは、少しファンタジーだと思うのですが、どうやら明治から大正にかけて人力車が流行った時代があるようです。それでも初めて聴く紅雀さんの「いらち俥」。聞き始めたときは凄く嬉しかったのですが、どうも、本調子じゃなかったようで。久しぶりに出したネタで全然ダメだったとフリートークで仰っていましたが、本当にそれがよく分かる内容でした。コミカルな動きは面白かったのですが、上手く話の中に入っていけません。心臓を患っている俥屋が、病人ではなく非力な人に見えた事、寅さんも「いらち」の人には見えなかったです。紅雀さんは、ある特定のネタを集中して高座にかける事が多いですが、その他の得意ネタの感触を忘れるところまでしてしまうのは、いかがなものかと思います。


桂 佐ん吉さん「幽霊辻」
 ジャンル的に言えば新作落語ですが、そんなに新しい雰囲気の落語ではないです。どこか民話を思わせる古い匂いのする噺です。茶店のおばあさんに、怖い話を聞かされた主人公が、命からがら用事のある村を目指すのですが…。佐ん吉さんが「幽霊辻」を語るという話は耳にしていなかったので、大変意表を突かれた気がしましたが、随分と、話し込んでいる(あるいは練習している)のか、話の進め方によどみがありません。自然と、話の世界に入ってしまいます。物足りなかったのは、夜の暗さが少し想像しづらかった事と、最後に出てきた女の人、もう少し怖げに喋って欲しかったです。とは言え、大変意欲的なネタで、それ相応の聞き応えがあったことは彼の実力がものを言ったのだと思います。先輩方、彼の姿勢を見習ってください…と言いたくなるくらいの内容でした。


中入り(フリートーク)
 佐ん吉さんの話に皆、聞き入っていたのか、佐ん吉さん・ひろばさん以外の人たちは、帯を締めながら高座に集まってきました。一度話をし終えると、普段着に着替えるのでしょうか。紅雀さん、一番帯を引き摺っての登場です。吉弥さんが、佐ん吉さんのことを凄く褒めていました。枝雀さんの「型」と少し違って、佐ん吉さんなりの工夫があったと紅雀さんは指摘。

 ひろばさん、満天の星空のような柄の着物、今日初めておろしたそうです。「お前、普段でもええもん着てるよな」と吉弥さん。吉弥さんも紅雀さんも、お父さん勢は服にうといようでした。最近の若い噺家は貧乏じゃなくて、いい服を着ていると吉弥さん。年収が2千万あると冗談交じりに。

 こだわりの話になって、吉の丞さんがラーメンの本を出したのは、凄いと皆は言います。ああやって活字になると真実味が増すと紅雀さん(吉の丞さんからラーメンの話は一度も聞いたことがないそうです^^;)。でも、吉弥さんは「あるよ」、と。ラーメン本の依頼は最初、吉弥さんに来ていたのですが、エースコックのラーメンが一番好きな吉弥さん、他のラーメンについて書けないから、吉の丞さんに仕事をふったのだそうです。

 「競馬とか、サッカーの本なら出せるのとちゃうか」と吉弥さんは紅雀さんに言います。「無理無理。ほんまに勉強している人にかないませんよ、あんな片手まで本読んでも」。「競馬って勉強したら当たるもんか?」と吉弥さん。「当たりませんね」と紅雀さん。何でも、個々の馬の調子は分かっても、どの馬が勝つのかはやっぱり分からないのだとか。「そしたら、その勉強、まるで無駄じゃないですか」と、ひろばさん。その頭を後ろからはたく吉弥さん(笑)。「やっぱり、馬が走るとこが好きな人には堪らんねん。栗毛の馬が夕映えの競馬場でコーナーを走る場面とか、ビャ~っと馬体が夕映えに染まってなあ…」と、感極まった顔になる紅雀さん。「あほ、もうちょっと落語の勉強せい」と吉弥さん。
 
 佐ん吉さんは阪神(野球のチーム)が好きだという話に。「大阪の人は何で阪神が好きなん?」と滋賀県出身の紅雀さん。「日本に生まれて、日本が好きかと聞かれているのと一緒です」と佐ん吉さん。小さい頃からの刷り込みだと。今の阪神は余り好きじゃない、昔の巨人みたいなことをやっているから。でも、阪神の格好しているから、応援するしかない、と。(この気持ち、紅雀さんには分からんやろなあ)。


桂 ひろばさん「禁酒関所」
 この間の「崇徳院」が早口で、頭に入ってこなかった思い出があり、つい恨みがちにひろばさんを見てしまいます。ところが、今回はマクラから面白く、後の吉の丞さんのハードルを上げるところは、流石芸人さんやなあと、感心してしまいました。今回の「禁酒関所」は良かったです。緩急の付け方(ゆっくり喋る所と急いで喋る所)が、完全に私の好みではなかったものの、「聞かせどころを作ろう」としている姿勢が頼もしく思えました。お侍の口調が特に威厳があって良かったですね。ひろばさんは、年長者の声色が上手いように思います。あと何回か高座にかけたら、動きの固く見えた部分も抜けてくるのではないでしょうか。お侍が徐々に酔っていく場面は、もう少し丁寧に描いて欲しかったかな。急に酔っ払った感じがしたので…。


桂 吉の丞さん「肝つぶし」
 はっきり言わせてもらいます、吉の丞さんはバケモノです。8年目でこんなに面白いなんて、ありえません。ざこばさんを髣髴させるくらいの名人芸でした。恐ろしい子!(byガラスの仮面)。初めて聴いた話だから、余計に噺にのめり込めたのかもしれません。でも、私はこれから、誰のどんな「肝つぶし」を聴いても、吉の丞さんのものと比べるでしょう。前半は、恋わずらいをしている弟分と、彼を見舞いに来た兄貴分の会話です。これが面白い。弟分の惚れた相手がどんな女なのか、興味津々の兄貴分。頷く言葉に力が入ります。後半は一転して、しんみりとした話に。前半後半のコントラストが鮮やかです。弟分を助けるには、珍しい刻の生まれである妹の生き胆が必要だと知った兄貴分、さてどうするか。最後はどうなるかとめっちゃドキドキしました。一見ハッピーエンドと思いきや、あと3日持たないと言われていた弟分は、どうなっちゃうのでしょうね。嘘でもいいから、助かったという話を付け加えて欲しいです…。

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