第6回 紅雀の

2012年12月17日(月)なんば・ワッハ上方

桂 弥太郎 「狸賽」
桂 紅雀  「色事根問」(ネタおろし)…劇画バージョン?
桂 佐ん吉 「おごろもち盗人」
桂 紅雀  「宿屋仇」…米左さんがやりそうなくすぐりを二つ発見!


もしも、紅雀さんが米左さんにお稽古を付けてもらっていたら、
嬉しすぎて逆立ちしそうだけど、本当のところどうなんだろう。



この日は、お肌の調子が悪くて、ノーメイクで出勤。
もちろん落語会もです。
紅雀さんは、コンタクトを付けずに高座に上がってるから、
きっと大丈夫!(何が)

と、思ったら、会が終わった後、
何と、お見送りに眼鏡をかけて出て来てました。
今日という日ほど、紅雀さんの眼鏡を念力で割ってしまいたいと
思ったことは無かったです。


※ここから追記

 開場ギリギリ前に会場へ到着すると、
思ったほど、人が並んでいません。
久しぶりにお会いした「らー」さんは、
「もうちょっと人増えへんかなあ」と、
心配しておりましたが、
何と、開演直前くらいから、お客さんが増え始めて、
どうなることかと思った客数が、そこそこええ按配になりました。


 開口一番は、弥太郎さん。
マクラはほんの少しだけ。
「人間の欲の中で、代表的なものが、さんだら煩悩と言いますが、
呑む(お酒を呑む)、打つ(博打を打つ)、買う(女性を買う)で、
僕も賭け事は好きな方です。まあ何百万もすってしまう紅雀兄さん
ほどじゃありませんが…」
(;@o@;)なんびゃくまん?!
マクラは誇張が入っている…そう信じたいです。
賭け事つながりで、「狸賽(たぬさい)」を。
 子狸の表情や、男との話のやり取りが良かったです。
彼のこのネタを初めて見た時は、何故、子狸の手がグーじゃないのか、気になったのですが、
最近は気になりません。子狸の表情さえ良ければ、どうでも良い事柄だと
思うようになりました。ちゃんと目線は上ですしね。
 子狸が初めて男の前で化けた時、
「ほうら、化けよった」
って言ったのですが、これだと男がはじめから子狸が変身できることを
前もって見聞きしていたような口調だと思います。
初めて、変化(へんげ)する瞬間を目の当たりにしたのなら、
「うわあ、化けよった」、じゃないのかなあ。どうなんでしょ。
 「良かった、三で」という、台詞は吉弥さんも
使ってるのかな。一瞬オーバーラップしましたが、弥太郎さんが使っても
しっくりくるような、くすぐりだと思いました。
 後半の盛り上がりが、もう一つ欲しいところなんですが、
狸賽の後半って、くすぐりらしい、くすぐりが無い気がします。
多分、男が有頂天になっている様や、驚く他の博打打ちを描くことで、
盛り上げていくんじゃないのかな。これって前座さんには難しい所だと
思うのですが、クリア出来るハードルだと思っています。


お次は、会の主役・紅雀さん。
マクラは、もっぱら話している喫茶店の話を(笑)。
喫茶店の名前を出すだけで、お客さん、くすくす笑ってる。
「まだ聞いた事が無い人のために、話します」と。
聴くたびに、ちょっとずつ言い方などが変わっているので、
飽きたりはしません。店員さんとのやり取りは、
いつもハラハラしながら聞いています。
 「宿屋仇」のマクラと混同しているのかもしれませんが、
紅雀さん、「皆さん年の瀬でストレスが溜まってませんか?
一緒に僕と叫んで、発散しましょう」
と、言い出しました。紅雀さん自身も色々溜まっているそうです。
お客さん全員で「あ~!」と叫びました。
声が足らないと言われてもう一度「あ~!!」と言いました。
とある噺家さんに、拍手を強要されて以来、こういうのって、
心から憎んでいたのですが、この日ほど、紅雀さんのファンで良かったと
思った日はありません。でなかったら、心の中で張り倒しています。
 ネタおろしは「色事根問」。
「子ほめ(劇画バージョン)」と同じ感じで、
ボケとツッコミがどちらも渋~い表情をしています。
お客さんが心の中(もしくは笑い声)で突っ込む感じ。
 噺の構成は、雀太さんのものとだいぶ違いました。
ほたる踊りとか無かったです。割と短くした印象を受けました。
下駄の履き替えや、夜中におしっこ行くくだりはありましたが。
そうそう、お金を幾ら貯めているのか、それを言う場面がありませんでした。
一番笑ったのが、主人公の顔の酷さを兄貴分が言うところ。
古典テキストだと、ぼたもちが落ちて、それを踏んだような顔(?)とか、
そういう事を言っていると思うのですが、紅雀さんが演じた兄貴分は、
「●●(失念・自殺の名所か?)に、お前の顔写真を立てておきたいくらい」
と、言っていました。ネタおろししたばかりなので、詳しくは書きませんが、
それほど顔が酷く醜い、ということではなくて、
面白い顔をしているといった表現をされていました。


お次は、ゲストの佐ん吉さん。
マクラで、紅雀さんの素顔?をちらりとばらします。
楽屋でネガティブな発言をするとか、そんな感じの事を言っていました。
自分の出番の後、やりにくくてゴメン、とか(笑)。
「全然やりにくいこと、ないんですけどね」と、佐ん吉さん。
でも、声は何となく緊張気味? get's 待っツの会でも、こんな感じだったかな。
「紅雀兄さんの会なので、泥棒ネタをします」
という一言に、お客さん大笑い。泥棒ネタが多いということを、
こんなに知っている人がいたんですね。
 ネタは「おごろもち盗人」。
だいぶ前、ラジオで、このネタを神社でされたような、
そんな話を聞いたことがあります。その時はネタおろしだったのかな。
それを聴いた時は、面白そうだなあと思った記憶があります。
ゲストで出すくらいですから、得意ネタにまで育てたのでしょう。
 でも、この日はちょっと調子が悪そう? かなと思いました。
「嬶(かか)」とか、古い大阪弁が板に付いていない感じがして、
最近、新作や時代が新しい古典ものを手がけていたのかなと、
思いました。パーツは良いけど、上手く繋がっていない感じ。
私は、彼の落語で何度も感動したことがあるので、これは本領ではないなと
思いました。
 つい、南天さんの「おごろもち盗人」と比べてしまったのですが、
夫婦が寝静まった瞬間、南天さんだと、家の灯りが、ふっと暗くなる、
そういった想像が出来てしまうほどなんです。佐ん吉さんも、是非、
家の灯りを暗くしてもらいないなあと思いました。それくらい奥行きのある
落語が出来る人です。
 「オレは炬燵か」という、奥さんに対するツッコミが、
めっちゃツボでした。これは南天さん、言ってない? どうでしょ。
 

最後は、もう一度、紅雀さん。
マクラは、喫茶店の話を前もって知っていた人のために
用意していた話だそうです。
地下鉄で、女性の履いていたピンヒールに励まされた話をされていました。
(めっちゃシュールや)
何となく、今、悩みを抱えているのでしょうか。
芸に関する悩みなら、高座でぶつけて解決するしかないですし、
芸以外の悩みだって、私がどうにかできる話ではありません。
私が紅雀さんに出来ることって、たぶん、落語を見に行くくらいじゃないのかな。
手紙を出しても、見当違いなこと書いてるし(そしてイラストで誤魔化す)。
 チラシにネタ出しされていたのは「宿屋仇」。
これは大ネタですから、ネタおろしは中ネタくらいの長さかなと思っていました。
(次回は「かぜうどん」がネタ出しされています。ネタおろしは、さてはて)
 冒頭で、兵庫の若い三人組が、勢いよく宿屋にやって来ます。
ちょっとガラが悪いので(そこが面白くもあるのですが)、意外と難しい場面(だと思う)。
初めて紅雀さんの「宿屋仇」を見た時は、上手くこなしてるけど、三人組の勢いといい、
ガラの悪さの程よさといい、到底、米左さんには及ばないと思いました。
私の中の米左さんの「宿屋仇」は、既に、聖域レベルになっています。
いつか私の中で超える日が来るのか、もう来ないんじゃないかと思ってました。
 この日見た、三人組の様子は、その領域にぐっと近づいてきていて、
かなり、ときめきました。後方から、馬が追い上げてきた感じです。
 以前は、三人組が三味線も聞いた事が無い男たちだと言っていましたが、
今回は、言わなくなっていて、ほっとしました。普通に無粋な連中になってましたね。
 お侍が、隣の三味線の音に、思わず踊り出すくすぐりがありました。
これって、米左さんがやっていた所です。紅雀さんは、以前入れてなかったんじゃないのかな。
一瞬だけの演出ですが、もの凄くときめきました(ときめき多いなあ)
 宿屋の若い衆・伊八が「ヒッヒッヒ」って笑うところとかも、米左さんっぽい?
米朝さんの本だと、侍が一瞬踊るくだりが書かれていませんし、
伊八の笑い声は「へっへっ」です(細かすぎる…)。
 それから、課題かなあと思っていた、源やんの噺前半の存在の薄さ(失礼!)。
今回は、存在感が増していて、嬉しく思いました。
 惜しいなあと思ったのは、奥方の告白が、最後声が小さくて聴こえづらかったこと。
あと、お侍も最後あたり聞き取りづらい箇所が一つありました。
 これはご愛嬌だと思いますが、見台にもたれて源やん?が話をしている時に、
着物の袖が引っかかって少しやぶけてしまいました(笑)。大丈夫?大丈夫?
って聞いてるお客さんも居たし(大丈夫じゃないよ)、プチハプニングです。
思えば、銀瓶さんの会で「宿屋仇」を出した時も、着物のお尻の部分が破けたし、
師匠の枝雀さんに至っては見台を壊しています。破壊から免れないネタなのでしょうか。
 全体的には、とても良い内容だったと思うのですが、
二つのマクラからにじみ出る閉塞感に、私が感化されたのか、
「宿屋仇」そのものも、頭打ちの印象が残りました。
欲を言えば、ここまで良いものを出せるなら、突き抜けた感じが最後に欲しいです。
 侍は、演じる機会が少ない所為か、まだ米左さんには、
かなり後れを取ってます。紅雀さんは喉で侍を演じてるけど、
米左さんは気管から侍になってる感じ。侍が堅物で融通の利かない人物であればあるほど、
三味線の音に反応してしまうくすぐりや、最後の騙しに、
(こういうお茶目なことをする侍だったのか)と、お客さんは驚くと思うので、
そこは、もうちょっと伸ばしてもらいたいです。

※2012年12月23日(日)に感想を書き終えました。

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色事根問?

「色事根問」がネタおろしなんですか?
それとも「劇画バージョン」がネタおろし?
「稽古屋」の後半を端折ったバージョンですよね。
確かに、紅雀さんの「稽古屋」は聴いたことないけど。
なんで「稽古屋」じゃなくて「色事根問」なんでしょう???

とはいいつつ『面白そうで羨ましいな』と僻みも入りつつであります。

個人的には「宿屋仇」を聴きたかったんですけれど。
この噺はmyfavoriteなんです。
今まで一番のお気に入りは、なんと「たま」。
この噺で出会ったので忘れられません。

ピーマさんへ

こんばんは。
たぶん「色事根問」そのものが、ネタおろしだと思います。
雀太さんで聞いた内容と、けっこう違いました。
もっと短くした感じです。
主人公の顔の悪さは、紅雀さんなりの表現をしてて、面白かったですよ。

「宿屋仇」は、将来独演会で出せそうな勢いです。
機会があれば、たまさんのものと聴き比べしたいですね。
紅雀さんとたまさんは、何故二人会をしてくれないのでしょうか。
それが叶うなら感涙しそうな人を少なくとも三人知っています。

某喫茶店について

実は、13日の米紫・紅雀二人会の日
予定より早く着いてしまったので喫茶店で時間を潰していたのです。
そうなると、紅雀さんのマクラに出てきた、キ...おっと某喫茶店に行かねば。
なんばウォークの日本橋側のお店に入ると、そこはセルフ形式でホットが250円。
あらっ!なんでこんな安いの?とレシート握りしめてZAZAに向かったのですが
ユニや黒べえさんの一件もあり、お見せするのをすっかり忘れていました。
あとで確かめに行ったのですが、紅雀さんの言っていた「クジラパーク」ではなく
「ウォーターパーク」のところに、「K某cafe dining」なる店を発見。
なんと、ホットが450円となっていました。もしかしたらここのことかな?
同じK某グループでもかなりの高級店のようです。
次行く時は、ぜひ日本橋側のセルフの店に行くようにおすすめください。
今時珍しく、タバコ吸い放題の紅雀さんには持ってこいのお店です。

ピーマさんへ

こんばんは。
紅雀さんのマクラに対し、
裏づけ調査?してくれて有難うございます。
Kと言わず、キーフェルで良いと思いますよ(笑)。
ブログコメントは、今のところ、検索に引っかからないようです。
高いだの何だの言って、結局宣伝になってるから可笑しいですね。
ラスクや神戸屋パンの差し入れもあったそうですし。
“おすすめください”って、え~~?!(@_@;)
ろくに口が利けないから、お手紙書いているのに…。
 それにしても、紅雀さんが煙草を止める日は、
地球最後の日なのでしょうか。
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
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