マン咲

2012年10月29日(月) 日本橋 上方ビル(徳徳亭)

桂 鞠輔  「花色木綿」
桂 咲之輔 「厩火事」
(マクラで、紅雀さんを呼んだ理由を。
九雀さんに「似ている」と言われたらしい)
桂 紅雀  「向う付け」
(パワーアップしていた…!
喜六の奇妙な動きがツボでした)

【トーク】
~咲之輔さんが紅雀さんに質問~
①どうやってお稽古してますか?
②上方落語協会には入らないんですか?
③マイブームは何ですか? A.料理

桂 咲之輔 「桃太郎」



この日は、晩御飯を日本橋の「やよい軒」で
食べました。
徳徳亭からは少し距離はありますが、
安くて美味しくて、お替り自由なので、
お腹いっぱい食べることが出来ます。^^
(※丼もののご飯はお替り禁止だったような?)


この日は、お替りせずに、
千日前・上方ビルの徳徳亭へ。
会場前に並べられた、待合室がわりの
パイプ椅子には、若い女の子が一人。
まだ開場していないのかなと、
思ったら、りらっくごと同じように、
開演時間を勘違いしていました・・・orz

べにてん→りらっくご→マン咲
全て勘違いしています…。
そろそろボケて来たのでしょうか。


若い女の子と少しだけお話しましたが、
平成19年入門組の噺家さんがお好きということで、
次代を担う若手にも、もうファンが付いているのだと
思うと嬉しくなりました。


お隣に座った男性は、どうも常連さんっぽくて、
予約をすると、千社札を貰える仕組みはまだ残っていますか?
と尋ねると、まだ残っている、とのことでした。
予約当日共に同じ料金ですが、
ここのところ、あなどれません。
私は、未予約でした。^^;


やっと開場時間になると、
お客さんの和気藹々とした雰囲気に、へえ~と思いました。
私は第一回目だけ来ていたのですが、
その時よりも、お客さん同士、仲良くなっているように感じました。
客数そのものも増えているようで、何よりです。


開口一番は、お久しぶりの鞠輔さん。
お着物が可愛い! 思わず釘付けになります。
ネタは「花色木綿」。
紅雀さんの型とは大分違っていて、吃驚しました。
粗筋は同じですが、台詞がかなり違います。
勝手な想像ですが、鞠輔さんは師匠の米輔さんから習い、
紅雀さんは、別の一門の方に習ったのではと思いました。
・泥棒が家に入ったとき、
「用心が悪い」と戸を閉めない。これはした方が良いと思います。
開けっ放しで盗みをするのはどうなのかな。
・盗まれた物を主人公が言うくだりは、
自然な流れに感じました。盗られた物の繋がりがあったような。
(紅雀さんは、けっこうバラバラ。でも思いつきで嘘を言っている
感じがして、それはそれで良いのかも)
・家主は、主人公の言葉を訂正するなど、相手を諭すような言い方。
紅雀さんほどツッコミが激しくない。頷く回数が多く、従順な感じがして、
やや物足らなく感じた。これは盗まれた物に繋がりがあり、
不自然さを家主が余り感じていないから、なのかもしれない。
・長屋の「松っちゃん」という人物が登場する。
紅雀さんの場合、出てこない。喧嘩っ早い人物で、やもめの家に
盗人が入ったらしいという噂を聞いて、「ぼこぼこにしてやる」
というようなことを言う。(紅雀さんは主人公の台詞になっている)
・松っちゃんの台詞が、サゲの複線になっていて、
泥棒が表に飛び出す(!)(紅雀さんは飛び出さない)。
松っちゃんに詰め寄り、「やってみろ」と言う。
しり込みする松っちゃん。サゲの台詞に繋がる。
・鞠輔さんの、前髪をかき上げる仕草が気になった。
以前、見たときは、そんなにかき上げて居なかった様に思う。
男性を演じるのだから、余計な所作は入れない方が良い。
・・・とアンケートに書けば良かった。反省(--;)
・以前よりも、米輔さんの口調に似てきた。
台詞を引くような呼吸で話す。大きな声が出ないので少し
聞き取りにくい。米輔さんは、落語の台詞の流れを会得していて、
聞き取りづらい箇所も、客が脳内で勝手に補えるくらいに
なっている。鞠輔さんは、そこまでのキャリアが無い。
せっかく良い喉を持っている(ように見える)ので、
もっと、のびのびと話したら良いのになあと思った。
メモ:
鞠輔さんが、落語中に扇子をお客さんの足元まで
落としてしまった。お客さんは素早く拾って、見台に
戻してあげていた。何と言う機敏さだろう。


お次は、会の主役の咲之輔さん。
お客さんと、随分打ち解けているように見えました。
ご自身の勉強会を毎月続け来た甲斐あったようですね。
マクラは、けっこう長くて、後から出てきた紅雀さんに、
「行き当たりばったりで思いついたまま長く話すところも似ている」
というような事を、言われていました。
 覚えているのは、尼崎のお笑い大賞(正確なタイトル失念)の
落語部門で、準優勝を取ったこと。
くじ引きで「トリ」の順番を引いて、「七段目」もけっこう受けた。
優勝できると思っていたので、
微妙なインタビューを言ってしまったと言っていました。
ちなみに、優勝者は優々さんの「動物園」だそうです。お目出度うございます^^
漫才の準優勝者名は、新聞に載ったのに、落語は無かったと、
残念そうでした(特に、それを咲之輔さんに教えたお客さんが)。
 それから、その大会の日が台風の日で、鳴り物を運ぶのが
大変だったこと。スーパーか何かに避難したとか言っていました。
(後はネットに書いてはいけないと言われたので秘密です^^)
 それから、奥さんと夫婦喧嘩をした話を。
これが、厩火事に繋がるマクラだったんですね。
奥さんは光ゲンジのどなたかのファンだと言っていたので、
ひょっとして年上の奥さんなのかなあと思いました(想像)。
 さて、ネタおろしの「厩火事」は、
お上さんがとても可愛かったです。
仲人をしてくれた「兄さん」に、相談しに行った帰り道、
腕を胸元で交差させて歩く姿がなんとも言えませんでした。
不安そうな顔というか、咲之輔さんが無心で歩いているように見え、
それがお上さんと上手くオーバーラップしたのでしょうね。
三歩ほどで(多分)お家に着いたので(つまり歩き終わった)、
もう二歩ほど歩いて欲しかったなあと思いました(細かい)。
 テキストそのものは、紅雀さんと台詞がけっこう違っていて、
楽しめました。紅雀さんのは、台本がきちんとある感じ。
これは米朝一門の特徴なのでしょうか。咲之輔さんは、どなたに
教わったのか分かりませんが、かなり自然に近い口調で、
口語調が強いというのか、速記化しても、読み物としては
通じにくいように思いました。(本当は、それが落語の醍醐味
でもあるように思います)(米朝さんは物書きの一面があるので、
台本がしっかりしているんですね。故に汎用性が効くというか)。
 旦那さんは、紅雀さんほど怖さを感じませんでした。
遊び人というかヒモっぽさが出ていたように思います。
 咲之輔さん、今はまだ、習った通りにやっている部分が
多く感じました。単に台詞が演者の板についていないだけで、
それは、おいおい、高座数を重ねる内、すり合わせる作業によって、
滑らかになっていくのではと思います。
 習いたてホヤホヤで、凄くネタおろしっぽかったように思います。
もう少しお家でもお稽古して欲しかったなあと思いましたが、
ネタおろしならでは、という面白い感触も得ました。
ネタおろしは、演者さんがしっかりお稽古できている部分と、
そうでない部分が、出てきやすくて、お稽古できていない部分は、
今まで培った経験や、天性の感でカバーすることが非常に多いように
思います。それは「埋め木」部分だと思うのですが、そこに、
噺家さんの個性がはっきりと(時には欠点もですが)見えてくる。
そこが面白いと思います。咲之輔さんは天真爛漫な感じがして
良かったですね。マクラもそう感じましたが。
 紅雀さんは、多分、ネタおろしはしっかりとお稽古してから
臨むタイプで、埋め木部分があまり見えてきません。
これ、前もって狙ってたな、と思うくすぐりもあり、偉いねと
思う反面、本性が見えづらいので何ともかんともです。
彼の埋め木部分は、ネタおろしではなく、久々に出したネタの
虫干し作業で、見つけることが出来るので、それはそれで良いなと思います。
 それにしても、咲之輔さん、一ヶ月に一つ、
ネタおろしをして来たのでしょうか。ネタおろしの会とは
思っていなかったので、吃驚しました。


お次は、ゲストの紅雀さん。^^
咲之輔さんに会ったのは、繁昌亭で二回ほどだったそうです。
登録していない番号から電話があったので、驚いたと言っていました。
(凄く丁寧な電話だったそうです)。
マクラは、えーと、ど忘れしました。
凄くけちんぼうな話をしていたように思うのですが…。
嵐のビールのCMとか、テレビについて、色々と言ってましたね。
傘の話は、トーク中に披露してました(笑)。
脱線しますが、傘の話、咲之輔さんが率先して笑っていて、
そこまで気を遣わなくていいのになと思いました。
ゲストに優しすぎる咲之輔さんに涙が出ます。
 ネタは「花色木綿」を鞠輔さんに取られちゃったので、
「向う付け」を。久々に聴きました。
最前列で見たので、凄い迫力に驚きました。
他の演者さんよりも、腰が引けて見ていたように思います。
 全体的に、凄く良い感じでした。^^
虫干しって感じはしなかったのですが、
主人公が、お上さんから「あんた字ィ書く係りになったんやで!」
(※うろ覚えの台詞です)と言われて、
無筆の主人公が、「ええ?! 字ィ書くの?」
と、飛び上がって、驚いていました。
その飛び上がるリアクションが凄かったです。
飛び上がりすぎるというか(笑)。
三回ぐらい跳ねてましたね。何だか人間の動きに見えませんでした。
早すぎて、ちょっと虫っぽかったです。
メモ:
・主人公の名前を初めて聞いた気がする。
「喜ィさん」と、ごりょんさんから言われていた。
・鼻水をぬぐうくすぐりの複線として、
主人公が、時々鼻をこすっていた。恐るべき進化です。
・「向う付け」は、これ以上発展の見込みは無いと
勝手に思っていたが、まだまだ進歩しそう。
・帳場の特別ゲストは「キムタク」だった。
もっと笑いが欲しかった。でも誰だったら良かったんだろう。


【トーク】
咲之輔さん、九雀さんをかなり慕っているようでした。
「お公家女房」のお稽古を付けてもらったのが、
きっかけだったのでしょうか。この分だと、九雀さんの持ちネタを、
咲之輔さんがまだまだ貰いに行きそうな予感がします。(幽霊の辻とか)
九雀さんは、紅雀さんをお稽古した経験があるらしく、
(私のうろ覚えの記憶だと「孝行糖」)
咲之輔さんに「似ている」と言ったそうです。どういう風に
似ているのかなと思ってゲストに呼んだ、とのこと。

~咲之輔さんが紅雀さんに質問~
紅雀さん、「向う付け」が終わったばかりですが再登場。
咲之輔さんは、舞台から向かって右手で、紅雀さんは左手に。
おもむろにクリップ?(スケッチブック)を取り出す咲之輔さん。
「紅雀兄さん」の「兄」という字がやばすぎて(四角に足が生えていた)
隣の女の子が大笑いしてました。

①どうやってお稽古してますか?
A.じっとしてお稽古できない。(咲之輔さんも同じとのこと)。
人に見られなくないので、深夜のコンビニの駐車場などで
しているとのこと。枝雀さんは昼間でも平気な人っぽかったので、
お外でお稽古をするのは一緒だけども、そこだけ違うなあと
思いました。
②上方落語協会には入らないんですか?
A.弟子入りした時、既に(枝雀)師匠は脱退していたので、
他の噺家さんと違って、再入会するとは言えない。
入るとなると、新たに入会する形になるが、その気は無いとの事。
しかし、他の若手の噺家は、入会した方が良い、と言っていた。
繁昌亭で落語が出来るから。(紅雀さんは別に良いのかな)。
結局、何故入らないのか、紅雀さんは説明したかもしれないけれど、
私はよく分かりませんでした。
 勝手な想像ですが、これ以上しがらみを増やしたくないのかも。
私は、入らなくても良いと思います。
そっちの方が、レア度が高くなるし、噺家全員が、
同じ組織に入るのは、ちょっと気持ちが悪い。
 
③マイブームは何ですか? 
A.料理。
話を聞いていると、どうも結婚してから、割と作るように
なったっぽい。(結婚前は不明)。
献立を考えるのが大変だと言っていました。
(ここで、咲之輔さんが「献立って!」とツッコミ^^)
「今の季節だったら、筑前煮とか…」
(またもや、咲之輔さんが「筑前煮!」とツッコミ。
ちょっと「口入屋」の女子衆さんに対するごりょんさんのツッコミに
似ていて可笑しかったです。(こうもり傘!とか、ほら貝!とか言う所)
 中華料理にビールを添えて、
今のタイミングだ! と料理を出したら、奥さんが
別の用事をしに行ったとか、面白かったです。


話は前後しますが、咲之輔さんが、
ネタをきちんと覚えられない、と嘆くと、
それで、ええんちゃうかと、紅雀さん。
一言一句覚えないと落語を出来ない噺家もいるし、
覚えなくても、ちゃんと噺が出来るという証
ではないかと。ナルホド。
(問題は、ネタのあやふやな部分を、
お客さんに悟られないように出来るかどうかですね)
(ベテランさんの誤魔化し方の上手いことと言ったら!
誤魔化されたことすら、気付けないくらいです)


中入り無しで、
咲之輔さん「桃太郎」を。
お客さんもちょっとお疲れ気味のように感じました。
マクラは勿論長く無かったですよ。
でも、子どもに関するマクラは言ってたかも?(うろ覚え…)
 主役の男の子が、ちょっと子どもらしくなかったですね。
父親と子どもの会話をするには、ちょっと年が若すぎるのかも。
(ひろばさんは、ご隠居さんの声が上手いので吃驚します)。
 後半は、ややノッてきたかな。
米輔さんや歌之助さんの「桃太郎」とは、細部は違いますが、
大よそは一緒だなあと思いました。
 落語の「桃太郎」は、子どもが余りに口達者なので、
父親が「噺家にした方が良い」と言うくすぐりがあります。
咲之輔さん、やや進化させた形で、
母親に「噺家は数が多いので、●●にさせた方が良い」
と、言わせていました。
噺家は、きっと、紅雀さんの世代から飛躍的に増えたように
思うのですけれども、彼らは上の世代の師匠のお稽古を
受けているので、こういう新たなくすぐりは、
言いづらい感じがします。このくすぐりは、
咲之輔さんの世代か、あるいはちょっぴり先輩の世代で、
生まれたように思います。
新しい感覚がして、面白いと思いました。
かなりウケてましたよ。でも徳徳亭という場所だからこそ、
だったのかも。



こんな下まで、落語レポを読むのは、
余程のつわものだと思うのですが、
一応、咲之輔さんの会のゲスト予定を。
段々、ビックになってきて、凄いです。

2012年
11月26日(月) 桂 春雨
12月27日(月) 露の団姫
(年末スペシャル)豊来家 大治朗

2013年
1月28日(月) 笑福亭 生喬
2月25日(月) 桂 九雀
3月25日(月) 桂 春之輔
(最終回)

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