紅雀のきらめき落語会

2012年10月20日(土)大阪狭山市・SAYAKAホール

桂 優々  「動物園」
桂 まん我 「紙入れ」
桂 紅雀  「まんじゅう怖い」


マクラも噺もたっぷり語ってくれました。
(ToT)<嬉しい…



この日は、もずさんとにこさんと待ち合わせて落語会へ。
メールの文末に「狭山でお会いしましょう」と書いたばかりに、
にこさんが狭山駅で降りてしまうという不幸を招いてしまいました(汗)。
(>_<)すみません
ちゃんと「大阪狭山市駅でお会いしましょう」と
書くべきでしたね。
実のところ、この駅は、狭山遊園前という前の駅名の方が印象が強く、
私も、はっきりと新しい駅名を覚えていなかったのです。
(言い訳ですが…^^;)


駅前で、にこさんと合流すると、何と、優々さんが前を横切りました。
私服姿の背の高い若い男の子でした。(感想が普通すぎる)
もずさんに道を教えられながら、SAYAKAホールへ。
道中、おしゃべりに夢中になり、信号機の無い横断歩道の前で
ずっと話し込んでいました(笑)。

SAYAKAホール内のレストランで、ランチ。
空いていて、ゆっくり食べることが出来ました。^^
話の途中、「生喬」さん、という読み方が突然忘れて出てこず、
「ほら、あの、生きるという字に橋の右側の字の人…」
と言ってしまいました。
私は本当に大阪に住んでいるのでしょうか…。
 にこさんによると、生喬さんは着物雑誌に載っていたことがあり、
落語を知る前から、彼をご存知だったとのこと。
私服姿の生喬さんのことを、私ともずさんが話すと、
想像できないと仰っていました。

ランチ中に話したことで、はっきりと覚えているのはこれくらい。自分の好きな噺家さんについて力説するようなことはありませんでした。(そんなことは平常からしていませんが…)。コアな話というよりは、ぼや~っとした、雑談っぽい。そういうゆるい所がいいですね。


食事を終えて、開場時間ぎりぎり前に、会場へ。
けっこう人が並んでいてホクホクでした。
席に着くと、そこそこ埋まっています。
(人数はカウントせず…^^;)

珍しく、手土産を持って行ったので、
受付のスタッフさんに渡してもらうようお願いしました。
凄く感じの良い人で、あとで、「渡しましたよ」と言ってくれました。
 実は、前回のきらめきの会で、二乗さんが帰り際、若い女の子から差し入れを貰っているのを目撃し、「私、持ってきていない!!」とショックを受けたので、今回は持って行きました。(凄い理由や…)。


開口一番は、優々さん。
携帯の電源は切ってくださいね(音が鳴らないようにして下さいね?)と、言ってからマクラへ。今回、「石段」という出囃子ではなく、何となく上品な出囃子で出てきたので、あれれと思っていたら、何と、SAYAKAホールにあった「しめ太鼓」が無断で持ち出されて無い状態で、しめ太鼓を使わない出囃子を、と思ったら、ざこばさんの出囃子がそれに当たるとの事。ちゃんと事前に許可を取ったということです。マクラの内容は、しめ太鼓をどこで借りてくるのか、というもので、ごく真っ当な優々さんの案が、ことごとく却下されるところが面白かったです。
 で、「動物園」に入るや否や、写メの音が「パシャリ」と会場に響きました。しかも私の真後ろで…。動悸が激しくなり、殆ど、優々さんの噺が耳に入らず、楽しむことが出来ませんでした。注意すべきか否か、このままだと、まん我さんの時にも、写真を撮られる事は確実です。
 耳に入らずと言いつつ、メモが残っていたので、それを見ながら打ちます。
 虎の毛皮の質感や重さを、以前見たときよりも、詳しく言っているように思いました。ややリアルな表現ですが、それが噺の枠を超えているように思えず、彼なりの工夫のように感じました。
 それから、虎の鳴き声で「トラー」というくすぐりがあったのですが、前に見たときよりも、言う場所がずれていて、ちょっと残念。去年の年末に見た時は、トラーという鳴き声で、園内の子どもの客が逃げたりしていませんでした。今回の子どもたちは「虎がワン言うた」と言って逃げてますので、トラーというくすぐりが活きなかったように思います。(ワン、と言った後、鶏の鳴き声も披露していましたが、凄く上手で吃驚しました)。
 年末同様、違和感を覚えたのは、「面白い顔した女の子」のことを「可哀想に」と言うくすぐりがあったこと。優々さんよりもずっと年上の噺家さんが言うと、そういう世代なのだなと納得できるのですが…。もしかして、ご自身の師匠から直接習った噺なのかもしれません。だとすると、若い内は(そうでなくても?)、中々内容を変えづらいように思います。
 子どもが驚く顔は、もっとじっくり見たかったですね。ジブリアニメならたぶん、コマ数をかなり多くすると思います。(ジブリと比較されても…)


 まん我さんが出てくる前に、優々さんがメクリをめくるのを忘れていて(やっぱり本調子で無かった様子?)、お客さんの指摘で笑いが生まれるなど、ちょっとした時間が生まれたので、その隙に、というか、その前に後ろを向いて、兎に角、真後ろのお客さんに目をあわさず(本人で無いかもしれないので)、後列のお客さんたちを見ながら「写真を撮らないで下さい」と、言いました。小声で相手に聞こえたのかどうかはっきりと分かりませんでしたが、写メの音は鳴りませんでした。やはり指摘しないと可哀想です。今後もずっと鳴らすことになるのですから…。
 マクラは、間男の小噺を二つか三つほど。聞いた事が無いものばかりで、楽しめました。嫁さんの寝言で亭主が逃げるというもの、と、足が六本ある、四本で良かったというもの。
 まん我さん、何度か(今回二回目?)SAYAKAホールのさやかミニ落語会に出たことがある、とのこと。前回の噺を聞いたことがある人! とお客さんに尋ねても、挙手する人はいません。じゃあ、同じ噺してもいいですね、と振ると、「あかん、あかん。覚えとるで」と男性の声(笑)。まん我さんのファンでしょうか?
 ネタは「替り目」と思いきや、なんと「紙入れ」! もしかして、めいぷるの会でネタだしされていたのに、夏休みのため子どもの客の多さに急遽「平林」に変更したという、あの「紙入れ」でしょうか。結論を申しますと、これは確かに子どもが聴くにはちょっと、という内容(笑)。テキスト自体は大丈夫ですが、スリル感が味わえないように思います。
 思わず、春蝶さんの「紙入れ」と聞き比べ。お上さんの印象が本当に違っていて、びっくりしました。春蝶さんのお上さんは、何というかフェロモン濃厚ですね。二重瞼で唇がぽてっとした感じ。髪は茶髪で肩より長い毛先がカール(という所まで想像してしまった・笑)。まん我さんのは、一重瞼で、日本美人といった感じ。女性の仕草が見たことが無いくらい細やかで驚きました。まん我さんって、こういう動きも出きるんや~って思いました。引き出しの深さが凄いですね。文楽の人形も、こういう綺麗な動きをするのでしょうか? おそらく文楽は、人形という枠を超えてリアリティを出してくると思うのですが、まん我さんは性別を超えてましたね。圧倒されっぱなしでした。
 もはや注文が出ないくらいの内容でした。何度か、鳥肌が立ちましたが、その内の一つが、お上さんが不倫を止めたいという新吉の言葉を聞いて、はじめは「何言うてんの」と言っていましたが、「ふと何かに気づいて」(ここの間が凄かった)「若い娘が出来たんやろ」と、言うのです。あの間の凄さは、「仔猫」を思い出しました。番頭がおなべを諭すのに、おなべが番頭の真意に気付く場面です。あの間というか、おなべの僅かな目の色の変化が本当に凄かったです。今回は、「仔猫」とは違った、「人が何かに気付くとき」の間や表情が見れて良かったです。
 慌てふためく新吉の動きや表情もすごく面白かったです。二枚目、優男っぽい感じももう少し欲しい気もしましたが、笑いとのバランスを取るのが難しそうですね。
 後半、旦那と新吉との噛み合わない滑稽な言葉のやり取りは、面白いと思う反面、まん我さんの力なら、もっと面白くやったことがあったのではと思いました。「見ましたか?」は鉄板のくすぐり(多分)。やや声が裏返り、笑いを誘う演りかたでした。でも、「見」だけはハッキリ発音した方が良かったのでは…、「見(ハッキリと)、見ましたか?(声が裏返る)」とか。私はどうも勘がにぶいので、言葉を濁されると、目が点になりやすいのです(耳も悪いし…>ほんまは頭が悪いのではと思う今日この頃)。
 もはや注文が出ないくらいの内容と言いつつ、自分の好みを色々書いてしまいました。私は、いちゃもんを書くと文章が長引くので、不満が多いように思われるかもしれませんが、大部分は満足しています。僅かに引っかかった部分を説明すると、端的に説明するのが下手なので長引いているだけなんですね。この会の重厚感は、まん我さんの一席に負う部分が非常に多かったように思います。


 お次は、紅雀さん。
マクラをたっぷり。思う存分しゃべれる会が、他に余り無くて、と狭山の会に参加できて嬉しそうでした。AKBのニュースの話と(余り詳しく書くとまずいので割愛。しかし後で自分で読み返しても、きっと思い出せないに違いない)、えーと、メモに「紅雀さんの得意料理は卵なのか」とあります。が、後日のマン咲の会のトークの内容からすると、そうでもない感じ?(もっと作れそう)。師匠と呼ばれるのが嬉しいという丹波ササヤマの話。紅雀さんのマクラ、聞きながら冷や冷やしていました。米紫さんの会のパンフレットの話をブログで書いてしまったので。反省(><)。
 みんな集まって嬉しいなあと、「寄合酒(ん廻し)」のような出だし。「饅頭怖い」だと気付いたのは、好きなものの尋ねあいが始まってから。まん我さんの「らっきょう」は出てきませんでした。代わりに何が出たのか思い出せません。おやつ系だったかな? 「誰が何と言っても…」は、鉄板のくすぐりフレーズ。好きです、これ。馬生さんも志ん朝さんも『干物箱』で使ってました。“ぬくぬくのご飯~”は、悔しいけれど、まん我さんの方が美味しそう。この料理を美味しいそうだと思っているのはきっとまん我さんの方に違いない。紅雀さんの「まぜる」仕草(時間)が短いように思います。あの料理の見せ場ですから、もう一回転半くらいプラスして混ぜて欲しい。
 「二番目に好きなのは…」と言う喜六っぽい男。繰り返しのボケが出てくる場面で、一見地味ですが、こういうくすぐりを面白く演り通せる辺りに好感が持てます。これは「けつね」に騙され、穴を覗く男の台詞も同様で、ガツンとした笑いは起こりませんが、繰り返すことによる面白さ、笑いが、ふつふつとこみ上げてくる所が好きですね。「おきっつぁん」を囃(はや)し立てる声が、もの凄く太鼓持ちのようでした。こういう事ってリアルに出来るんですね。どうでもいいですが、『紙入れ』の“しんき「っつぁん」”といい、「つぁん」は男女分け隔てなく使われている辺りに、日本語の不思議さを感じます。
 怪談のくだりは、お客さんの笑い声が少し入り混じっていました。私はこの場面を怖いと思うのですが、紅雀さんの表情や仕草を面白いと思う人が多く居るんですね。笑わそうとしている所以外で、そうなっているから不思議です。以前、ここに出てくる“おやっさん”が、いつの間にかフェードアウトして寂しい、という感想を書きました。若者がおやっさんを無視して出かけているように思えたからです。今回は、そう思いませんでした。噺の隙間は、出来がよければ、脳内補完できるという事がやっと分かりました(前から思っていたけど、体験するまでに時間がかかった)。何でもかんでも、言葉で補えば良いというものではないということです。時に古風だなと思うテキストを使っている辺りも、私の好みなのかもしれません。(あと、激しい動きをする所とか)。
 まんじゅうの場面は、おまけというかサービスシーンのような印象。怪談のところでかなり力を入れてやっている(ように見えた)ので、最後はやや軽めにしてバランスを取っているのかなあと思いました。ここの場面で、以前からずっとお隣の女性とヒソヒソ話をしていた女性が、ついに(!)紅雀さんに話しかけました。まんじゅうを次々と食べている紅雀さんに、「美味しいね」と合いの手を入れるように色々と話しかけたのです。他のお客さんの気持ちを考えない、幼い行動だと思いました。同時に無邪気な人だなあ、とも。世の中には色んな人が居て、静寂を嫌う人の割合は、意外と多いようです。この女性は、噺家さんが、一生懸命良い芸をしているのに、誰も何の反応を見せないことに、いたたまれない(もしくは我慢できなかった)のではないかと思います。お客さんの頭の中では、それぞれ噺の場面を思い描いているのですが、それは目に見えません。目に見えないことを推しはかれなかった彼女に、同情してしまいました。私も空気を読めなかったりすることがあるので。
 落語中に喋っているのは、前の女性だけではなく、他にも数人居たようです。きらめきの会は、屋外は良い天気だったのに、屋内は悪天候でした。そういう逆境の中で、良い芸を見せてくれた噺家さんたち。さすがプロだなあと思いました。米紫さんの独演会は、良いお客さんの波に噺家さんがサーフボードに乗って行った感じがしましたが、今回は台風の日の波にもめげず、サーフボードに乗った感じがしました。
 終演後、お見送りに立った紅雀さんに「良かったよ」と声をかけているお客さんが居て、ほっこりしました。


 帰りは、南海高野線の区間急行(北野田駅以北から急行になる)に乗った、もずさんとにこさんと私。私は北野田駅で下車しました。もずさんとにこさんのを乗せた電車が、遠ざかるのを見て、とても寂しく思いました。楽しい時間は、あっという間に終わるんですね。

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フルバージョン

あれだけたっぷり、キツネも怪談も入っている饅頭こわいを聞いたのは、学生時代の笑福亭花丸さん以来です。
それ誰って言われそうですが、仁鶴さんの兄弟子です。今は廃業されています。
あれだけ聞いて1000円とは、安すぎます。
(  ̄o ̄)。oOウフフ

もずさんへ

「キツネも怪談も」と仰るところが、お目が高いと思います。(*^-^*)
本と、1000円は安すぎますよ。あと500円くらいはupして、打ち上げの前座さんのジュース代くらいはせめてまかなえたかなと思える料金にして欲しいものです。一度料金設定すると、値上げしにくいのでしょうね。三味線の人が付くのなら、最低でも1800円は要ると個人的には思っているのですが…。足らない分は、噺家さんが身銭を切っているのかと想像すると、涙がちょちょ切れます。

花丸さんって、今いらっしゃる方は、林家の噺家さんですよね。笑福亭にもいらっしゃったんですね。その方の「饅頭怖い」を覚えている人も、かなり稀少だと思いますよ。紅雀さんの饅頭怖いは、枝雀さんのものがベースにあると思うのですが、その花丸さんはどうでしたか? 一門によって変わらない場面のようにも思いますが…。また教えてくださいね。
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