動楽亭昼席

2012年10月8日(月・祝)動物園前

桂 吉の丞 「犬の目」
桂 歌之助 「桃太郎」
桂 紅雀  「さかさま盗人」
桂 千朝  「住吉駕籠」(半ばまで)
~中入り~
桂 米左  「たいこ腹」
桂 塩鯛  「池田の猪買い」


やっと復帰できました。(^O^)



お昼前に出かけて、
玉造稲荷神社へ。
運良く、神主さんにお話を聞くことが
できました。
メールは返したと仰っていたのですが、
届いていないので、
フリーメールが良くなかったのかなあと(^^;)。

結局、神主さんも
よく分からないとのことで、
昔の人の日記が神社に寄贈されたら、
そういう言葉も出てくるかもしれない、
とのことでした。
 玉造は空襲に遭っているので、
紙や木造類は殆ど残っておらず、
疎開先に持って行った日記が、
持ち主が亡くなられたのを機に、
少しずつ神社に集まっているので、
その中に「よろかん」という字があれば…。
それは、長い眼で見ていただきたい、
とのこと。


よろかんが分からなかったのは
兎も角として、
神主さんとお話できたことが
すごく嬉しかったです。
門前払いを食らうと思っていました。




玉造に寄ったので、
ギリギリの時間に到着してしまい、
入れるのかなあと思ったのですが、
動楽亭のお客さんの入りは7割くらい。
(人によって6割とか8割と言うかも)
近頃、お肌の調子が良くなくって、
ノーメイクで出かけたので、
前の方の席は絶対無理! と思っていたのですが、
ちゃっかり前から二列目に座りました。
もう何も怖いものはありません。


開演前に、会場で三味線のメロディの
流れるテープをかけるように
なったんですね。
そんなに大きな音でもないし、良いなあと
思います。


開口一番は、吉の丞さん。
ちょっと見ない間に、やせたような。
ほんのちょっと! ですけど。
 マクラは、連休の最終日だし、
お客さんの入りを楽屋一同、
心配していたんですが…
たくさんお集まりいただいて!
とか、そんな内容でした。
あと、新世界の賑わいについて、
ぼくが小さい頃は、近づいたら危ないと
言われている場所だったのですが、
と言っていましたっけ。
年が近いせいか、こういう話題は
ちょっと嬉しいですね。共感できると
なおさら。
 久しぶりに聞いた「犬の目」は、
テキストに、少し新しい言葉が入っていて、
時代の流れを感じました。
ず~っと同じテキストを喋るタイプじゃ
ないんですね。紅雀さんタイプ?
洗剤の名前とか入ってました。
目玉の親父が出てきてくれたのは
嬉しかったけど、(無くなったら泣く)、
片目をくりぬいて、もう片方の目を
くりぬく仕草を、私が見落としたのか、
分からなかったのが残念。
他の噺家さんと比べて、えぐさが
無いので、両方の目玉をくりぬいても
良いと思うのですが…。
 テキストはちょっと目新しいものが
増えたけど、間合いがすこぶる良くなったなあ
とは、思えなかったので(失礼千万)、
他の噺も、たっぷり聞きたいなと、
そう思わせてくれる噺家さんです。
今度、勉強会で「一文笛」を出されるようです。
時々、ざこばさんと比べられる吉の丞さん
ですが、この調子で「猫の災難」も
やってほしいなあと思いました。


お次は、歌之助さん。
あれ? 紅雀さんよりも、年期が短いの?
ずっと同じ年の噺家さんと思っていたので、
年期のことは本と記憶がずたぼろです。
 マクラは、大阪のおばちゃんについて。
おばちゃんって口にするまで、
ちょっと時間を置いていて、中々の
テクニシャンです(笑)。
 こういう人は、いたら迷惑だけど、
大阪から居なくなったら淋しいですよね。
(他人事だと思って…)。
 ネタは意表を突かれて「桃太郎」。
それが、何と、米輔さんにテキストが
そっくりなんです。びっくりしました。
お稽古をつけてもらったのか、
師匠の先代歌之助さんと米輔さんの
距離が近かったのか、不明ですが、
紐をたぐれば、交友関係が知れそうなところが、
落語の面白いところ。
(実際はどうなんでしょうね)。
米輔さんとほぼ同じ(たぶん)テキストですが、
やはり、子どもの「こまっしゃくれた」表情ですとか、
父親の戸惑う顔などは、歌之助さんの味が
出ていたように思います。
彼が「真田小僧」をしたら、
大変なことになるでしょう。
 それにしても、ここに出てくる父親は、
子どもの対応に困ったら、
奥さんの方を見るんですね。
何だか、とってもリアルに感じました。


お次は、紅雀さん。
本当に久しぶりです(ToT)。
サーモンピンクの着物。
(この日ばかりはメモしておこう)
散髪したてっぽい。
(この日ばかりは以下略)
 マクラは、
え~と、何でしたっけ?
泥棒が、警察に捕まって、
ダジャレを言ったところは
覚えているのですが…。
そこに行き着くまでの過程が
思い出せません(涙)。
思い出さなくて良いのかも…。
あ! ラジオの話をしてましたね。
会場の中に紅雀さんのファン?
っぽい人が居たのが分かりました。^^
 ネタは、お久しぶりの「さかさま盗人」。
何か、久しぶりに出したって感じでした。
初々しいというか、
間合いがベストな長さから若干短いというか。
ネタ自体は、ちゃんと繰ってきたようで、
やなせたかしの歌の場所は、ナイス!でした。
(ベストな場所は私も分かりません。
ただ、固定した場所を持たず、
前後することが多いくすぐりです)
 そして、主人公が元妻の名前を絶叫。
動楽亭って、何となく紅雀さんのアウェーな
イメージがする会場ですが、
そこで絶叫するとは…。やりますね。
泥棒の困った顔が良かったです。
 「まじめに生きろよ」
っていう台詞は、初めて出したのでしょうか?
以前、「歯ぁみがけよ」とか、
「ちゃんと仕事しろよ」とか、
そういうのは覚えているのですが、
紅雀さん、泥棒のこの台詞を言った後、
ちょっと笑ってしまって。
やっぱり登場人物と噺家さんって、
どこかリンクしてるんだなあと
思いました。
 終演後、貼り出されたネタの紙を見て、
男性のお客さんが、
「“打飼盗人”とちゃうんですか?」
と受付の社員さんに尋ねてはって、
「ええ、そうですよ」
と社員さんは答えていました。
私は、あわてて横から、
「昔はそういってたんですけどね」
と言ったのですが、
私も社員さんも舌足らずでした。
 紅雀さんに関して言えば、
二三年前まで、「打飼盗人」という
題で、このネタをやってました。
打飼=お財布、という説明がマクラで
必要になってきますし、
タイトルと中身が、
少なくとも、紅雀さんのネタでは
合っていないように思います。
主人公が天然っぽいので。
今でも打飼盗人という題を使って、
演じている噺家さんはいます。
文華さんとか。
メモ:南堀江の黒真珠、のあと、
天下茶屋のザクロ何とかと言ってました。
黒曜石じゃなくなった。
紅雀さんが「黒」にこだわるのは、
どうも「ほくろ」に由来するあだ名を
つけたがってるっぽい? 謎


お次は、千朝さん。
中入り前のトリです。
私の隣だったか、前の席の
男性の方、本当に嬉しそうに
拍手をして千朝さんを迎えてました。
どうも、本命っぽくて、
「待ってました!!」
っていう明るい表情でした。
紅雀さんもこれくらいの噺家さんに
ならないといけませんね…。
(千里山ではかけ声が掛かってましたけど)
 その千朝さんのマクラが、
よく思い出せないのですが、「住吉駕籠」
に関する、予備知識をお客さんに
さらりと教えてました。
“駕籠かき”という職業の男の人は、
中には、恐喝まがいなことをして、
お客さんからお金を取っていた人もいた…。
それは、町中ではなく街道筋に多くいて…。
という内容だったように思います。
 その中で例外だったのは、住吉街道の
駕籠かきで、彼らは、そういう事を
していなかったとか。
(住吉さんに参拝する人が多くて、
人目があったからなのかもしれませんね)。
 「へえ、駕籠」
という冒頭の台詞を聞いても、
このネタが私のトラウマ噺だということを
全く思い出しませんでした。
(繰り言を言う酔っ払いが怖くて…)
知らない内に、苦手意識が薄くなっている
ようです。千朝さんだから、大丈夫、
と思っていたのかな?
 そう言えば、苦手だなあと
思っていた米二さんの「げんげしゃ茶屋」、
最近聴いたのですが、旦那の叱る声が
そんなに怖く思わなくなっていました。
三十を過ぎてやっと大人になってきて
いるようです…。
 「住吉駕籠」というネタ、
酔っ払いも怖いなあと思っていたのですが、
お茶屋のおっさんもけっこう怖い。
怒り方が、スライド式に上がっていく。
「相手の格好見て、もの言え」
って言わないんです。(これは、駕籠かきの
相棒の台詞)。だから、クドクドした
叱り方で、ちょっと、ねちっこい。
噺家さんにお願いがあるのですが、
ここの場面は本気で怒らないで欲しいんです。
まるで自分が叱られているように感じるので…。
(個人的なお願い事すぎる…)
おやっさんの怒りって、ちょっと八つ当たり
っぽいですよね。店の売り上げが悪いとか、
そういうので。新入りの駕籠かきを、
一発かませたろ、とか、そういうノリで、
演じてもらえたらなあと。わざとらしい
表情も入れてくれたらなあと思うんです。
 長くなりましたが、千朝さんの、
おやっさん、酔っ払いもですが、
恐怖を感じることなく、楽しめました。
おやっさんの「こんがり焼いたろか」とか、
本当にノリノリ(笑)。
やっぱり、おやっさんは、本気で怒ってるんじゃ
なくて、あほな新入りをびびらせて、
自分の怖さを覚えさせたろ、という、
アピールの為に言ってるんじゃないかと、
思いました。
 酔っ払いのほうは、「巻き焼き」の台詞で
この辺は他の人たちと同じやり方なのかなあと、
思ってしまったのですが、酔っ払いが、
「それやー!」(だったかな?)
と、もの凄い勢いで右腕を上げて指を差す
仕草があって、これは、もうしてやられました。
めっちゃ可笑しかったです。
駕籠かきには申し訳ないけど、
このおもろいおっちゃんと、もう少し絡んで欲しい
とまで思いました。
 私、米朝さんの「住吉駕籠」を聴いたことがないので、
はっきりしたことは言えませんが、
千朝さんは、米朝さんのテキストを踏襲しつつも、
面白い仕草をノリで(たぶん計算されていると
思いますが)出してくる人なのかなと思いました。
 十代目馬生さんのお弟子さんである雲助さんの
「幾代餅」を聴いて、びっくりしたのは、
師匠の落語のテキストと、ご自身の落語が、
融合されて一つの芸になっているという事でした。
きっと千朝さんにも、当てはまることだと
思います。
 それから、酔っ払いの繰り言を言う場面か
その辺りで、ほんの僅かにテキストを飛ばして
短縮させたのですが、千朝さんの語りのテンポは、
ゆっくりめなので、それを活かすべく、
テキストの引き締めを行った判断は、
本当に、見事だと思いました。


仲入り中、動楽亭の後方スペースにある
チラシ置き場で、今月の「よせぴっ」を発見!
嬉しい!!
もう無くなっていると思ってました。
繁昌亭の窓口で、月末になっても、
かなりの束になっている「よせぴっ」を見て、
この束の半分を、動楽亭に置いて欲しいと
思ったのは、先月のこと。
私の祈りが天に通じたのでしょうか。


仲入り後は、米左さん。
モタレのポジションなので、
短いネタをされるのかなあと、
思いきや、たっぷりと(^^)。
モタレに出す噺の長さは
どれくらいが良いのか、そこは
ちょっと分かりませんが、
ガンガン笑いを取る噺という所は、
共通しているように思います。
 マクラは太鼓持ちについて。
日本で「太鼓持ち」と呼ばれる人は
二名しかいなくて、絶滅寸前と
仰っていました。種の数が減らない
水域は、500がメドで、それを越えないと、
自然に減っていくとか、そういうことを
言ってたように思います。
噺家は、東西合わせて600人(?うろ覚え)
絶滅の心配はなく、増える一方だと…。
 噺家さんって、「噺家が増えてる」話題に
なると、どうも微妙な顔をされるので、
そこが面白いと思います。
誰だったか、「警察官が増えるのは、
治安の面で結構ですが、噺家が増えて、
それで良いことって何かあるんですかね」
というような事を言ってました。笑
 「太鼓持ち」は、絶滅危惧種ですが、
そのコピーは、噺家さんの噺の中の仕草として、
残っているようですね。
 米團治さんの「淀の鯉」の太鼓持ちも
面白かったですが、米左さんのも中々!
けっこうきりっとして、真面目な人の
印象があるので、ここまで太鼓持ちを
面白く演じることが出来るなんて、
失礼ながら、意外でした。
 噺家さんって、太鼓持ちの血が
流れているのでしょうか…。
(色んな職業の人を演じ分けることが
出来るので、たまたまなのかなあとも
思うのですが)
 特に、若旦那とのやり取りが、
面白かったです。(「たいこ腹」の
筋の殆どがそれやん)。
 この若旦那、「七段目」の若旦那が
体育系なら、ちょっと文化系。
「針を打ちたい」って、しぶすぎ(笑)。
 どちらも、自分の趣味を貫くことで、
周囲の人間が迷惑することを、それとなく、
感じ取って知っていますが、
どうしても、自分の好きなことを
押し通してしまいます。
やっちゃうところが、ぼんぼん、
なんですね。
 お金が欲しくて堪らない人の
所へ行って、「金を遣るから、
これをやらしてくれ」
なんて、ちょっと「干物箱」を
思い出しました。
 太鼓持ちと若旦那のやり取りの
面白さは、文章化できませんが、
どっちも、ええ性格しとるなあと
思いました。
 若旦那の、去り際の台詞が、
U字工事っぽくって凄く可笑しかった
のですが、
メモ程度に留めておきます。
 それにしても、今回、
紅雀さんより年上の噺家さんは、
猛者ばかり出てきます。
彼が同じ年齢の噺家になったとき、
同じように、
役目を果たせるのでしょうか…。
(心配しすぎ)


トリを務めるのは、塩鯛さん。
マクラが思い出せません…。
出てきた瞬間、面白そうな世間話を
してくれそうで、ほっとしたのを
覚えているのですが…。
(噺家さんは不器用な人が多くて、
世間話をしてお客さんを沸かせる人は、
けっこう少ないように思います)
(だからマクラを作る作業が必要なんですね)
 マクラが上手く思い出せない上に、
「池田の猪買い」の前半も、
うとうとしてしまいました…。
緊張の糸が切れてしまったのでしょうか。
何となく、目の表情が
前半、少なく感じられたのですが…。
 この噺は本当に好きで、
主人公がアホなのに、全く世間に対して、
後ろめたいものを感じておらず、
堂々と生きています。
とんちんかんな事を言ってるようで、
割と、筋が通っている。
 アホやけど、胸張って生きて
ええんやなあと思わせてくれます。
(喜六は割りと気にしいな所ありますよね)
兎に角、生きる勇気をもらえるネタです。
(個人的に…)
 目が徐々に覚めてきたのは、
「何とかを尻目に殺して…」というフレーズから、
綿をちぎったような雪が降ってきた場面で。
牛が出てきて、驚いて、道を尋ねて、
「その、“にゅにゅっ”というのが、見えん」が
凄く可笑しかったです。
(主人公は本気なのか冗談で言っているのか)。
猪撃ちの名人の家も、雰囲気が出ていて、
良かったように思います。
息子の「いの」が出てきて、
三人で「んーー」って言い合っている(?)
ところが好きです。
ここは紅雀さんも良かったなあ。
紅雀さんは、畳み掛けるように言ったように
思うのですが、塩鯛さんは、そうじゃなくて(多分)
テンポの速い遅いで、笑いの量が決まるのでは
ないのだなあと思いました。
噺家さんにとっての、笑いの取れるテンポが
おのおの有って、それがはまった時に、
どっと来るんですね。
 本当に、やられた~!
と思ったのは、主人公が、横から
ごじゃごじゃ言って、
名人の鉄砲を撃つ場面を邪魔する所。
主人公に悪気は無いのですが…。
(いっそう手におえない)
しばらく、客の言うことだからと
大人しく言うことを聞いていた名人は、
最後の最後に、ぶち切れて、
鉄砲を、真横にいる主人公に向けたのでした。
ここ、凄く面白くて、衝撃を受けました。
どんと笑いが来て。
紅雀さんは、鉄砲を主人公に向ける
くすぐり、あったかなあ。
(無くてもいいですけど、
次に、紅雀さんの「池田の猪買い」を
聞いて、物足らなく感じたら、
絶対に塩鯛さんの所為だと思います)
個人的には、上回るものを、
別の場面で入れてくれても良いのですが。
(凄いハードルの高さ…)

 久しぶりの落語会でしたが、
色々楽しめました。^^
噺家さんに本当に感謝したいです。


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よろかん

ここまで追い詰めたいながら、なかなか確信に切り込めないところが憎いですね。でも、湖涼さんの行動力には感服します。若さっっていいな。

ピーマさんへ

こんばんは。
今度、玉造の老人会?に手紙を送って、それでダメでしたら、諦めます。これは若さと言うよりも、粘着質っぽい気もしなくもないですが…。思い立ったが吉日、という言葉が好きです。単に辛抱強くないだけなんですけど(^^;)
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
ブログ管理人(湖涼)の連絡先
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