パンジョ寄席

2012年7月21日(土) 堺・泉ヶ丘

桂 二乗 「癪の合薬」
桂 紅雀 「花色木綿」
桂 吉弥 「天王寺詣り」
桂 宗助 「猫の忠信(ただのぶ)」


皆、おもしろくって凄く良い会でした(ToT)
母は買い物に疲れて、宗助さん以外、
ほぼ寝てました(笑)。



この日は、珍しく、
母がチケットを取ってくれた落語会。
パンジョ寄席は、平日、前売り券が、
パンジョでのみ発売されるため、中々チケットが
取りにくい寄席です。

私の誕生日プレゼントは、
家族全員で田辺寄席(米二さんの段)に行きたい
というものでしたが、多数決で却下され、
その償いなのでしょうか。
(償いって!)


パンジョで色々と買い物を済ませ、
韓国料理屋さんの冷麺セットを食べてから、
いざ、パンジョホールへ。
私と母が着いたときには、すでに列が
出来ていました。
ぼんやり並んでいると、
隣にいた母が、
「あれ、紅雀さんちゃうん?」
と言いました。
「どこに」
「あそこ」
見ると、列をたどる様に歩く後姿が。
ほ、ほんまや!
ホールの入り口は一つしかないのでしょうか。
ファンでない母親の方が、
早く見つけてしまいました。
思えば、映画に一瞬しか映っていない好きな俳優の
名前を言い当てる動体視力の持ち主です。
今回は、私が単に鈍かっただけなんですが。


席は、9~8割くらい埋まっていたように思います。
意外と若い人の姿も。小学生の兄弟もいました。


トップバッターは、二乗さん。
パンジョ寄席は6年?ぶりらしい。
京都の地名にかけた自己紹介をしてから、
「癪」の意味を簡単に説明。
胸から下の痛みを「癪」というらしい。
初めて聴いた時は、お腹の痛みと
言っていたような気がするのですが、
どなたかに指摘されたのかな。
「癪という字は、やまいだれに積と書きます」
二乗さんが説明している途中、
ふと隣を見ると、母は舟を漕いでいました。
買い物疲れでしょう…。
 初見は、小鯛さんの方が面白かったと、
なんともはやな感想を書きましたが、
前回よりもパワーアップしている印象。
 箕面へのピクニック描写は、
春・夏・秋 どれでも大丈夫そうです。
春は花を楽しみ、秋は紅葉を。
そして夏は、箕面の滝の見物でした。
冬は流石にダメかな。
 “べくない”って、全く台詞が無いと
思っていましたが、最後の方にありました。
 全く記憶に無いのですが、
メモノートに、「笑うな」という台詞が
少し多かったように思う、と
書いてありました。
そうやったんや・・・。
 噺の筋の面白さもありますが、
前座さんからかなりお客さんの気持ちを
掴んでいたように思います。


お次は、紅雀さん。
午前中に、肥後橋?で仕事があって、
そのまま家に寄らずに来ました…
と言ってたかな。
「これでも私、忙しいんですよ」
と言うと、会場中から、クスクスと笑い声が。
この反応に、バカにされたような気になった
紅雀さんが言い返す、という。
これもたまに見られる風景です。
 中百舌鳥に住んでいると言うと、
会場からどよめきが。パンジョから二駅先です。
 お昼は、パンジョの食料品売り場の、
試食コーナーで(ほんまいかいな)。
 そして、久しぶりの、うどんセットのマクラ。
京都のお寺で聞いて以来です。
あの時は、紅雀さんがご自身の血液型を
偽ったように聞こえたのですが(私の聞き間違いかも)
今回は、そのことに触れませんでした。
 マクラが長かったので、
「花色木綿」は、途中で下げると思ってました。
それが何と、奇跡的にフルバージョンでした。
お昼に出す花色木綿にしては珍しい。
 目新しいくすぐりは、ありませんでしたが、
ひとつひとつが上手くお客さんに受けて、
はまっていたように思います。
記憶はもうずたぼろなんですが、
メモノートに、
「会場の空気が澄んでいるようにさえ思った。
すごく良い出来」
と書かれてあります。
そうやったんや…。
そしてノートの端には、小さな字で、
「二三箇所かんでいたが、噺の受け具合から見て、
それは目をつぶるべき」
と書いてありました。
自分で言うのもなんですが、恐ろしいノートです。
 私がしっかりと覚えているのは、
お客さんに受けている紅雀さんを見て、
この勇姿を見たかと、得意げに、隣の母を見ると、
母が爆睡していたことです。
うどんのマクラまでは、起きていたのですが…。
 本当にとても良い一席でした。
たまには素直に褒めてあげたい。


お次は、吉弥さん。
マクラは断片的にしか覚えていないですが、
パンジョの何階かに、マッサージ屋さんがあって、
そこで、会が始まる前に、体をほぐしてもらった
のだそうです。店員さん、ポイントの説明まで
丁寧に吉弥さんにされたそうなんですが、
最後まで、吉弥さんだということに気付かなかった
のだとか(笑)。
ネタは「天王寺詣り」。
私は雀五郎さんでしか聴いた事がありません。
この噺が出たとき、
予想もしていなかったネタの選択に吃驚しました。
とても地方で出すような噺に思えなかったのです。
私は、地方コンプレックスが強いのか、
噺家さんは、地方と大阪市内では、話すスタイルを
変えているのでは、という疑心を持っていました。
つまり、よく受ける、笑いの多いネタしか、
地方ではかけてくれないというイメージがあったんです。
 地方は地方でも、始めて行くところは、
そうかもしれませんね。第一印象が大事ですし、
これを機に、落語の楽しさを知って欲しいという思いが
強いはずです。
ただ、同じ地方でも、何度も落語会を開いている会場で
あれば、会に足を運ぶ常連さんを意識して、
この人たちなら、じっくり聴いてくれるだろうと
判断し、笑いが多くない噺もかけてくれているのでは、
と思いました。
 「天王寺詣り」は、スケッチ落語で、
町の名所の賑わいを描写している内容です。
主人公とご隠居のかけあいも面白いですが、
今では見られない、出店の様子が知れて興味深いです。
 このネタは、主人公のふざけ具合(本気かも)と、
出店の描写が、前近代的で、ややえぐみを感じやすい
内容です。米朝一門ではなく、他一門のにおいがする。
笑福亭が得意とするネタのイメージがありましたが、
吉弥さんは、雀三郎さんにこのネタを習い、
雀三郎さんは、五代目文枝さんに習ったのだそうです。
(よく考えたら、文枝さんは五代目松鶴の影響を
もの凄く受けている噺家さんでした)
 スケッチ(描写)落語だからこそ、
近代化しにくいネタなんでしょうね。米朝さんの息が
何となくかかってない気がします。
 えぐみを感じやすいネタのはずなんですが、
吉弥さんが話すと、そう感じられないから不思議です。
さらっとしていますが、淡白には感じられません。
ちゃんと深みがあるように思います。
 鐘を突いて音が鳴るところは、長い音を描写した
ので、途中から拍手が起こりました。
お客さんが引き込まれているのが、よく分かる
一席でした。
 隣席の母を見る余裕は、とても無かったです。
寝ているだろうな、とか、起きているかな、とか、
全く考えませんでした。
(そして、母は寝ていた)
気が付くと、宗助さんが出てきていました。


お次は、宗助さん。
マクラは、え~と…何でしたっけ。^^;
メモにも書いていません。
米朝さんの話をされたような…?
ネタは、「猫の忠信」。
メモには「千本桜」と書いてあります(笑)。
 このネタ、京都の気楽堂という喫茶店の
落語会で、見たことがありました。
あの時は親指を突き出す仕草が多く感じられて、
なんだか引っかかったのを覚えています。
(引っかかる原因が細かすぎる…)
 この日の「猫の忠信」は、
はた目から見ても絶好調に見えました。
すごくのってる、と言うのでしょうか。
話の筋の面白さもありますが、
そこに喋りと仕草が加わって、いっそう、
噺の面白さが出ていました。
 おとわさんの針仕事の場面は、
拍手が起きたほど。動楽亭では、
起こりにくいので、こういうお客さんの
反応は、嬉しいです。
 女性の演技の素晴らしさは、
噂でよく耳にしていますが、
(ネットの感想などで)、
目の当たりにしたのは、初めてでした。
途中から、宗助さんの頭が、
女性の髪のように結っているような、
錯覚まで起きたほどです。
 東京の円生さんのものも聴きましたが、
「これこれ!」と、
物足らなく感じた穴を、しっかり埋めたもらった
感じがしました。円生さんの「猫忠」は、
演技は素晴らしかったけれども、テキストが短く
なっているためです。東西の文化差は、
かなり少なくなっているように思っていましたが、
上方がいい! という思いは、
やっぱり関西に住んでいるのだなあと、
実感しました。
 今、思い出しましたが、常やんの
キセルを吸う場面、火をつけた後、
わずかにキセルの先が動いたのですが、
火をつける道具の入り口の蓋か何かを、
キセルの先で閉めたように見えました。
(画像検索しましたが、火をつける道具に
蓋がついているものは見当たりませんでした。
見間違いかな?)
兎に角、その仕草が、すごくリアルに感じました。
 母は、このネタばかりは、見ていたようで、
「師匠は誰?」
と終演後、聞いてきました。
名前から、師匠を想像できないお名前です。
「米朝さんやで」
「あ、そうなん」
 とっても良い一席で、1000円のチケットが、
何倍もの値打ちがあるように思えました。

本当に、良い会だったように思います。
雀々さんが抜けた後、客数が減っていたようですが、
少しずつ、客足が戻ってきているように感じました。
いくた寄席、パンジョ寄席とも、
携帯は一度も鳴りませんでした。
上客に混じって聴いていたんだなあと
思いました。


※7月29日に感想を書き終えました

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うらやましい

出演者の技量ももちろんのこと、お客さんも寄席を構成する大きな要素ですね。よく笑い、よく反応して、マナーを守れる上客の中で落語を聴くのは本当に幸せです。大阪市内では無いけれど、定期的にやっている会なので、本当に好きで、待ちに待ったお客さんが来ているのでしょう。いいですね。

ピーマさんへ

地方の客は、聴く態度が悪い…という話を、噂で聞いていたので、嬉しかったです。いくた寄席・パンジョ寄席のお客さんは、ストレートに反応してくれるので、良かったですね。それに比べて、動楽亭昼席は、反応が薄い気がします。落語通の人ばかり来ている感じはしないのですが…。

こんばんは

お母様の反応がとても楽しいですね ^m^
泉北は大阪のベッドタウンやと思いますけど、湖涼さんの言うてはる「地方」にはあたらへんのとちゃいますか?
大阪市内の会に行く気のある人は皆さんおいでになれるでしょう。

にこさんへ

 こんにちは。
このブログ、母も見てるんです。
だから「私の寝ていることばっかり書いて…i-180」と、言われました(笑)。
>泉北は大阪のベットタウン
なるほど~。言われてみればそうですね。大和川より南に住んでいるコンプレックス(誇り?)というのは、思ったより気にするほどのものではないのかもしれません。川を渡ると、家賃の額が変わるそうなんですが…^^; それでも、行こうと思えば行ける距離というのは確かに強みですね。
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