十代目馬生の「うどんや」

GWは母の影響で、
小物作りのイベントに傾いてしまいましたが…
落語も音源だけ幾つか聴いたので、
こちらもメモを。

東京の替り目は、
前半で切ることが多いらしく、
帽子のキヨちゃんが出てこないので、
つまらないなあと、思っていました。

ところがどっこい、
キヨちゃんは、いました。
馬生さんの「うどんや」に…!









東京の「うどんや」は、
上方の「風邪うどん」と、
聞いたことがあったのですが、
内容が全く違って吃驚です。
極端に言うと、
サゲ(前)部分のみ一緒で、
他は殆ど違います。


東京の「うどんや」は、
焼きうどん屋さん。
「なーーべーやーきーーうーどーーーん」
っていう売り声でした。

うどん屋さんが出てくるのは一緒です。
もの凄い酔っ払いが出てきました。
絡んで絡んで、
うどんを食べます。
(※馬生さん以外の東京の噺家さんは
上方の「風邪うどん」と同じ様に、
うどんを食べずに去ってしまいます)

馬生さんの「うどんや」、
お客が「今日は機嫌がいい日なんだ」
と言います。
 ここから、「替り目」のキヨちゃんらしき
エピソードに入ります。
「おっちゃん、ぼうち(帽子)」という台詞も、
キヨちゃんという名前も出てきませんが、
客の友人の一人が、奥さんを早くに亡くして、
娘を育てている、自分らはその手伝いをしている、
今日は、その娘の婚礼があったこと。
そういうことを、
焼きうどん屋さんに語ります。
(※後述しますが、キヨちゃんエピソードの
内容は、東京の噺家さんによって微妙に異なります。
上記は馬生さんのエピソード)

お客が喋りながら、うどんに辛子(からし)
を入れたので、入れすぎてヒーヒー言います。
・・・
これって「親子酒」のうどん屋の場面やん!

さんざんお客に絡まれて、
(焼きうどんは食べれなくなるし、
水を何杯もお代わりするし)
焼きうどん屋さん、
「しょうがないな」と、
荷を掲げて、場所移動。
この、
「しょうがないな」っていう声が
本当に優しくて、マジ惚れ。
この焼きうどん屋さんと結婚したいと
思うくらいです。
あれだけ絡まれて、しょうがないな、で
済ますなんて、どれだけ器(うつわ)が
大きいのでしょうか。
この人なら、きっと私が家事で大失敗しても
「しょうがないな」で許してくれそうです。
(妄想)


噺に戻って、
焼きうどん屋さんの場所移動から。
うどん屋の売り声がうるさくて、
子供が寝てくれない、というクレームが。
この時分、うどん屋を呼び止めるのは、
ひと目を憚る人が多いはず。
小さい売り声にしようと、決めます。
すると、小声の客が一人、一杯のみの注文。
さては味見だろうと妄想。
(上方の「風邪うどん」では、
実体験に基づく勘違いをするので、
勘違いの次元が異なる)
客が焼きうどんを食べ終わって、
「お前も風邪か」
風邪うどんと同様のサゲに入ります。


馬生の「うどん屋」は、
上方の「風邪うどん」ではありません。
「替り目」後半のエピソードを、
「うどんや」に入れています。
上方の「親子酒」のうどん屋の場面も
入れています。
・勘弁されるくらいオレ悪いことしたか、と、
客が繰り言を言うので、店主が話を止めようと
するところは「住吉駕籠」に似ていました。
・サゲは「風邪うどん」です。


ここで疑問に思ったのは、
東京の「親子酒」はどうなっているんだろう?
ということでした。
馬生のものを聴いたところ、
上方の「親子酒」とサゲは一緒ですが、
内容が全く異なっていました。

父子が禁酒の誓いを立てるのですが、
父親が我慢できなくってしまい…
奥さんにねだってこっそり飲ましてもらいます。
「倅が帰ってきたら、
風邪ひいて寝込んでいるふりをするから」と。
ウソで寝込む親父さん、めっちゃ可愛い。
しかし血は争えず、
息子も…という筋でした。



話を戻して、馬生の「うどん屋」。
そばを食べなれているせいか、
ずるずるという音が、若干早く聞こえ、
細いうどんを食べているように
聞こえます。
東京の焼きうどんは、
関西のうどんよりも細いのでしょうか。
 それは脳内補完しておくとして、
馬生の「替り目」も聞きました。
奥さんが良かったです。
おでんの具を略して言う夫に倣う所とか。
マクラも面白かった。
「親子酒」のマクラと同様ですが、
「替り目」の方がお客さんに気を許している
のか、切れ味鋭いです。



ピーマさんに教えてもらった、
入門10年目の小米時代の「宿替え」、
聴きました。
めっちゃ早口ですね…。
聞き取りに必死になって、
心拍数が上がってしまいました。
粗忽な主人公の性格を表すために、
早口になっていると思うのですが…。
「糸こんにゃく」の言い方、
紅雀さん、引き継いでいますね。
(他のお弟子さんも言っているのだろうか)
中々スピーディーな「宿替え」でした。
ピーマさんほどの衝撃は受けませんでしたが、
大変参考になりました。
音源の在り処、有難うございます。

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