岡町落語ランド

2012年3月11日(日)豊中市伝統芸能館

桂 弥太郎 「ちはやふる」
旭堂 南青 「太閤記外傳.明智光秀の祝言」
~中入り~
桂 あさ吉 「あくびの稽古」
桂 紅雀  「不動坊」


いつも五人出演している会。今日は一人少ないので、
たっぷり楽しめました。^^



お客さんは40名ほど。
真ん中くらいの席にお姉さん方が座っていて、
いつもより華やかな感じ。^^


弥太郎さんは、ちょっとだけ久しぶり。
「千早ふる」は初めて聴くんだっけ?
前半、以前よりも早口のように感じられて、
もう少しまったり話して欲しいなあと思いましたが、
後で出てきた紅雀さんも、同じかそれ以上の早口でした。
後半(千早太夫が出てくる辺り)から、
その早口だなあと思っている口調が、噺と上手く
マッチして来て(あくまで私の中の物差しです)、
これこれ! と思ってしまいました。
お客さんの反応は終始良かったように思います。


旭堂(きょくどう)南青(なんせい)さんは、
初めて聴く講談師さん。
思ったより濃い顔立ちの方でした。
私の中では、講談師といえば南海さんなので、
基準がそこになっちゃって、
若い感性をお持ちなんだなあと。
(年が若いから当たり前なんですけれども)。
ご飯でご飯を食べるとか。
講談だから●●なんです! とか(笑)。
 マクラでは、明智光秀は岸和田の人で、
今でもその地に行くと、「豊臣秀吉に騙されたんや」
と子孫の方たちは口にしているそうな。
(吉良の殿さんが治めていた地も、名君の謂れが残ってますね)
光秀はとても優しい殿様だったという講談の噺です。
 内容は、明智光秀の結婚話で、
浪人時代に出会ったお姫様と結婚するまでの経緯を。
姫御前(ひめごぜ)という発音をされてました。
山のように積まれたおにぎりを平らげる…というのは、
ちょっと民話っぽい感じがしますね。
浪人の正体が明らかになるくだりは省いたのでしょうか?
もう少しじらしてくれてもいいのになあと思いました。
(時間がとても足りないですね)
身代わりや、病人を引き受けるくだりは、
講談っぽいなあと、じーんとしてしまいました。
 光秀の仕える朝倉家のお殿様に会いに行く手前で、
噺を一端切って、
「続きを知りたい方は、僕に聞きに来て下さい」と。
最近は読み切りものの講談ネタも多そうなのですが、
(短縮版にして読んでいるのかもしれません)
「続きはまた…」という終わり方も、
講談らしくて良いなあと思いました。


中入り後は、あさ吉さん。
初めて聴く噺家さんです。
マクラはややたっぷりめで、打ち上げは苦手だという
内容を。鶴瓶さんの打ち上げに参加したことは、
ブログを見て知ってましたが、
その内容を詳しく話してくれました。
まさかざこばさんまで参加されていたなんて!
何となく鶴瓶さんが出てくる話が多かったです。
 あくびの稽古は、
南光さんの噺を聴いて知っていたので、
こんなにたっぷりマクラを話しても大丈夫なのかなと、
思っていたのですが、だいぶ「型」が違うようでした。
冒頭、主人公に無理やり「あくびの稽古」に連れて行かれる
友人のくだりも、ちょっと短めでしたし、
「残り湯のあくび」とか「将棋のあくび」も無かったです。
「春夏秋冬、それぞれのあくびがある」と言って、
あくび指南の先生は、主人公に教えてました。
秋のあくびは、中秋の名月を眺めながら…
と言っていたので、ちょっとだけ「残り湯のあくび」と
似てますね。
「夏のあくび」は、船にゆられて煙草を吸いながら。
船に揺られている仕草が面白かったです。
一番面白かったのは、
あくびをするあさ吉さんでした。
一回目くらいで、めっちゃ笑ってしまいました。
素で面白い天然系の芸人さんなのでしょうか?
言葉のリズムも独特に感じ、
ここで笑う、という落語の決まったくすぐり以外のところで
何故か笑ってしまいそうな人だなあと思いました。


トリ(最終演者)は、紅雀さん。
年季から考えれば、あさ吉さんの方が上なので、
何故今回トリを任されたのか、その辺が良く分かりません。
(まあラッキーだったと思っておきましょう^^)
マクラは、綾鷹のCMについて少しだけ。
撮影秘話ではなく、
「綾鷹バブルが来てるとよく言われるけど、それだったら、
今日のお客さんも、もう少し入ってるハズですよ」
お客さん、ここでけっこう受けてました。
でも、綾鷹を買ってきたよ~って、
紅雀さんにペットボトルのラベルを見せてる女性も
いましたし(それを見て私も慌てて出しました)、
綾鷹効果は落語ファンの間では浸透してるのかもしれません。
 「不動坊」は一月の動楽亭昼席以来です。
あの時は、去年12月のBチームの方が良く思われて、
眉間に皺が入ってしまったのですが(恐い…)、
今回は一月の動楽亭昼席のものよりも良く感じられて、
けっこう満足できました。
今日のコンディションは中々良い方やなあと、
前半は割と冷静に見ている部分もあったので、本音を言えば、
そんな事を考える余裕すら無くす噺をして欲しかったです。
(どこまでハードルを上げるのか…)
 不動坊を出したのは、ちょっと久しぶりっぽい?
台詞が僅かに違う部分があったので、
そんな印象を受けたのですが、それをマイナスに
思いませんでした。新鮮な感じが出て良かったです。
一月の不動坊は、12月の続きの感じがしたけれど、
今回は一月の時よりも生まれ変わった感じがしました。
がらっと変わった訳じゃないんですが、
薄皮一枚剥けた感じです。蛇の脱皮というか。
 全体的に、丁寧な印象を受けました。
ここへ出す前に、台詞の洗い出しをしたのかな。
長屋に戻った徳さんが、怒りながら
「利吉とお滝さんが結婚するっちゅうやないか」
(※台詞はうろ覚え)
以前は、“お滝”と呼び捨てにしてた台詞です。
それから、一番感動したのは、
ゆうさんの妄想の中なんですが、「皆で手ぇ繋いで、
利吉を(外から)呼んで、あいつが何や? って
戸ぉから首をひょっと出した時に、皆でイーしたら
どうや」
この、首をひょっと出した時に…という台詞!
前からあったのかもしれませんが、凄くいいなあと
思いました。
 もう一つ変わったなあと思ったのは、
幽霊が出たときに、怯えるお滝さんに対して、
利吉が「この世に恐いもんなんてあらへん」
っていう台詞があって、利吉が男前すぎるかなあと
思っていたのですが(枝雀さんも言った台詞なんです)、
でも、今回は「恐いことあれへん」って、
割とシンプルな台詞になってました。
 細かいところから見ていくとそんな感じなんですが、
何と言っても紅雀さんの不動坊の中で、見過ごせないのは、
ゆうさんのキャラクター。無邪気で可愛い、子どものような
男の人です(たぶん小柄)。この役のはまり方はいつも
凄いです。「あ・ん・こ・ろ!(ニコッ)」とか。
「寒さで耳がおかしくなったんかな」という徳さんの
突っ込みも秀逸ですが。ちょっと目を離すと、
屋根の端っこまで行って遊んでしまうというくすぐりも
追加されていて、紅雀さんもかなり気に入っている
感じがします。ゆうさんが出てきた瞬間に「わっ出てきた」
って思ってしまうくらいなので。
 ただ、ゆうさんが出てくるのは後半からなので、
前半の利吉の風呂屋での“のろけ”が、どうしても、
比べると見劣りしてしまうのが残念です。
幸せ絶頂ののろけで、人をすかっと笑わせるのって
ちょっと難しいですよね。
やや力んでるなあと思うところもあるので、
もう少し肩の力を抜くくらいの余裕があればいいのですが…。
これはかなり難しいので自然と熟成されるのを
待つしかないかもしれません。
 多分、今日だけしか見れないと思われるもの。
・カルタ先生がお酒を呑む場面はいつもカットしている
のに、今日はお酒を呑む場面があり、綾鷹じゃないんだね、
という台詞が入っていた。
・カルタ先生が、幽霊となって、宙吊りされるときに、
太鼓のドロドロドロ…という音が出なくて、
「大丈夫ですかな」という台詞の後に、音が入った。
(これは本当に裏方のミス。だけど、
しんさんが、慌てて太鼓を鳴らしている様子が
想像できて楽しかった)
 不動坊はけっこう見てきたので、
今回、行くかどうかちょっと迷いもありました。
でも、一月の時より進化してるのでは、と思い、
岡町まで出かけたのですが、行って本当に良かったです。


帰りは、夕立に遭って、危うく駅まで行けない所でしたが、
さきさんの折り畳み傘に入れさせてもらって、
ことなきを得ました。(T人T)有難うございます。


らーさんとお話されてた方が言っていた事なんですが、
タイの旅行話のマクラを聞けて無いので、
誰か話してくれないかなあと言っていました。^^;
べにこごに行ってたら、1時間15分も聞けたのですが、
他の噺家さんは余りマクラで話してないのでしょうか?


今ふと思ったこと。
不動坊で、雪に降られたとカルタ先生が言った後、
割とすぐに、屋根が雪でまっ白になったという
台詞が入るのですが、夜なのに、
そんな事が分かるってことは、
雪が降った後、あっという間に雲が切れて、
眩しいくらいの月が出たということなんでしょうか。

噺の出来がいいと、
勝手に脳が補完してくれるからいいですね…。



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あらら、更新は当分ないと言っておきながら更新するとは、これは一本とられましたな。
凹○ おもいっきりコテッ
今日はガールズトークが炸裂した予感がしていますが、さてどうだったかな?
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ エヘヘ~

もずさんへ

私も当分しないつもりだったのですが、やっぱり良い噺を聞くと我慢できず更新してしまいました。^^; ガールズトークは、席が離れていたので、あまり出来なかったです。電車の中で少しだけ。雀の学校じゃなくて、鯛の学校が4月から始まるという話をすると、事のほか喜んでくれて、私も人の役に立つことがあるんだなあと思いました。

綾鷹 続

文我さんの話によると、文我さん、まん我さんには話がなかったようですね。絶対断わるから秘密裏に進められたようです。文三さんの話では、吉本も最初から断ったみたいですね。ということで、松竹芸能と米朝事務所だけだったようです。実際に100人集められて、試飲したのが4種類。1つは明らかにジャスミンティ、1つはどう見てもほうじ茶だったそうです。ここで、今までの京都の芸子・舞妓さんといい、東京の板前さんといい、本当にいいものを知っている人たちよりも、上方の落語家の方が綾鷹を選んだ率が多い、とうことにボヤキが集中してましたね。落語家なんやから、全員でジャスミンティを選んで、綾鷹選んだ人は0でした。っていうのが落語家らしくて洒落てるというのが文我さんの見解でした。確かにそうですね。でも、それではCMになりませんね。そのへんの兼ね合いが、なかなか難しいところではあります。

ピーマさんへ

こんばんは。
文我さんのマクラにも綾鷹が出てくるんですね。あんな良いCMの裏事情を知ると、まあ色々と思うところもありますが、紅雀さんのマクラでも似たようなことは仰っていました。「4種類のお茶が出てきて、一つだけ濁っているお茶があって、どうもそれが怪しい」と(笑)。「急須で入れたお茶に一番近い味のお茶、であって、一番美味しいお茶ではない」と。今まで舞妓さんや板前さんが選んだとき、思ったより綾鷹を選ぶ人が少なかったので、分かりやすくしたのかもしれませんね。もしくは、一番空気の読める、気を遣える職業が噺家なのかもしれません。
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