冬のパンジョ寄席

2012年1月21日(土)大阪・泉ヶ丘駅

桂 紅雀  「道具屋」
桂 まん我 「野崎詣り」
桂 歌之助 「悋気の独楽」
桂 吉弥  「親子酒」


嬉しいカルテット!な落語会でした



昨日は、偏頭痛で途中退社してしまい、
今朝もまだ痛みが残っていたのですが、
気合?で治して行きました。
(治らない時もあるので、運が良かったかも)

平日に前売チケットが販売され、
即日完売するという「パンジョ寄席」。
今回は雀々さんが出ないこともあって、
チケットの売り行きが悪かったらしく、
何とかチケットをゲットできました(^^)v
絶対に入れない落語会だと思っていたので、
嬉しかったです。

駅前で、にこさんと待ち合わせして、
その後、Mさんという方と、席でご一緒になりました。
だんだんお知り合いの輪が広がっていきます(笑)。


始まりの出囃子が「石段」ではなく、
「お手つないで」。ひろばさんが出てくるかと思いました。
何と、四人揃って、舞台上に出てきて、びっくり。
にこさんが、出番はアミダくじか、じゃいけんで決めて欲しい、
ということを冗談交じりで言っていたので、
半分予想が当たったようなものです。
舞台から向かって右から、吉弥さん、紅雀さん、
高座を挟んで、歌之助さん、まん我さん。
歌之助さん、思ったよりずっと背が高いですね。
 まず吉弥さんからご挨拶。
「雀々さんが抜けまして、何とチケットが完売しませんでした」
(吉弥さんのHPでは、当日券の記載がなかった^^;)
今まで、パンジョ寄席に出ていた吉弥さんは、
だいぶ驚かれたよう。
「これぐらいが丁度いいんじゃないですか。
カバンも隣に置けますし」
と、歌之助さん(笑)。
 この台詞、時々聞くんですが、歌之助さんの言い方が、
すごいとぼけた感じで面白かったです。
「欲ないなあ」と吉弥さん。
「いや、満席の方がそりゃ嬉しいですけど。このくらいでも」
と、歌之助さん。
 後ろの方はけっこう空いていたのでしょうか?
私は前から二列目で、周りは殆ど席が埋まっている状態で、
ほぼ満席かなあと思っていたのですが…。
(ちなみにMさんは当日になって、券を買ったそうですが、
窓口が当日券売り場ではなかったらしく、前売料金で、
チケットを手に入れたそうです。160/180←定員数)。
 紅雀さんは「今まで手に入れにくいチケットという印象が
あって、この辺りに住んでいる友達も中々来れなかった。
でも、今回からは違います。そういう事を、今日来てくれた
お客さんには広めて頂いて…」
「1000円で吉弥兄さんが見れる会なんて、他には無いのに、
どうして、満席にならなかったんですか?」
 話題は、四人とも46年生まれで、本厄だという話に。
厄払いに詳しいのに、行っていない吉弥さん(笑)
紅雀さん、歌之助さんは興味なさげ…。
まん我さんに到っては、初詣の際に、お賽銭を入れない
という話が吉弥さんの口から出ました。
ま「そんな、お賽銭を入れた人だけ願いを叶えるという
心の狭い神様なんてダメですよ」
吉「隣のおっさんが千円札入れたら、「あれは自分の
お賽銭込みです」とか心の中で思ってんやろ」
四人のトークは中々盛り上がって面白かったです。
 でも、チケットの売り上げも完売まで届かなかったし、
今回の落語の内容によっては、このメンバーが入れ替わるかも…
と、吉弥さん。^^;
(パンジョの企画担当の方が、それを決定する、というような
言い方をされていました)
 いつになく、気合の入った落語会が始まりました。
落語は、いつも気合を入れて語っているとは思うのですが、
ここまで切羽詰った状態が
お客さんに見える会は、今まで見たことがありません(笑)。


 まん我さんがトップバッターかなあと思っていたら、
(出来れば、三十石をして欲しい、と・笑)
何と、紅雀さんが出てきました。マクラはさっくり終わらせて、
「道具屋」へ。
「牛ほめ」が始まるのかと思って、ドキドキしました。
(冒頭が似すぎている…!)
 もうちょっと笑いが起こってもいいのになあ、
という感じでした。内容そのものは悪くなかったように
思うのですが…。この噺、私にとって会心の出来か、
そうでないかは、ジンクスがありまして、
主人公が、荷物を担いで夜店の辺りへ向かっている時に、
走ってくる子どもに対して主人公が、ぱっとよける仕草が
入るんですよ。この仕草にドキッとしたら、幸先が良い
出だしだなあと思うんです。今回はそうじゃなかったので…。
私の思い込みもあるのかもしれませんが。
 崇徳院のサゲを言わない噺家さんは、
もしかしてダジャレが嫌いなのかな? と思っていました。
でも、「のこにある?」「義理を欠いちゃあ、おしめえだ」
があったので、違うかなと(^^;)
 上の台詞と忍術の巻物のところ、面白かったです。
あと、「天井の雨漏りを直さないと」のあとに、
「障子も直さないと」という台詞がなくて、
いきなり「家を買ったほうが早い」という台詞が入るのですが、
今回は、違和感無く笑えました。やっと紅雀さんの噺に
追いついた感じです。笛の値は、以前千円だった気がするのですが、
今回は三百円で、家を含めた請求額が三千万円。数の対比が
綺麗に出て良かったように思います。
 サゲは「手元を見ております」。


 お次は、まん我さん。出番順は、ほんとどうやって
決めたんでしょうね。get's 待っツの匂いがします。
 マクラは、NHK上方演芸新人大賞を取ったので、
明日の朝、その録画がTVに流れます、と。
「時間が5時15分。誰が見ますんやろか(笑)」
「このテレビを見て頂いて、テレビの落語がいかに
面白くないか、ということを今日知って頂きたい…」
まん我さん、凄い! 自分でハードル上げてる!!
さらっと格好よいことを言うんですね。
 私も、テレビの落語は大の苦手です(><)。
生の落語>>CD落語>>>>>>>テレビ(DVD・動画)落語
テレビの落語は、ファンがもう一度確認のために見たいという物か、
亡くなった師匠をしのぶ媒体のイメージがあります。
マクラのメインは、南光師匠ご夫妻の、車中の喧嘩話でした。
 ネタは「三十石」を期待しましたが「野崎詣り」。
久しぶりに聴く噺です。まん我さんの噺を聴く機会が
少ない私は、どうした訳か、
まん我さんと水が出てくるネタの相性が良いと、
思い込んでいる節があります。
「三十石」は聴いたことがないですが、賞を取った噺ですし、
「桑名船」「舟弁慶」は、聴いて凄く良かったネタです。
「野崎詣り」もその一つ(^^)。
 喜六が、すごいはまってて面白かったです。
まん我さんは、賢そうなのに、どうしてあほの役が
こんなに上手くできるのでしょうか。
頑張って口喧嘩で勝とうとしている所が可愛い。
「牛は生で食べたらあかん」
これは時事ネタでしょうか(笑)
 「上方落語メモ:野崎参り」には、無かった台詞を
発見。前からちょっと気になっていた部分です。
船頭さんが「いのや、弁当箱を岸に捨てろ」
(※うろ覚えです)
弁当箱を捨ててしまえ、という所は、船頭さんらしい
荒々しさを感じますが、「いの」って何?
もしかして、
「池田の猪買い」と同じ様に、息子の名前なのでしょうか?
噺に奥行きが出てくる台詞だなあと思いました。
 サゲは、「小粒」。小粒の説明をしないところが、
渋くていいですね。同じ枝雀一門の雀五郎さんの噺も、
小粒まで行きますが、挿入される噺が多く、お二人は、
別々の師匠からこの噺を習ったんだなあと思いました。


 お次は、歌之助さん。
マクラは「ダイエット」について。
ご自身が浪人時代に挑んだダイエットの失敗談を。
すごく面白かったです。しかし、のめり込むタイプの
人は危ないですね(汗)。既婚者で良かった…。
実は、心の中で「壷算」を期待してました。
GUNLUKさんが、すごく褒めていたので。
しかし私にとっては「花筏」以来の生の高座。
それ以外なら、何でも、という気持ちです。
 上方では「おてかけさん」、関東では「おめかけさん」。
聞いた事のある、フレーズ(笑)。阿か枝さんの
「悋気の独楽」の時に耳に挟んだものです。
それ以降が違いました。「こなから」という
おめかけさんを指す隠し言葉は、初耳。
何故、こなから、が「おめかけさん」を指すのか。
一升の四分の一を、
こなからと言い、それは、“二合半”の分量。
にごうはん→二号はん
 しかし、こなから、という言葉の響きがいいですね。
「なから」は「半ら」「中ら?」で、半分という意。
それに「こ(小)」が付くと、さらにその半分、四分の一。
 歌之助さんの「悋気の独楽」は、
ごりょうさんとお竹の表情がとても面白かったです。
阿か枝さんは、あそこまで面白い顔はしてなかったですね(笑)。
この噺、初めて聞いたときは、浮気されているごりょうさんが
可哀想と思ったものですが、歌之助さんの噺だと、
そういうマイナスな印象は殆ど無かったです。
けっこうすっきり笑えました。不思議。
 もう一呼吸おいて欲しい、と思ったのは、
お竹がごりょうさんから、襟付きやかんざしを受取る直前。
ここは、阿か枝さんの噺でも違和感を感じたところ。
もう少し面白おかしく受取る仕草はないのでしょうか…。
あと、「嫌い!」っていう台詞の直前です。これも、
一呼吸おいて欲しかった。
ベテランさんはどうやってるんでしょうね。(?_?)
 それ以外は不足を感じませんでした。満足度はけっこう
高いです。
表情はもの凄く豊かでオーバーな部分もありますが、
所作は意外と繊細だなあと思ったり。「花筏」は、
自分の中で今ひとつだったので、歌之助さんの実力が
ちゃんと面白く体験できたなあと思いました。
 メモ:阿か枝さんの定吉は、別嬪さんのお竹から、
お小遣いをもらって、帰り道、お金がいくらなのか、
手探りで確認する場面があったが、歌之助さんは無かった。
が、彼の場合、無くても別に良いなあと思った。
「五十銭もらった義理がある」という台詞があり、
すでに確認済みという(客の知らないところで見たらしい)。
 あと、「一円ちょーだい!」という仕草が、
とても面白かったです。壱之輔さんの「真田小僧」の
所作を思い出して、思わず涙が出そうになりました(大げさな)。


 トリは、吉弥さん。
マクラは、阪急電車内で、女性の酔っ払いに
からまれた話を(笑)。オチもついていて、面白かったです。
吉弥さんはお酒を飲めないのに、どうして酔っ払いの仕草が
出来るのでしょうね。たしか雀々さんもそうだったように思います。
観察してそれを真似るのでしょうか? コツみたいなものは、
確かにあると思うのですが、それにしても、噺家さんは、
仕草をコピーして披露する技が凄いです。
 「親子酒」は、だいぶ前、get's 待っツで見たことがありました。
その時は、申し訳ないけれども、いい印象を受けなかったんです。
客と、うどん屋が、本当に喧嘩を始めそう、
というか、ギスギスしてる感じて、負の感情がぶつかっている感じでした。
「わ~」と笑えっていう両手を上げる仕草や台詞も、
何だかお客さんに要求しているように受け取ってしまって…。
 今回は、それが見事に覆って、本当に良かったです。
オセロが全部白にパタパタって引っくり返った感じでした。
客と、うどん屋の会話が、ギスギスしてない所が
一番良かったです。
うどん屋の片意地な性格も、徐々に小出しにして、
お客さんに知らした感じがしました。
二人は、確かに、すれ違っているんだけど、お互いに
「相手にしてやってる」
っていう、相手を思う気持ちが何となく働いているのが、
見えてきたような気がするんですね。
うどん屋はうどん屋で、あれでも精一杯、酔っ払いの相手を
してるし、客は客で、辛気臭くうどんを食べるのもアレだから、
場を盛り上げようとしているのでしょう。そういう
プラスの気持ちのすれ違いというのが、こちらで想像できたって
いうことは、凄いことだと思います。
 すれ違いはすれ違いでも、心の余裕を、お互い感じれた所が、
本当に良かったと思います。
サゲもすっきり綺麗に終わったように感じました。
 一つだけ気になったことは、
お湯を足にかけるときに、客のリアクションが無かったように
思ったのですが、あれは無くていいのでしょうか?
紅雀さんの「風邪うどん」では、それが詳細にあったので、
基本的にあるものだと思っていました。普通は省略するもの
なんでしょうか。


会が終わった後は、
パンジョ5Fのホールから2Fに移動して、
にこさんとMさんと、三人でぜんざいを食べました。
(三人一緒のメニュー^^;)
あれこれ落語の話を出来て楽しかったです。

 帰りの電車では、
話に夢中になり、駅を乗り過ごすという
アクシデントに見舞われました。
酔って無いのに、この間の新年会と似たような
過ちをおかしてしまい(あの時は電車を乗り間違えた)、
どうしようもないなと思いました。
 さらに家に帰ってからも、
「高槻市は奈良の隣にある」という発言をしていまい、
母から、「あんたのカーナビは狂っている」
と言われました。

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紅雀さんの道具屋

紅雀さんの道具屋の特徴は、主人公が接客で失敗する度に、隣の店の人から指導してもらい、注意点を鮮明にして、次の応対をする所にあると思います。
ばかげた事をしているようでも、色々学習しながら応対している所に、ほのぼのとした人間性が滲み出ています。泥棒でも悪女でもそうですが、にじみ出るようなほのぼの感が紅雀落語の真髄だと思います。(←そんな たいそうな (*´∀`)アハハ)

もずさんへ

 紅雀さんの道具屋の魅力を、ここまで短い文章で的確に表現されるなんて、流石もずさんですね。
 紅雀さんの落語は、スピーディに感じるので(私だけ?)、あまり“ほのぼの”とした印象を受けたことが無いのですが、技術的な面で惹かれている部分が少ないのに、どうしてこんなに気になるんだろうと考えたら、もしかしたら、そういう根っこにある魅力に行き着くのかもしれませんね。「にじみ出るようなほのぼの感」って凄く良い響きだと思います。「実はほのぼの系」…紅雀さんの新たな肩書きに加えたいと思います。^^
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