動楽亭昼席

2012年1月6日(金)動物園前

桂 鯛蔵  「二人ぐせ」
桂 まん我 「寄合酒」
桂 雀三郎 「初天神」
桂 南光  「鹿政談」
~中入り~
豊来家 玉之助 「太神楽」(+獅子舞)
桂 紅雀  「不動坊」


紅雀さんはめっちゃ頑張ってたけど、
この日のお客さんは重たかったなあ。



お客さんの入りは、そこそこ。
障子はもう外してませんでした。
昨日よりもぐっと年齢層が高まった感じ。


トップバッターは、鯛蔵さん。
マクラというか、携帯オフの注意の呼びかけ、
「私は大丈夫と思っているそこのアナタ!」
“そこのアナタ”で膝立ちに(笑)。
かなりインパクトがあり面白かったです。
携帯は最後まで鳴りませんでした(やったね)。
 出した噺は「二人ぐせ」!
あの、浜屋敷で去年の春に聴いた以来。
その時もすごく楽しませてもらいましたが、
今回もしっかりと。
昨日の初天神よりも満足のいく内容でした。
(初天神もフルバージョンを聴いて凄く良かった
印象があるので、昨日はたまたまかな)
 テンポが良くってぐっと噺の中に
連れて行ってくれます。
 ご隠居が、主人公に、友達の好きなものを尋ねる場面、
パッと「将棋」と答えるんじゃなくて、ほんの少し、
考える間があればなあと思いました。
(こんな細かい注文が出るという事は、他にいう事が
思いつかないからです)


 お次は、まん我さん。
「明けましておめでとうございます。
…と言いたいところですが、
昨日までは、お正月の雰囲気もまだありましたけれども、
今日は流石にお勤めされている方が多いと思います。
今日のお客さんは、昼間から落語を聴きに来られて
いますが、一体何をしている方なんだろうと…」
思わず首を引っ込める私(笑)。
ええ年して昼間から落語聴いてごめんなさい!
10日から出勤なんです(><)
 まあ、まん我さんは、こういうお客さんがいるから
落語ができるのですがと仰っていましたが。
ドキドキしました。
 ネタは「寄合酒」。Bチームの時に聴きましたが、
少しずつ違うところもあって(たぶん)、
面白く聴かせてもらいました。
Bチームの時、私がぼ~っとしていたのかも
しれませんが、その時は、お酒を手に入れる場面は
無かったように思います。
(あったかもしれませんが、記憶に無くて^^;)
穴の開いた一升徳利で、お酒を手に入れる知能犯(?)。
そして、リーダー格の人が、
「後で何とかしておくから」という様な事も言っていて、
事後フォローをしてくれるなんて、
優しい人だな~と思いました。
 出番が二つ目ということもあってか、
すり鉢の(おたまのくだり)ところは語られず。
「かつおぶしの出汁」を取る男の辺りで終わったように
思います。残念(><)
 ところで、葱を塩もみする男のところで気づいたのですが、
葱を手に入れた経緯というのは、八百屋の丁稚さんの自転車から
拝借するんでしたっけ? 寄合酒は前座噺ではありますが、
フルバージョンはそこそこ長い噺なので、侮れないなあと思いました。
 それから、石松さんは、「かつおぶし」を、
二本の小拍子で演じていました。(鬼の角も同様に)。
まん我さんは、貼り扇と、扇子で演じてますね。
寄合酒は、演じる人によって本当に違いが出てくるのだなあと
思いました。
 昨日の「替り目」で書きそこねた感想があります。
まん我さんの落語を見ると、凄いお腹が減ってきて、
お酒を呑めないのに、アテで一杯呑みたいなあと思いました。


お次は、雀三郎さん。
昨日、紅雀さんが出ていた出番の所でご登場。
年季は倍以上違うのかな?
急に年季の次元が違う人が現れたので、
覚悟はしていたものの、おお! という感じ。
「初日の出を拝みそこねた人は今のうちにどうぞ」
「ご利益はありませんが」
この日もまぶしい持ちネタが光りました(笑)。
 子どもは罪がなさ過ぎて…と、
子どもに関する小噺をいくつか。ネタは「初天神」!
初めて見ました。私は心の中で雀三郎さんを、
「一門の親玉」と思っているのですが、
(もちろん南光さんが筆頭なんですけど、
一門の若手にネタを教えているイメージが強いので)
今まで雀五郎さんなど若手が演じてきた「初天神」を
ベテランさんがどのようにするのか、もの凄く興味が
沸いてきました。
「初天神の親玉が出た!」と思ったんですね。
 何だかもう、次元が全く違うという印象で、
本当に素晴らしいと思いました。(><)
「ここにハナクソを付けた子どもが…」
と、「ここ」と指をさす先が、けっこう曖昧なんですね。
顔の遠くから指をさしていて。
紅雀さんは、鼻の横(頬)とはっきり場所を指定していて、
「このハナクソのくだりは雀三郎師匠が教えてくれた所で…」
と、何やら言い訳めいた事を言っていましたが、
やっぱりハナクソを指さす仕草から違うなあと思いました。
 子どものあどけない表情など、本当に違和感無く、
噺に入っていけます。寅ちゃんと父親のやり取りが微笑ましい。
 一番衝撃を受けたのは、みたらし団子のタレを、
吸うところ。私が今まで見た、吸い方は、
閉じた扇子に添って、口を横へ移動させると言うものでした。
雀三郎さんは違っていて、団子のまるみを感じさせる
吸い方だったんですね。滑らかに口が横へ移動しないんです。
団子と団子の間って、タレが溜まりやすいじゃないですか。
そこもちゃんと吸ってるんですね。感激しました。
 これから若い子がどのように団子のタレを吸っているのか、
機会があればチェックしたいと思います。扇子を吸ってませんように。
 噺は、イカのぼし(凧揚げ)の所まで。
一応、サゲまで行きましたが、女郎買いの所はカットしたので、
フルバージョンではありません。
凧の糸を買うのに、寅ちゃんが、財布の中、全額使い果たしたと
知った父親が、「遊びに行く金が」と呟いた声が、
何気にフルバージョンの名残りだなあと思いました。


中トリは、南光さん。
トリにしてはマクラが長めだなあと思っていたら、
「鹿政談」でした。
初めて聴く噺でしたが、粗筋だけ知っていて、
ほんと粗筋のまんまだなあという内容の短さ(^^;)
 マクラの内容は、名物の話から入ったように思います。
南光さん、何と堺の名物「くるみ餅(かん袋)」が
大好物だとか。堺東で毎年一門会が行われているのですが、
米朝師匠のファンの方が、くるみ餅をいつも持って来てくれて、
南光さんは、それが楽しみだったそうです。
ところが、米朝師匠が堺東の一門会に出なくなった途端、
その差し入れが途切れてしまい(苦笑)、
無理やり連れて行こうかなと…。
 「おから」を何故、「キラズ」というのか。
(私の家では、ずっと「卯の花」ですけども)
豆腐は切るけど、おからは切れないから…。
これも米朝師匠の言っていたことで、
あまり信用してはいけませんと(笑)。
 米朝さんのお名前が何度も出ていたのですが、
この鹿政談も、もしかして師匠から教わったのかな?
と、ふと思いました。上方落語メモの「鹿政談」は、
米朝さんの口演です。
 南光さんの落語って、数えるくらいしか聴いた事が
ないのですが、声は割とガラっとしているのに、
どことなく品があるなあと思います。
 下町のにおいがする雀三郎さんとは、
対照的かも、と思いました。


中入り後は、
豊来家 玉之助さんの「太神楽」。
昨日と同じ内容かなと思っていたら、
ちらほらと違いました。
大きさの違う紅白の玉をお手玉する芸や、
朱塗りの太い棒(三本)を投げる芸は、
一緒だったのですが、
(「風が強い!」も出ました)
長い棒を垂直に顎へ乗せて、その上に達磨さんを
皿に乗せて、回したり。
他にも、昨日とは違うなあという芸がありました。
 獅子舞は、昨日、高座から降りて来ましたが、
今回は下りてこず、舞いの内容が割と違ってました。
風呂敷(獅子舞の体部分)を両手で広げて、
ねじって裾を持つ体勢がすごく格好良かったです。
眼福でした(^O^)。


 トリ(最後)は、紅雀さん。
マクラは、どうするのかなあと思っていました。
(再びアンパンマンミュージアムかなと)
ところが初めて聴くゴルフの話でした。
馬券のブログには一度、義父さんとゴルフをした事を
書かれていたのですが、どうも違う人のよう。
土建会社の社長と言っていました。
雪の降る中、ゴルフを続行するお二人(笑)。
なかなか楽しかったです。
 ネタは「不動坊」。こごろうさんの熱気にあてられて、
冒険するようなネタを期待していたのですが、
これはもう、Bチームの時と比べるしかありません。
 内容は、Bチームの時と見劣りしないはずなのに、
お客さんの笑い声が少なくて、ちょっと寂しかったです。
(実は、紅雀さんだけじゃなくて、全体的にお客さんの
笑い声が少なかったんですね)
演者と客の相乗効果というものは、そう簡単に出せるもの
ではなかったのだなあと、思いました。
 それにしても、めげずに最後まで全力を尽くしたなあと
思います。紅雀さんは環境によって落語が変わらない持ち主
なのでしょうか? この間も、べにこごで、建物の外から
車のエンジン音か何かがずっと聞こえていたのですが、
ふつうに、噺をやってました。
 重たいお客さんには、どうしたら良かったんでしょうね。
(私もそんな客の一人でしたが)
文紅さんの日記には、若き米朝さんが後輩に対して、
「重たい客には、くどくやれ」
というアドバイスをした事が残っていますが、
くどくやったら、ますます重たくならないのかなと(^^;)
素人考えで、そう思ってしまいます。
オーソドックスに渋くやったら良かったのかな。
(紅雀さんがそうしている姿は全く想像つきませんが)
(というか出したものが紅雀さんのオーソドックスなんだと思う)
重たいお客さんも絡め取れるような、そんな噺が出来たらいいですね。
 カルタ先生がお酒を呑む場面は、
カットされていましたが、前回よりも切込みが深くなっていて、
長襦袢を着る場面もありませんでした。
(ここのカットに関しては別に「ふーん」という感じです)
(あった方がいいのにな、とも思いますが)
 ゆうさんが、「あんころ!」と答えた後に、
「にこっ」って笑うところが良かったです。可愛い。
 カルタ先生が上を見上げるタイミングは、
今回、違和感を感じませんでした。
ゆうさんと徳さんが喧嘩をして「上を見上げる」。
徳さんは、あわてて、カルタ先生を下ろしにかかる。
下ろす最中に徳さんが「泣くな、飴をやるから」
「にこっとすな!」。
前回は、もしかして「にこっとすな!」の後に、
カルタ先生が「上を見上げ」ていたのかもしれません。
 それから、見台より下手(舞台に向かって左)に
なると、そこは下に井戸のある場所なので、
「こっちへ行ったら危ない!」と
カルタ先生が空中で移動する場面。
Bチームの時は、中央辺りの客席にいたため、
その仕組みがよく見えたのですが、
今回は、上手側の客席に居たために、
見台そのものが邪魔で、井戸が下にあるとされている場所が、
よく見えませんでした。
空中で、吊るされている状態なのに、場所を移れるのか、
と冷めた目で見てしまいました。
(前回の興奮は一体…)
 サゲは「さっきまで宙に浮いてました」。
疑問に思ったのは、井戸が下にあるという設定の箇所のみで、
他は、十分に楽しませてもらったと思います。
 「掃き溜めに鶴」って意外とダメージを受ける言葉なんだなあと
この日初めて思いました。お滝さんがパーフェクトすぎて!


動楽亭昼席のトリは、
中々、一本取られた!という出来のものに
めぐり会えません。(;_;)

今の心境は、たとえて言うなら、
忠臣蔵のハラキリの場面です。
「力弥、力弥。由良之助は?」
「ははぁ。未だ参上…仕りませぬ」

早く「待ちかねた」と言いたいです。

コメントの投稿

非公開コメント

不動坊

さきさんの気持ちもわかります。(笑い)
Bチームの時、私も同じような気持ちでした。
( ゚∀゚)ギャハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
Bテームの不動坊は、どうだったか知りませんが、前私が動楽亭で見た不動坊は、マクラなしでしたので、今回はマクラもあり大満足でした。
ウッシッシ

もずさんへ

 いつも前向きな評価をしてくれるもずさんに感謝です。また後ろ向きな感想を書くところでした。以前、動楽亭で見た不動坊は、私も見ているはずなのに、マクラが無しだったは全く覚えてませんでした(汗)。たしかに今回は初めて聴くマクラで、嬉しかったですね。^^
 Bチームのお客さんと、この日のお客さんの温度の違いは本当に勉強になりました(><)
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
ブログ管理人(湖涼)の連絡先
jaimo.koryou★gmail.com (★を@に変えて下さい)
@koryou_ツイッターです。
2つのアクセスランキングに参加しています。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 落語へ
↑にほんブログ村

最新記事
最新コメント
リンク
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カテゴリ
月別アーカイブ