べにこご

2012年1月3日(火)中崎町

桂 こごろう「おごろもち盗人」
桂 紅雀  「べらべら」(小佐田 定雄 作)

アンケートフリートーク
①今年の抱負
②思いが伝わらなかった思い出
③こんなバメンが苦手


まさか紅雀さんの新作が聴けるとは…!(T▽T)



年末の落語会が、
あまりに大盛況だったので、
年始もそうなるのかなと、
思っていたら…
何と、
15人弱ほどのお客さん(吃驚)

一時間前に並ばないとダメなのかと思って、
中崎町をウロウロしていた私って一体。

(中崎町の商店街に、
cafe ラビレヴ」というお店があり、
定食セット、美味しかったです。^^
1月3日から開店しているなんて、
地獄で仏でした…)


ピーマさんにご挨拶して、
見ず知らずの方に、お手洗いの場所を教わりました。
ずっと謎だった、べにこごのおトイレ。
外にあると聞いていたのですが、
隣の喫茶店と共同で使っているため、
その喫茶店がお休みのため、
予想をはるかに超えた暗さでした。
本体部分は兎も角、手を洗う場所が真っ暗で、
“「手洗い場」→ ”→の先が闇なんですよ(笑)。
目がやっと暗さに慣れてから発見しました。
古い長屋の名残りなんでしょうね。
冒険させてもらいました。
もう一度行きたくなるトイレです。
(スリルが好きな人向け)


そういうこともあって、
開場を待っていた人たちとは、
遅れて、開場入りしたのですが、
入り口に、こごろうさんが立っていてドッキリ。
受付に、スーツ姿の紅雀さんがいて
ドッキリビックリしました。
紅雀さんは昼間、大きな落語会があったんですね。
(帰って調べたら、こごさんも動楽亭に出てました)


はじめに出てきたのは、こごろうさん。
羽織は雪が降っている模様で素敵でした。
お正月の3日から来て頂けるとは…と、ご挨拶。
昔の泥棒の手口を話し始めたので、
もしや、おごろもち盗人では? と思いました。
このネタ、面白いのに、何故か若い子たちの間で
見ない噺です。
(佐ん吉さんはするみたいですが未見)
生で見たのは、まん我さん吉弥さん以来かな。
 かんぬきを外す説明が凄く丁寧で、
とても分かりやすかったです。
左手の指の間に畳んだ扇子を挟み込んで、
逆の手でその扇子を外すのですが、ほんとにリアルで
びっくりでした。
 そろばんの音は、さきさんの前評判どおり、
すごく綺麗。全くぶれません。主人公の奥さんは、
まん我さんの方がすねた顔が可愛かったかな。
こごさんは、すねる顔を出さない感じで、
おこた代わりの夫とはっきり言い切っています。
(この日だけなのかもしれませんが…)
ただ、そういった夫婦のぬくもりは、間接的に
表現しているように思いました。
「人の気配がしなくなった(夫婦が寝静まった)」
とか、
手が抜けなくなった泥棒が、
「(家の中にある)手の部分だけ温かい」
と言うところがあり、そこがおかしかったです。
(あと、指で“ごめんなさい”と謝る仕草も!)
夫婦には、泥棒の手しか見えていない状態。
家の壁が、夫婦と泥棒をはっきりと隔てている、
それをくすぐりに使っていました。すごい。
 あと、“両手”が抜けなくなったのは、
こごさんだけでしょうか?
吉弥さんもまん我さんも右手だけだったような。
(左手はしびれた?か何かで使えない)
両手が抜けなくなった所、すごく良かったです。
ポーズが…(笑)
犬が出てこなかったけど、その代わりなんでしょうか?
 泥棒の態度がころころ変わるところも良かったです。
気になったところは、五円が無いとぼやいている男の
兄貴分が回想に出てきて、何故、五円が必要なのか、
その説明をしている場面でした。
この兄貴分って、人として出す必要があるのかなと。
男のぼやきの中に出せば済むのではと思いました。
 また、月明かりが出ているので、お金が落ちてないかと
探す所も、そこまで克明に、男と盗人を出会わせる
お膳立てをする必要があるのかなと思いました。
 月の薄明かりの中、ぼやきながら歩いていると、通いなれた道に犬ではない何かが居て、男が目を細めて近づくとびっくり。「あんた、何してまんの?」男と盗人は唐突に会う感じで…
 私は落語の暗いモヤモヤした部分も好きなので、
そこにわざわざ明かりをともさなくても良いのではと、
思ったんです。これは好みの問題ですね。^^;
「上方落語メモ」にも載っている部分ですし、
私が以前聴いたのは、だいぶ前なので、そこの部分が無かった、
というのは、記憶違いかもしれません。


お次は、紅雀さん。
 マクラは、今日の新年会(落語会)の口上で、
どうも、ウケが悪かったという反省etcを(^^;)。
この後のアンケートフリートークでも
明らかになりますが、どうも紅雀さんは、
人(師匠)の目を気にするタイプらしく、
(落語を聴いていると、とてもそう見えませんが)
自分の立ち位置や役割を考えてしまうのだとか。
 べにこごの紅雀さんのマクラは、自由な感じがして
いいですね。他の会では、制限時間があるのか、
少し無理をしているように見えるので…。
思いつくままに話している様子、
すごく自然体に見えます。
これを他の会でも出せたのならと^^;
(べにこごがホームグラウンドという事でしょう)
 マクラって、お客さんを自分の味方に付ける
突破口のような役割があると思うので、
ここで笑わせて、味方にしようという気持ちが
どうしても強くなると思います。で、強くなりすぎると
心を開いてないように見えるんですね。う~ん。
狭い門から手を出して、お客さんをいじってる感じで。
もうちょっとその門、開いてくれないかなあと思うわけです。
まあ、お客さんのタイプによってマクラを変えるくらい
器用な芸人さんなら、私はそんなに興味を示してないのかも
しれませんが…。
 いっそのこと、心を開いてくれなくていいから(決め付け)、
手を顎にやって、ちょっと思案するポーズを取って欲しいです。
(※べにこごでしか見れない紅雀さんの仕草だと思う)
「もしかして、今、心が開いてる状態?」
っていう錯覚をお客さんに感じさせるという…
(それは私だけかも^^;)
 紅雀さんのマクラ同様、前置きが長くなりましたが、
「べらべら」は、中々よかったです。
小佐田先生の作った噺の中で、一番好きかも。
無駄話ばかりして、うっかり口を滑らし失敗してしまう奥さんが
尋ね人の捜索にひと役かうという、ごくシンプルな噺です。
欠点が、思わぬところで利点になるっていうのは、
凄く、落語の原点に近い気がするんですね。
無駄な飾りが無いところも私の好みです。
(ピーマさんは、お嬢さんが恋に落ちる周辺をもう少し
膨らまして欲しいそうですが…)
それは追い追い、追加されていくような気がします。
「崇徳院」では若旦那を救うため熊五郎が活躍しましたが、
「べらべら」ではお嬢さんを、奥さん方が(救いたいという使命感はそれほど無いかもしれませんが)、手を差し伸べることになります。女が捜索するならこれだろう、という小佐田先生のアイデアが光ります。オチも洒落てて好きです。^^
 気になったのは、冒頭、主役となるお上さんが、
まくしたてるように、薬屋の主人に対し、話をする場面。
「おしゃべり」な人だからといって、
早口で話すとは限りません。
紅雀さんは、早く話しすぎて、お上さんの
「話しても話し足りない」女の欲求を上手く
反映できて無いように思います。
もう少し、ゆっくり話さないと、
苦手だから、早く話し切りたいのか? と
思われかねません。
 それから、お嬢さんが寝込んだのは五日前と聞こえたのですが、
五日前に寝込んで、あと五日の命は、バランス的に見ておかしいので、
二十日前に寝込んだ方が良いのではないでしょうか。
 全体的に見ると、冒頭は冷や冷やしっぱなしだったのですが、
お上さんと男が話す場面(夫婦の会話)以降は、
テンポ良く本当に楽しませてもらいました。
お上さんがお喋りになった理由が可愛い。^^
 女房が主役の噺って、紅雀さんの持ちネタだと、
意外と珍しいのかもしれませんね。超レアやな~と思って
見てました。


中入り後は、
お客さんが書いたアンケートを元にした
お二人によるフリートーク。
全員書かなくても良いものなので、
今回は10枚あるかないか位だったと思います。

アンケートを読む前に、
お二人で自由に話をする時間が長かったです。
紅雀さんの今年の抱負は、
「勉強会」
2ヶ月に1度開く予定だそうです。(^o^)やった!
こごろうさんは、特に抱負を語らなかったように
思うのですが、
(紅雀さんは、こごさんが襲名して、
遠くに行っちゃうのが寂しいから勉強会を開くのだと)
こごろうさんは、襲名前も後も、何も変わらない、と。
緊張はするかもしれないが、プレッシャーは全く無いと
言っていました。襲名する名前の噺家さんと面識が無い
というのも理由の一つかもしれませんが…。
 紅雀さんは、大きな落語会が続くので、
それがプレッシャーになると思っているようです。
襲名披露公演は、事務所も付いてるし、師匠たちも出演してくれるし成功すると思う。でも、自分の落語で満足できるものを出さないと。
他人の目を気にする事無く、自分の芸を深化させて行きたいと。
(もうそこで自分と差がついちゃってるじゃないですか、
と、紅雀さん)
無駄な気負いがないこごろうさん。
タバコを止め、パチンコを止め、TVも見るの止めようかなと。
紅「それって、うつ一直線じゃないですか、大丈夫ですか、
発散してくださいよ」
こ「それはしてるから、大丈夫やで」
紅「何で(発散)してるんですか?」
こ「それは、ここで絶対に言われへん」
・・・
気になる(><)


フリートークのコーナーは、
紅雀さんがどんなに良い事を言っても、
ああ、今、良いこと言っているんだろうな…
という瞬間はあるのですが、
何故か私の記憶に殆ど残らないのです。
漫才のように、一瞬は面白いけど記憶に残らない。
記憶に残す「取っ掛かり」部分が無いと、
全くダメみたいです。
落語は、この場面!と覚えれるのですが…。

落語以外で紅雀さんに良心的な評価を
加えたくないのかもしれません。


今回のフリートークは、
お二人が芸談を真剣に語っている場面が
印象的でした。
受けないのが一番イヤ、とか、
笑わせないと気がおさまらない様子。
芸人さんとしての
プライドみたいなものを感じました。

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べらべら

昨日はお疲れさまでした。
紅雀さんの口から「道修町の大黒堂さん」やったかな?の屋号が出てきて、「来た~!!!」と思いました。こんなところで「べらべら」と再会するとは。
初演の時は、緊張していたのか、湖涼さんが「早口」と言うところがもっと聴きづらかったというか、五月蝿い感じで印象が良くなかったのです。それが「なんか散らかった感じ」という印象になったのかもしれません。
今回も確かに早口ではあったけど、初演に比べると余裕を感じました。話し込んでいくうちにもっと良くなる気がします。

べにこごレポありがとう!

湖涼さん、あけましておめでとうございます!
涙をのんで諦めたべにこごですので、湖涼さんブログを
楽しみにしていました^^
例月以上に深い会場の雰囲気が伝わって来ました。
ほんっとにありがと!

それにしても、私が行けない会でばっかり
「おごろもち盗人」を掛けるなんて・・・こごろうさんめっ!
↑なぁんて全然許しちゃってるんですけどね^^

ピーマさんへ
 貴重な初演時の印象を教えていただき、ありがとうございます。五月蝿い感じって(笑)。だんだん良くなっているようで、ほっとしました。以前、あらすじをメールで詳細に教えてくださった時は、もの凄く長い内容を勝手に想像してしまい、超大作を先生は紅雀さんに託されたのだなあと思ったものですが、意外と引きしまった内容で、こんな可愛らしい噺だったんだと思いました(^^)。


さきさんへ
 改めておめでとうございます(^^)>
噂の?おごろもち盗人、拝聴いたしました! 家に帰って別の噺家さんの動画を見ましたが、こごろうさんのような細やかな動きが無くて、とても同じ噺に思えませんでした。
 べにこごは、初めて来たお客さんもいたようですが、いつもよりディープな雰囲気で圧倒されました。それにしてもさきさんが居ないべにこごは、紅雀さんのフリートークの良さを中々抜き取れず、四苦八苦しました。ずっと頼りっきりだったんですね…
プロフィール

湖涼

Author:湖涼
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