延陽伯のサゲ

延陽伯のサゲについて、色々と考えてみたのですが、
中々、良い結論が出ません(^^;)
取り合えず、先日のget's 待っツの感想の追記という形で、
メモしておきます。



紅雀さんの延陽伯のサゲに関して、
「変えたらいいのに!」なんて、コメントを
書いてしまったのですが、
どう変えるの? と、改めて思いまして…。

「御公家女房」のサゲ(八百屋さんオチ)の方が分かりやすくて好き、
とは書いたのですが、
延陽伯のサゲを「御公家女房」のものに変えるのは、
やはり、まずいだろうと思います。
というのは、「御公家女房」は、男の妄想時間を短くした分(あるいは無い?)、
八百屋さんとお嫁さんのやり取りに、かなり時間を割いています。

・「延陽伯」 お嫁さんが嫁いだ翌日に八百屋が来る。お嫁さんが主人公と買い物の相談をして、サゲ。(嫁いだ翌日にサゲ)

・「御公家女房」 お嫁さんが嫁いだ翌日に八百屋が来る。お嫁さんが主人公と買い物の相談をする。八百屋から葱を買う。数日後(?)、別の?八百屋が来て、言葉の難しいお嫁さんと話している。主人公が不思議に思う。八百屋が種明かししてサゲ。(嫁いだ数日後にサゲ)


延陽伯の噺のキモは、男の妄想部分です。
それに「御公家女房」の八百屋のサゲを付け足すと、
どっちがメインだか分からなくなってしまいそうです。


もう一度、紅雀さんの延陽伯を聴かないと、
何とも言えないと思うのですが、
get's 待っツで聴いた印象だと、
主人公の火事の妄想→何もすることがない(将棋する?)→寝る
「何もすることがない」という場面で、
新婚さんの空気がもの凄く濃厚に感じられたんですよ。
それ以前に、もしも子供が出来たら…という妄想も、
凄く楽しかったですし、
「何もすることがない」→寝る
ここで、物語が綺麗に完結した印象があるんですね。

翌日の、八百屋さんを出すくだりで
「あ~ら、わが君。あ~ら、わが君」と、お嫁さん。
もの凄い、のんびりした口調で、
何か“後日談”が始まった感じがしたんです。
サゲに入る助走なんですけれども、
それが長いような気がしたんですね。
紅雀さんが、延陽伯のあちこち(風呂場・たくあんの音)をカットしたのは、
ここをまどろっこしく感じさせないためだったのかなと、
そう思ってしまいました。


「恐惶謹言(きょうこうきんげん)」「依ってくだんのごとし」は、
手紙の文末に書く言葉だったそうです。
滅び行く文化に手を差し伸べるのも、紅雀さんらしいかなと
思います。
噺の切れ目は、「何もする事がない」→寝る。
という印象でした。
その後に続く場面を、どう捉えるのかは、
観る側の心持ち次第だと思います。


これは、私の勘違いなのかもしれませんが、
お嫁さんが夜中に手をついて、
「いったん偕老同穴(かいろうどうけつ)を結ぶ上は、百年(ももとせ)千歳(ちとせ)を経るとも、君、心を変ずることなかれ」
と言う場面。紅雀さんは、言わなかったような?
ここは、お嫁さんが大事なことを相手に伝える場面ですので、
分かりづらくても、入れて欲しいです。
偕老同穴(かいろうどうけつ)は、確かに聞きなれない言葉ですが、
「君、心を変ずることなかれ」は、真剣な表情で言えば、
伝わりそうな気がします。

ワンクッション入れれば、
翌朝~八百屋のくだりの印象も変わるかもしれません。


延陽伯のサゲ、
お嫁さんが「(略)ご飯を召し上がられてしかるべく存じたてまつる。恐惶謹言」
主人公「飯を食うことが恐惶謹言なら、酒を飲んだら、酔って(依って)くだんの如し、か」
なんか、主人公のIQが急に伸びて恐いです…。
そもそも、字が書けないという設定なのに、
何故、「依ってくだんの如し」と言えるのでしょうか。


実は、二人が寝静まった後、
本当に長屋に火事が起きて、大騒動になり、
地口オチで終わると云う噺を思いついてしまいました…。
しかし、これも、
後日談っぽい流れです。orz

それでも、延陽伯のサゲは、そろそろ変え時だと思う気持ちは
余り揺らぎません。

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落ち

「朝からそんな難しい言葉をよく使いますね」と夫が言ったら、妻が「朝飯前なりや」という落ちはご存知かな?私は三喬さん・春蝶さん・福矢さんで聞いています。分かり易くてよい落ちだと思っています。

もずさんへ

延陽伯って他にサゲがあったんですね(びっくり)。いつも貴重な情報、ありがとうございます。^^ 確かに分かりやすくて可愛いサゲだと思いますが、何となく、紅雀さんがしそうにないサゲですね(汗)。個人的には、“朝飯前”をするなら、“依ってくだんの如し”を貫いて欲しいなあと思います(わがまま)。

それにしても、延陽伯は「御公家女房」に取って替られ、演(や)り手が少ないネタだと思っていましたが、そうでも無いと知ってほっとしています。
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