get's 待っツ 動楽亭

2011年10月27日(木) 大阪市営地下鉄「動物園前」

桂 吉弥  「厄払い」
桂 吉の丞 「強情灸」
桂 紅雀  「延陽伯」
~中入り(フリートーク)~
桂 ひろば 「動物園」
桂 佐ん吉 「抜け雀」


マクラたっぷりめで、ちょっとねっとりした感じの延陽伯でした(^^)
次回は、11月21日(月)です。




二番太鼓の笛の音が、めっちゃ綺麗で私好みの力強い感じでした~。
10月10日の動楽亭昼席の笛の人と同じ気がする…!(思い込み)
やっぱり、紅雀さんじゃなかったみたい(^^;)
この日、紅雀さんが一席終わった直後に、中入りの音楽(笛の音)が鳴ったので…。誰なのかとっても気になります(><)


トップバッターは、何と吉弥さん!
この会、前座率が高いような気がします。
若手にトリを譲って、力を付けさせようと…(ToT)<ええ人や~
もの凄く充実した内容。
前菜からトリュフが出てきた感じです(笑)。
「厄払い」は、初めて聴くお噺でした。
序盤は、「牛ほめ」に似ています。
年末の“お払い廻り”に出かけて、お小遣い稼ぎをしろと、
ご隠居さんが、ぶらぶらしている主人公に教えます。
なのに遅刻して、ご隠居さんに怒られる主人公(ここから牛ほめと違ってきますね)。
にわか仕込みで“お払い廻り”に出かけますが…。
頼りない主人公と、厄払いの依頼をしてしまったお店の旦那さんの
やり取りが面白かったです。
同じ噺でも、吉弥さんの「つる」の主人公より、「厄払い」の主人公の方が、一本筋が入っているようで、好きです(^^)。
 吉弥さんに関しては、余り“こうして欲しい”という要望が出ません。
そういう領域に達しているのでしょうか?
舞台に出てきた時のオーラも凄いんですよね…。


お次は、弟弟子の、吉の丞さん。
 出囃子は何と洋楽風。「ユア・マイ・サンシャイン」(英語で書けば良いのに^^;)。豊田のおっしょーさんに無理を言って弾いてもらったそうです(チラシの写真撮影やデザインもされていると云う公美子さんかな?)。噺家になって9年目で、そろそろ出囃子を決めないといけないそうなんですが…。安室奈美恵さんの同名曲もあり、自信がないのですが、一応、これかな? という動画を貼っておきます^^「You Are My Sunshine」間違ってたらゴメンなさい。m(__)m
 get's 待っツでは、マクラを余り考えず、ここへ出て来てしまいます、と。先月と同じような言葉を(笑)。その割には、すらすらと、師匠である吉朝さんの七回忌の落語会の案内や、ご自身の落語会が如何にピンチな状態なのかを、面白おかしくお話されてました。
 今回出した「強情灸」は、以前、動楽亭昼席の前座で聴いています。
・熱さに苦しむ時間が、少し長くなっていて、満足(^^)。
・油で揚げているのに“釜茹での刑”と言うのは、以前は違和感があったのですが、今回は気にならなくなりました。慣れの問題かなあ。。
・お灸屋さんに並ぶ、女の人が凄く色っぽくて良かったです!
吉の丞さんって、ガラ声なのに(特にこの日は、なにわ探険クルーズのお仕事の後だったので、声色が荒れ気味でした)、女性を演じると、いつもちょっといいなあ、と思います。身体を斜めにする角度がいいのかな? 襟元を直す仕草が、他の人よりも、ぐいっと大きく引っ張っているように見えるのですが、ほんまの女性がそういう風に襟元を直すのかどうか分からないんですけれども、リアリティがあるように感じるんですね。魅力ある女性を演じられるというのは、今後、本当に強味になってくると思います。
・噺の強弱のつけ方
何でしょう、やっぱり、こごろうさんと比べてしまうからでしょうか? 「強情」は、こういう調子で話していても、違和感が無かったのですが、「強情灸」は、もう少し、押すところよりも、引くところが欲しいと思ってしまいます。こごろうさんは、強弱のポイントをよく押さえているなあと、改めて。例えば、主人公が「ブチブチブチっと五本は(堪忍袋が)切れたな」と、言う台詞があります。「ブチブチブチ」が、弱から強への、クレッシェンドなんですね。そこで、可笑しさが出ているような気がします。これはあくまで一例で、吉の丞さんが本当にこの通りしたら笑いがもっと大きくなる、なんていう保証はありません(汗)。彼には彼なりの語り口調がある訳ですから…。でも、もし強弱をつけたいなあと思われるのであれば、こごろうさんの音源を聴いて欲しいと思います。


お次は、紅雀さん!
あれ?ちょっとお顔が赤いような…。ちょっと熱っぽい??
第一声は、吉の丞さんと同じように前回と一緒(笑)。あのーーーー…(考え中)。お客さん、クスクス笑(わろ)てる。「大阪市出身の噺家さんは、故郷で、自分を応援しよう!というムードが余り高まらなくて(近所に寄席小屋があるため。落語が珍しくない所為でしょうか?)困っているという話を聞きますが、自分は一応、滋賀県出身という事になってまして、そちらでは、落語会を開いたりして応援してくれるのですが…」と、こういうような出だし。事務所では、滋賀県出身と書かれてあるのですが、ほんまは違うそうです(^^;)<けっこうややこしくて、生まれは京都市内の病院で、すぐ大阪の高槻へ移り、小学二年までそちらで過ごされたそうです。で、滋賀の方へお引越しされたとか…。今、連絡を取り合っているのは、滋賀の知り合いで、高槻時代の人は誰もいないそうです(ミクシイとかフェイスブックをすれば見つかるかもしれませんが…)。故郷って何なんだろう? という問いかけをされていたような。ご自身のルーツにまつわるお話(ご結婚された時も、しばらく言わなかったのに、知っているお客さんがいたとか^^;)をされていて、ある意味、めいぷるやべにこごよりも、胸襟を開いて話をされているように感じて、ドキドキしてしまいました(汗)。get's 待っツでは、徐々にお客さんとの距離を縮めてきたなと思っていた所へ、急に距離を詰め寄られた感じで…。「皆さんパーソナルな情報で興味ないかもしれませんが、話したいから話します」と。これも矢張り熱のなせるワザなのでしょうか。あの~酔ってるわけじゃないですよね??(失礼千万)
 噺は「延陽伯」。噺に入って、やっと紅雀さんを安心して見れるようになります。マクラの紅雀さんは、色んな意味で恐いです(笑)。ヒヤヒヤしたり、ドキドキしたり…。内容は、「御公家女房」とほぼ同じですが、細部が違います。「御公家女房」は、お嫁さんが、お公家の生まれのお嬢さん、「延陽伯」は、公家のお屋敷に奉公へ行っていたお嬢さん。だから、言葉遣いが難しいという設定。ここは、延陽伯の方が好きな所。ただし、サゲはどうしても「御公家女房」の方が分かりやすくて好きです。それから、男が、もしも子供が出来たら…と、妄想するところは、延陽伯のみにあるものか、もしくは妄想が長いと思います。紅雀さん、妄想の子どもに「おとうちゃん」と言われて、「生きてて良かった」と(笑)。ハムハムは無かったけど、面白かったです。^^ ここの妄想するところ、枝雀さんだともう少し長くて、お茶碗を叩く音?や、おつけものを噛む音が夫婦で違う、というものが入っていたように思います。あと、お風呂に入って浮かれる場面もありました。これは、紅雀さんだと無かったです。無くて良かったなと思ったのは、お風呂に入って浮かれる場面が、「不動坊」にあるからです。お茶碗を叩く音~(略)が無くて良かったと思ったのは、親子三人で手を繋ぐ妄想でお腹がいっぱいになったから。後もう少し、噺を絞り込めるのでは、と思ったのは、終盤あたりで噺が長く感じたせい。今まで、紅雀さんの噺は、長くないと気が済まなかったのに、刈り込んで欲しいと思うのは初めてかも…。この噺、枝雀さんから直接教わったと聞いていています。流石に、つけ入る隙がありません(汗)。「親子酒」同様、血肉となっているような印象でした。テキストそのものに、迷いは無いのでは…と勝手に推測。それでも、舞台から去るときは、首をかしげてました。Why? 噺そのものには、まだ改良の余地があると思うのですが(特に終盤辺り)、何だかメスを入れるのには、ためらう様な内容でした。それくらい、噺と紅雀さんが一体になっていたなあという事です(^^;)。新婚さんの夜をこっそり見ているような感じで、ドキドキしました。色っぽさと言ってよいのか分かりませんが、若い男女の緊張とトキメキがよく伝わってくる内容だったと思います。

※追記
枝雀さんは、火事の場面で噺を終わらせていたようですが、紅雀さんは、恐惶謹言(きょうこうきんげん)・酔って(依って)くだんの如し。とサゲまで言っていました。火事で終わらせると、二人の「そろそろ寝よか~」というやり取りが無いので、淋しいかもしれませんね。ただ、翌朝~八百屋さんが出てきた辺りで、やり取りが少し長く感じました。難しい! 参考になった「延陽伯」のページ、リンク貼っておきます(>_<)


中入りは、恒例のフリートーク。
ひろばさんのNHK新人賞のテレビ出演が主な話題でした。
来年は、出場されないようです(しょんぼり)。
佐ん吉さんと吉の丞さんを応援すると言っていました。
まん我さんの師匠・文我さんが観覧席に来ていたという話も出て、
ひろばさんの師匠・ざこばさんは? という問いかけに、
後で電話があって、トラの着ぐるみを着る時、頭の部分はもう少しリアルに被った方がいいんじゃないかと云うアドバイスを頂いたそうです。へえ~!
紅雀さんは、(競馬など)当てもんは好きやけど、当てられるのは嫌い、と(苦笑)。
賞やレースに参加する気はなさそうな発言。馬券のブログの裏話を少しだけ。
ここには到底書けません…。ちょっとショックな内容でした。(と言っても、深刻なものではありません^^;)表裏を使い分ける時は、使い分けるんだなあと思いました。


中入り後は、ひろばさん。
フリートークの最後に、佐ん吉さん?が、お客さんも、兄さんの動物園、見たがってますよ(^^)という発言があり、NHKに出たものと(たぶん)同じバージョンを披露してくれました。最近聴いた、優々さんのと聞き比べ。11分以内に終わらせないといけないので、あちこち刈り込まれていると思うのですが、気づいたのは、冒頭、主人公がご隠居さんに仕事を紹介され、「そんなん、いややわ~」と拒否するところが無くなってました。あっさりと、仕事を引き受けます。心の中で、勿体無い(><)…と思ってしまったのですが、これも時間制限があるため仕方が無いのでしょうか…。動物が干支順に並んでいる、という所は、優々さんと一緒でした(びっくり)。こごろうさんには無かったような?(動画しか見ていませんが…)。それから、パンを持つ子どもが母親と手を握る腕の角度が違いました(細かい!)。優々さんは、少し手を上げている感じで、ひろばさんと、こごろうさんは、腕を真横にしています。優々さんの子どもの方が幼いイメージがあるのは、どうも、あどけない目線だけではないようです。ひろばさんとこごろうさんのは、小学低学年くらいの子どもでしょうか。母親と手をつなぐのは、今の感覚で言うと、小学校へ入学する前ですね。昔は、違ったのかもしれません。好みから言えば、優々さんの出す子どもの方です。
 トラの毛皮のチャックを閉める場面は、ハラハラドキドキしました。チャックって引っかかると恐いので。そして、ピチピチの虎やな~! は、やっぱり面白かったです。^^ それから、虎の頭部を被る場面は、師匠のアドバイスどおり、被りづらそうにして、被っていました。これには、お客さん大喜び。先ほど耳にしたアドバイスを早速、実践してくれた訳ですから。
 ライオンが虎の檻に入って来る場面は、「来るな~!」と、その場から、動かずに言っていました。ちょっとずつ、後ずさって言った方が、リアリティがありそう。。こごろうさんは、前に出て威嚇してましたが(笑)。
 大熱演の「動物園」でした。11分以内というのは、落語にすると、大変つらい足かせなんだなあと実感。吉の丞さんと同じく、“一歩引く”部分が欲しかったです。思えば、馬るこさんも一歩引いていなかったように思います。そんな時間は無いんでしょうね…。再々こごろうさんを出して申し訳ないのですが、ご隠居さん(上座の人)が、「うんうん、そうやそうや」と頷きながら相手に仕事の説明をする場面で、話の途中、主人公(下座)が嫌な顔をしたのか、「まあまあまあ…」と制するような声を出していました。これは、間接的に、相手が一歩引いた表現を入れたのだと思います。匠の技ですね。


トリは、佐ん吉さん。
GUNLUKさんの感想で、「抜け雀」をもうすぐ出すような話が出ていたので、期待は急上昇↑↑。…が、私は、「抜け雀」のストーリーを知っておりません(汗)。「竹の水仙」かなあ、と途中まで思っていました(^^;)。物語の序盤、謎の浪人風の男が、宿屋に寝泊りする様子が描かれます。それが、「繰り返し」語る部分で。ウトウトしてしまいました(ごめんなさい)。目が覚めたのは、宿屋の主人のお上さんが出てきてから。「あのヨロピーが」と(笑)。目を剥くような表情がやっぱり面白いです(><)。それから後は、ぐいぐい、物語に引き込まれました。絵師が絵を描く場面も良かった様に思います。「絵が完成した~!」と云う表情がナイスだと思いました。まだネタおろしされたばかりかもしれませんが、中盤~終盤は、出すたびにきっと良くなると思います。問題は、序盤の繰り返しのところ。ここは一朝一夕で上手くならない難関(だと思う)。淡々と同じ人の動きを語るのに、何か面白いことが起こるのではないか、とお客さんを噺の世界に引っ張り込むのは、容易ではありません。恐らく、佐ん吉さんの手元には、目指したい人とか、超えたい人の音源があると思うので、コツか何かを掴んで欲しいと思います。これは本当に、私が具体的にどうこう言える領域ではないので、辛いところです…。淡々と語っているのに面白い! と思ったのは、文我さんの「田舎芝居」くらいでしょうか。かれこれ3年前くらいになりますが…。
 色々ごちゃごちゃした事を書きましたが、聞き終わった後は、満足感が得られるくらいのものだったので(やっぱり追い上げがあると嬉しい)、帰りの、駅へ向かう足取りはは、スキップしたいくらい軽かったです(^^)。get's 待っツ 動楽亭、以前までは割高感もあったのですが(繁昌亭夜席の前売料金と同額ですから…)、充実した内容が続いている事もあって、通うに値する会だなとしみじみ思いはじめました。当初は、平日開く落語会は敬遠していたので、行っていなかったんです。get"s 待っツは別格だなと~と思い、例外にしたのも、会が始まってから、けっこう経ってました。

 次回は、11月21日(月)です。^^

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先日の平成紅梅亭の笛は、すんだ音でいい音色でした。担当は佐ん吉さんと字幕に出ました。
という事は、・・・・。後の推理は湖涼さんに任せます。私は明後日、その笛を聴きそうな予感もします。
しかし、延陽伯を恐惶謹言までやるとは、すごいですな。一度、林家染雀さんで聞いた事はありますが、本来の落ちまでやってみますが、今ではわかりにくいと思いますと、断ってから演じたのでした。

もずさんへ

こんばんは。
佐ん吉さんも、笛を綺麗に吹く人なんですね。^^
今日、千橘さんの独演会に行ったら、get's 待っツの笛と似ているなあと思いました。チラシに名前があり、何と弥太郎さん! 彼なら吉弥さんと一緒にget's 待っツに来ていてもおかしくないので、この人かなあと思ったのですが、もう一人、候補者が出てきてしまいましたね。でも、綺麗に笛を吹ける人が私の中で増えたので、凄く嬉しいです(^^)。

恐惶謹言で、サゲた瞬間、会場から、笑い声を上げる人がいて、みんな落ちが分かって偉いなあ賢いなあと思いました。まだ通じる人には通じるサゲみたいですね。私は、変えたらいいのになと思うのですが。
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