犬の目

「化政期 落語本集」(武藤禎夫 校注)を図書館で借りて読んでます。
以前は、パラパラ読み程度だったのですが、
江戸時代の落語本を読もうと思ったら、図書館にコレしかなかったという…。

“落語本”が出てくるのって、江戸後期みたいですね。
それ以前は、軽口とか、小咄とかそういう本は出ているみたいですが。
江戸時代の文章って、やっぱり平安時代よりずっと読みやすいです。(何よりも落語は町人向けなので、分かりやすい内容です)。一番良かった点は、筆者の武藤さんが、補注(個人的には付録っぽいと思うページ)で次々と古い小咄を出してくれて、これはオタクだなと思えたところです。

「犬の目」の原話も、補注ページから抜粋します。


 長崎より紅毛流(おらんだりゅう)の目医者下り、奇妙の療治をして、殊の外はやる。
 ある人来りて、療治を頼む。医者様子を見て「これは目玉をくり出して洗うて進ずれば、元のやうによくなります。少しも痛むことはござらぬ」と、匕(さじ)にてまぶたを動かして目玉をくり出し、病人をば寝かして置き、かの目玉を薬にてよくよく洗い、縁側へ出してかわかして置きける間(ま)に、鳶がさらえて持っていく。「これは大事」と思えど詮方(せんかた)なく、庭に寝ている犬の目玉をぬいて取り、かの病人の目に入れてやりければ、「これは奇妙。よふ見へまする」と殊の外悦び、礼をいふて帰りぬ。
 その後かの人、医者の方へ来り、「先日は忝(かたじけの)ふござりますが、替つたことで、紙屑拾ひを見ますると、どふも吠えとふてなりませぬ」

江戸小咄(聞上手三篇・目玉・安永二年)



ふりがなを打っていて自信が無いのは、
「忝(かたじけの)ふ」
という所です。
後、「ある人来(きた)りて」とか「医者の方へ来(きた)り」…で合っているのかどうか自信がありません。「来(く)りて」とか「来(こ)りて」じゃないよね…?


個人的に面白いと思うのは、鳶(とんび)が目玉をさらって行ったという所と、
それから、紙屑屋を見ると吠えたくてたまらない、という所です。
 今の「犬の目」って、犬が目玉を食べてしまって、それなら責任を取ってもらって、犬の目玉を使おうという流れになっていると思います。ちゃんと救済措置もしてくれていますし。それから、今のサゲと違って、紙屑屋の拾っている姿を見ると吠えたくなると云うのは、江戸時代の情景が目に浮かぶようで面白いなあと思います。

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