土塔庵寄席

2011年9月10日(土)堺・土塔庵

露の 眞  「時うどん」
旭堂 南陽 「藤堂高虎、出世の白餅」
笑福亭 鶴二 「らくだ」


堺市でも、落語をやっている!
しかも木戸銭1200円で、鶴二さんの落語が聴けるなんて。
(施設の維持費のカンパを募るなら1500円に値上げしても良いのでは^^;)


露の眞さん、都(みやこ)一門に入門して4年目の噺家さん。
よく男の人と間違われて…というマクラを。他に修行の方法やAKB48の話など。
三重県出身という事で、もっちゃりした大阪弁ではなく、関西弁という感じ。
噺の雰囲気も、古典というよりは新作のような雰囲気です。
それでも、段々笑いの世界に引き込まれて、この噺家さんのかもし出す空気が好きだなあと思いました。
これから大きく成長してくれる予感。個人的には、もう芽が出ている感触。噺にメリハリがある分、仕草に関しては、現状のままで満足せずリアリティを追求して欲しいです。よく観察して工夫している、と思う部分と、これでは汁がこぼれると思う部分があります。「うどんが短いの三本泳いでいる」という喜六の台詞があって、他の噺家さんって割りと、「長いうどん」のように啜っているように感じるんですよ。ズルズルって聴こえる。眞さんは、ちゃんと短く啜ってました。こういうのって嬉しいです。当たり前のことが当たり前じゃなかったりするんで。あと清八のお汁の飲み方が、「ぐ、ぐ、ぐ~」と三段階で飲み干して、「これはちょっとリアリティを感じないなあ」と思ったのですが、喜六の辛いお汁の飲み方が、更に大きな、お腹を波打つような三段階で、「これはいいかも」と思い直したり。ちゃんと噺が対照的になって、呼応している。まだ4年目だけど、人から教わったとおりやってる感じがしなくて、もうご自身のカラーを持っている感じがします。
喜六の「あ゛~、あ゛~、あ゛~!」という声が面白かったです。やっぱり私は絶叫系の噺家さんに弱いのでしょうか。


旭堂 南陽さんは、全国で?講談師は80人くらいしかいないと、インドの川に住む淡水のイルカも80頭だと(笑)。ジャズの講談もされているそうで、そのお陰でFMのDJをするお仕事をもらったとか。肩幅が広くてがっしりした体つき、スポーツやってたのかな?顔の彫りも深くて…。南斗さんと並んでみて欲しい(笑)。講談は、堂々とした食い逃げの話でした。藤堂高虎は、村人だったところを、力持ちということで、お殿様に見出され、武芸と読み書きの手習いを身につけるのですが、そのお殿様が織田信長に敗れて、浪人の身に。友人二人と、新天地を求めて旅に出ますが、途中で路銀が尽きてしまいます。小さい宿屋で食い逃げすると、お店がつぶれたら可哀想だと言って、大きい宿屋に泊まりこみますが…。「時に、勘兵衛」と、お店の主人に話しかけるところがツボでした。無理を言っているのに、堂々としすぎて。「お金を持っているように見えるか」「見えます」「ところが無い。無いものは払えない。武士に二言はない」。戦国時代の武士(浪人者だけど)って、一体…。ところで、高虎が話の前半、友達と話しているときは、めっちゃ関西弁だったのに、お店の主人と話すところは、別人の様に武士言葉。友達は、関西弁のまま。武士言葉、話せたんだ…。友達と話している時から、武士言葉の片鱗を出して欲しかったかも。それか、田舎侍なんで、関西弁を織り交ぜた武士言葉でもいいんじゃないかな。


笑福亭 鶴二さん、のっけから、雄濃度の高い笑福亭一門のオーラ全開。お客さんに対して、ため口をきくのは、笑福亭しかいないような勝手なイメージがありますが、米朝さんの速記見ても、けっこうため口混じってます。鶴二さん、HPでは、ニコニコしている写真が多くて、始めて生を見た感想としては、割と松鶴さんっぽい雰囲気を背負ってるなあ、という。(私は、松鶴さんを生で見たことが無いので、鶴二さんを通して見ているような…)。「らくだ」は、ちょっと、らくだの兄貴分が怖かったです。私の中で、リアルすぎたのかな。私が紙屑屋さんだったら、絶対関わりたくないから、商売道具ほってでも、逃げてしまいそうです。人物表現がリアルなだけに、なぜそこで逃げないの?関わるの?と思ってしまう。後半の、紙屑屋と熊の立場が逆転するところは、じわじわとシーソーが傾いていく感じがして良かったです。前半は何となく、先の展開が読めてしまうので、もう少しテンポ良く笑いを増やしても良いのでは…と思うのですが、どうなんでしょう。「らくだ」は特殊な設定で、他に似た噺がないように思うので、難しいのかもしれませんね。冒頭、らくだの兄貴分が、らくだの家を訪ねて、返事が無い。家の戸をちょっと開けて、一瞬小さく、にこっと笑って、戸を開けきる。「何や、おるやんか」。その一瞬の笑顔が凄く良くて。この噺、もう少し、鶴二さんのこういう笑顔を見たかったなあ。かなり、もっちゃりした大阪弁で、言葉遣いが荒く感じるけれども、その中でも、男の人の可愛らしさとか弱さとか、そういう部分を「らくだ」の中に入れてもらえたらと思います。松鶴さんは、凄く男らしかったけど(音源だけしか聴いたことが無いのですが)、その分、チャーミングな部分も男ならではの弱さ(はたから見てきゅんとなるような部分)も一緒に出ていたように思います。鶴二さんは鶴二さんなりのチャーミングな部分があると思うので、何かしらその部分を「らくだ」の中に織り交ぜてもらえたら、と。噺の前半に、後半の伏線(紙屑屋の恐さ、熊の弱さ)を仕込めないものだろうか…。(紙屑屋が熊に隠れて舌打ちするとか、紙屑屋の見えないところで熊が死体に触れるのを実は恐れてるというような)。らくだは河豚を食べて死んだのですが、どうして口から血が流れたのか、そこが少し気になりました。

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