モーレツ落語会 二日目

2011年8月16日(火)天満橋駅、大川渡って左の道、薬局ビル5F

桂 こごろう「野崎まいり」、桂 雀喜「中学生ブルース」、桂 ひろば「テレスコ」、桂 佐ん吉「幽霊の辻」、中入り、桂 紅雀「代書」、桂 雀五郎「ねずみ」

笑福亭 たまさん、桂 しん吉さんがお手伝いに来てました。


トップバッターは、こごろうさん。「野崎まいり」は大ネタのイメージがあり、途中でサゲると思いましたが、「ど~こ~に~」の最後まで(^^)。それでもトリで出すような長いバージョンではないらしく、さきさんが言うのには、何か(台詞や場面)を抜かしているところがあるみたい。私は最後までやってくれたなあと思い嬉しく思いましたが、マクラが短かったせいもあって、ノリノリ度はいつもよりやや低かったかも。(前座でアクセル全開はちょっと出来ないでしょうね)。でも意外な前座ネタだったことは確かです。


 お次は、雀喜さん。まだ人生で2回目のジャッキー兄さんです。新作は初めて。マイケルジャクソンが流行した頃は中学生だった、と。一生懸命ビデオに録画した(なのにニュース速報が入ったらしい)思い出などをマクラに。そのまま、中学生の雀喜さんが主役の噺に突入。校門前に怪しい黒服の男が立っていて、中学生の男子が喜びそうな本やら写真集やらビデオの購入を勧めるのですが…。騙されるのが1回多い気がします。それでちょっと間延びした感じが。真夜中に居間のビデオの前に座って「俺の青春が始まる…」と言うところが面白かったです。ビデオの再生ボタンを押すのに、「ファイヤーオン!」と云う台詞。ロボットものの台詞なのでしょうか。同じ手口に引っかかっている身内が楽しい。出来ればお父さんも騙されて欲しかった(無茶苦茶言うなあ)。きわどい発言が飛び出すので、雀喜さん、お子さんの目を盗んで練習したそうです(可愛いすぎる)。それ以外のネタは直接見る機会があるということなのでしょうか。羨ましい


 ひろばさん、昨日も雀喜兄さんの後だったと、何でですかね~とちょっとぼやきモード?「兄さんがネタをやっている間、ギャグが飛び出すたびに、雀五郎くんの肩が「びくッ」「びくッ」と動くんです(でも顔は無表情のまま・笑)。きっと兄さんのことを尊敬しているんですね」。雀五郎さん、いつか雀喜さんの新作ネタやって欲しいです。トーマスとか面白そう。(私はまだ聴いたことないですが)。本題の「テレスコ」は、う~ん、月末亭の時の方が衝撃度は高かったですね。しんみり聴きたいのですが、合い間合い間に説明する台詞が入ってきて、どうも噺の中へ入りづらいのです。「火もの断ち」をした奥さん、「卵や刺身を村の人からもらって生き長らえています」。けっこう良いもの食べているなあと思うのは、現代人の感覚だからでしょうか?でも、痩せてるということは、大して食べていないということなんでしょうね。


 佐ん吉さん、恐いものを見たという話をマクラに。ざこば師匠・品川事件。酔った師匠は手が付けれない…と云う大変面白い話でした。(ごめんなさい^^;)。でも、ここで凄い受けてましたよ。「幽霊の辻」も月末亭で見たことがありました。きっちり仕込んできたなあと感心した記憶があります。後は、夜の暗ささえ出してくれればと。今回は、冒頭の歩いている場面から、段々暗くなってくる様子が伝わってきてびっくりしました。主人公は手紙を持っていて、「今からやったら村に届けるのは無理やろ」と友人に言われて「できるわい」と言ってしまい、引っ込みが付かなくなって歩いている。2回目となると、耳も肥えてくるのでしょうか。言葉の端々や主人公のしまったなという顔で夕暮れ時を想像してしまいました。その他にも、お婆さんに言われて恐々歩く道中も、以前よりも暗さを感じる事が出来ました。首が飛ぶお地蔵さんのところで「ああ~~~!!…鳥やがな」とか。提灯を上に向けたような仕草が良かったのかな?気になったのは、お婆さんがいちいち、目印を教えるのに、恐い話を付け足して言うのですが、そのツッコミが余り無かったところ。それで2回目の目印を聴く前に「それも怖い話が付いてるんやろな」と。2回目の前に「それも…」と言うのはちょっと不自然です。勘が良すぎませんか。それから、お婆さんは高台にいて、眼下の景色を指差して、目印を隣にいる主人公に教えるのですが、高台~目印まで、坂を下った様子が描かれません。直ぐ目印のポイントに付いてしまうのです。目印から目印も同様です。歩いている間に、恐い想像が膨らむので、勿体無いなあと思います。余りおどろおどろしいのは良いとは思いませんが(枝雀さんのは苦手です、主人公もお婆さんに対してカリカリ怒るので)、想像させる部分は大事にして欲しいです。


 中入り後は、紅雀さんの「代書」。さきさんは、若くてやんちゃな感じで面白かったと言ってくれたのですが。うむむ~という感想。もう少し奥行きのある落語が見たい。「代書」に出てくる登場人物の背景まで見えてこなくて…、何時代なんだろう。「向う付け」を動楽亭昼席で出したときは、ご自身のお祖母さんが、文字が書けなくて…とマクラで仰っていたので、それを言ってくれれば、代書屋がいてもおかしくない時代・大正~昭和初期くらいをイメージできたのかな?千朝さんは、代書屋さんの身の周りの道具を丁寧に説明してくれたのですが、それを全部言っちゃうと紅雀さんらしくないけど、2,3個くらいは言って欲しかったかも~;;
 紅雀さんはクレープの皮(下地)を作るのが苦手に違いない。
中の具はとっても美味しいのだけれど。破けたら食べにくいのです。
 久しぶりに紅雀さんが叫んだところを見ました。代書屋さんがプッツン来てしまったのです。比較的若い代書屋さんなのでしょうか。楽屋が近くてカーテン一枚向こうにあるのですが、そちらからも笑い声…というか「おおッ」と動揺するような声も?勿論、お客さんも笑ってましたが、楽屋の噺家さんってお客さんと違うところで笑うので、ちょっとドキドキします(面白かったけど)。主人公と代書屋さんのやりとりは、段々立場が逆転してきて良かったです。流れが凄く自然に感じられました。思い返せば上手かったなあと思います。「饅頭商を営む」と上手く書けたのに、「やる前に辞めた」と言われた時の代書屋さんの顔が面白かったです。


 トリは雀五郎さんの「ねずみ」。以前、雀の学校で「もしかして雀五郎さんって凄いんじゃ…」と思うきっかけになった噺だったと思います。その時も噺に引き込まれましたが、今回も!筋自体は子どもが傷ついているので、ストライクな噺ではないのですが…。「おったん~」と言う卯の吉くんが可愛い。前半は、お客である主人公との掛け合いが見所。凄い粗末な宿屋なのに(まるで見てきたよう)、その子がいるだけで明るくなりそうですね。ふと思ったのですが、数え歳で(恐らく)12になる子が、あそこまで継母から受けた傷を負うのだろうか…と素朴な疑問が沸きました。密室なら分からないでも無いですが(これは悲惨すぎる)、離れて暮らす継母から受けた傷が多いというのも不自然ではないか、と思うのです。ご飯をくれるまで粘った結果があの傷の多さなのでしょうか(--;)。そしたら、その宿屋で働いている人は、見て見ぬふりをしていたことになりますね。噺の隙間を見つけてはアレコレ想像してしまいます。ちょっと意地悪ですが、噺の終盤近くで雀五郎さんが、超珍しくとちったことをメモしておきます。一瞬、客席が「?」ってなって、ふわ~って浮きました。何か緊迫した空気じゃなくて、温かく見守る雰囲気でした。お客さんが良かったのでしょうか。ふわってなった後、すぐ言い直して、噺を建て直し無事サゲまで行きました。以前と同じく良い余韻が残りました。こういうマイペースなところに雀五郎さんの良さがあったりするのかなあと思います。


 モーレツの二日目は、会の始まる前、夕食に、天神筋橋商店街の果てにある、「上等カレー」屋さんに入り、さきさんと舌鼓を打ちました。ぶっちゃけ、落語よりカレーの方が感動上でした(ごめんなさい)。初日に盛り上がった分、二日目は皆さんマクラも抑え気味でしたし、これも運命です。初日に行かなかったけど、悔いはありません。こういう種類の客も中にはいるものです(そう思いたい)。


落語会の感想は、昨日紹介した「落語日記」(ブログ)の他、「ながめせしまに」(ブログ)も載ってました。会場のどこかに管理人さんがいたんですね(ドキドキ)。


※2011年8月22日に感想を書き終えました。

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えー!

紅雀さん面白かったですよ! 
「代書屋の同じ顔」なんて振っときながら、
上手く書けただけであんなにニッコリしちゃったり
代書屋さんの方が混乱して叫んじゃったり。
若い噺家さんって、こんな風にアレンジするんだぁ~って
私にはかなり好印象◎でした。
私、紅雀さんに甘いですか? ←湖涼さんに叱られたばかり・・・

代書屋

私が落語に興味を持ち始めたきっかけは、角座で、春団治師の代書屋を聞いたためです。だから、このネタに関しては、かなり思い入れがあります。
(いつも古い話ばかりですみません。お許し m(_ _)m ペコペコ)
だから、紅雀さんの代書屋も聞きたいです。やっぱり、「ポ~~ン」でおりるんでしょうね。
私は紅雀さんのネタは14本しか聞いていない事がわかりました。
紅雀さんに関しては初心者ですね。そんな立場で色々意見を言うなんて、10年早いですね。( ̄o ̄*)ボソッ

さきさんへ

さきさんのお話を伺っていると、
本当に私は紅雀さんに厳しいんだなあと思います(>_<)。
色んな見方があって良いと思うんですよ。
10人中10人が大満足するような落語ってきっと無いと思いますし。
でも、こうやって紅雀さんの面白かった部分を書いてもらえると、本当に嬉しいです。自分と反対の意見の人がいるとほっとしますね。

甘いというより、大らかだなあと思います(笑)。
私の心の狭さがあぶり出されてしまいそうです。

もずさんへ

春團治さんの代書を聴いたのは、いつ頃ですか?
凄く前のように仰ってますが、私この間テレビで見たんですよ。
何十年も高座にかけているという事なのでしょうか。すごいですね。
もずさんにも、紅雀さんの代書を聴いて欲しいです。
思い入れがある人は、どんな評価をするのか、ちょっと訊いてみたいですね。
サゲは、「ポ~ン」じゃなくて、「ガタロ~!」でしたよ。
留さんが、「(前の仕事は)ガタロしてました」って言ったら、代書屋さんが「ガタロってなんだんねん?」、「川に入ってくず鉄取ったり…」今まで「饅頭商」とか綺麗な言葉に置き換えていたのに、今度は思いつかずに、観念したような?感じで「ガタロ~!」でサゲでした。

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