第28回 雀の学校

2011年6月23日(木) 梅田・太融寺

桂 雀太  「煮売屋」
桂 まん我 「桑名船」
桂 雀五郎 「天王寺詣り」
~中入り~
桂 雀松  「お楽しみ(片棒)」
桂 紅雀  「ネタおろし(三枚起請)」


三枚起請の小輝(こてる)、男が束になっても敵わないオーラが凄かったです。
それでも小憎らしいとまで思えず、とても魅力的な女性でした。


この日は、紅雀さんが卒業する大事な日。
なのに、まさかの仕事残業デーでした(×_×)
普段は定時で帰れる身なのですが、退社直前になって来客が!
しかも上司は出張中(;;)スムーズに対応できずオタオタしてたら、
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
 いつもなら1時間休をもらって悠々と晩ご飯を食べ、会に行くのですが、
もう完全に遅刻。晩ご飯代わりのおむすびを二個買って、走る事もせず、早歩きで梅田の太融寺へ。
 2階の受付席に座っていたマネージャーさんは、
私の顔を見るなり、「○○さんですね」と。(予約を入れていたので>たぶん)
「今日は、予約外のお客さんが17人来て、チラシもアンケートもお渡しできるものが無いんですよ」
ちょうど、雀太さんが「煮売屋」をしている所なので、私も大きな声では話せず、
「お客さんは何人来てますか?」
「74人です」
と、マネージャーさん。72人と言ったかもしれません(うろ覚え)。
意外と少ないのね…100人近く来るのかなあと思っていましたが(何故に)。
それでも雀の学校の最高客数が80何人だったと思うので、そこそこ入った感じです。

 汗だくになって、雀太さんの噺が終わるのを受付前で座って待っていると、
ふらりと私服姿の紅雀さんが受付に現れました(びっくり)。
太融寺の落語会を開く建物は、入り口が一つしかないので(たぶん)、
演者さんとお客さんが同じ階段口を上り下りするみたいです。
出番までに時間が有るので、一服しようと思ったのでは(これは、にこさんの推測で、私は成程と)
その日は、珍しく差し入れを持ってきていたのでマネージャーさんに頼んでいたのですが、
一応、直接渡すことができました(^^)。
 紅雀さんは去り際に一言何か言って階段を下りて行ったのですが、
私は聞き取れず…マネージャーさんに尋ねました(汗)
「ネタは上がりましたので」と言ったらしいです。
私達、聴く側は「ネタおろし」↓という言葉をよく使いますが、
話し手(演者さん)からすれば、話す前だから「ネタが上がった」↑と言うんですね。
(刑事ドラマの取調室での会話を思い出す言葉ですね^^;<ネタは上がってるんだ、白状しろ…)

 雀太さんの噺が終わりかけると、流石マネージャーさん、
会場の入り口の扉を開けるスタンバイ。慣れたものだなあと思って(お手数をおかけしました)、
中に入ると、にこさんがいち早く私を見つけてくれました。
(席もちゃんと前の方を取っておいてくれていて、感謝感謝です;;)
 仕事で遅れたという事くらいしか、にこさんと話せず、
あっという間にまん我さんが高座に上がりました。


 まん我さん、マクラは二つ三つ、話の前置き(昔の旅は、歩くか船で…といった内容だったように思います)を語って、さくっと本題「桑名船」へ。若い浪人の横柄さ、老侍の品のある話しぶり、船客の一喜一憂がきちんと描かれ、流石まん我さんだなあと思いました。浪人の態度が大きいのは、若い上に、頭を下げて仕える主人が居ないということもあるんでしょうね。人物の背景まで想像できるのは、噺に入り込めた証拠です。ただ浪人が言いがかりを一方的に言い募る場面は、気が小さい私はドキドキしてしまいました。住吉駕籠はそれに加えて繰り言を言うので、もっと苦手なのですが、喧嘩腰の場面ってやっぱり苦手なのだなあと。若い浪人は、最後はそんなに悪い人でもなかったという落ちなので、言いがかりをつける場面を、ただ写実的に演じるのではなくて、もう少しゆとりというか滑稽味を出してもらえたらと思います。これから何か面白いことが起こるんだぞという予感を持たせてくれたら。これはベテランさんに対して言うような、かなり高度な要求です。私も会場に着いたばかりでちゃんと聴く準備が出来ていなかったのかもしれません。何となく、時間の関係でマクラもろくに話せなかった23日の桑名船よりも、25日の狭山の会で出した桑名船の方が出来が良さそうだなと思うのですが…。私は狭山の会に参加していませんので、あくまで想像です。気になる方は、ごまめさんの狭山の落語会の感想をご覧下さいませ~


 雀五郎さんは、「天王寺詣り」を。もの凄い大ネタだと一方的に思っていたので、聴いてみて、天王寺にお参りに行く話だったんだと、意外に思いました。お参りに行くのは、とぼけた主人公と、口車にのせられたご隠居です。二人の会話も聞かせどころだと思うのですが、どうもぎくしゃくしているように感じました。言葉がスムーズにやり取りできていないように感じます。勿論、台詞そのものに詰まったりはしないのですが、何となく二人の会話が上手くかみ合っていないような…。別々の世界に住んでいる感じです。教わった「天王寺詣り」は、時代的に古いテキストだったのかな。師の雀三郎さんは、古いテキストを我が物に出来るタイプだと思うので、お弟子さんはどうするのか、ここは考えどころだと思います。何となく粘って古いテキストを自分のものにするタイプなのかなとも思うのですが、会話の間合いが難しそうなので頑張って欲しいです。二人の会話が終わり、天王寺にお参りに行く道中は、圧倒されました。参拝客を目当てに色んなお店を出しているのですが、お寿司屋さんや、おもちゃ屋さん、怪しげなもの売りに、乞食など、本当に一つ一つを楽しく見させてもらいました。ほっぺたをポコポコ叩いて、それでお金を貰う人を演じたときは、ほっぺたを叩き終った後に、雀五郎さん、これでええんかいなと思われたのか、少し首をかしげたので、そこでお客さんがどっと笑ったのも印象的でした。後半は本当に良かったなあと思います。是非とも持ちネタにしてもらいたいです。


 中入り後は、雀松さん。マクラもそんなに長くなく、泥棒の噺は、高座にかけやすいというような内容だったように思います。で、どういう流れか忘れたのですが「片棒」に。歌之助さんの片棒が有名らしいのですが、片棒は初めて聴く話です。年を取った父親が、三人の息子をそれぞれ呼んで、自分が死んだらどういう葬式をするかと尋ねます。長男や次男の空想のお葬式が楽しくて、本当に笑わせてもらいました。父親はやり手の因業な商売人だったという事が何度も強調されて、それをちゃんと笑いに繋いでいるところが気持ちよかったです。三男は少し極端な性格で、鳥葬がいいとか、火事が起こったら、そこにお父さんを投げ込めば火葬代が助かるとか、ちょっと昔の自分を見ているようで、怖かったです。自分の学んだ知識を、全く的外れなことに使う辺り…。三男のくだりが、すっと笑えなかったのは自分のせいなので、雀松さんを責めないようにしたいです。長男次男までは上手く笑えていたのになあ。


 トリは、紅雀さん。この日はいつもより顔が濃く感じました。何故?マクラは殆ど無く、即、噺を始めて、お客さんはええ~っと思ったのでは。年末の三色だんごの会でもそうでしたが…。雀の学校の思い出話とか、卒業する気持ちとか聞きたかったなあ。会は夜の9時までとはっきり決まっているようなので、時間の関係上無理だったのでしょう。三枚起請(さんまいきしょう)は、とても面白くてびっくりしました。紅雀さんの底力、それ以上のものを見た思いです。ネタおろしに強い人なのかなあと思いました。衝撃度で言えば、苦手意識のあった住吉駕籠を笑わせてくれた時の方が大きいのですが、今回は沸々とマグマが膨らんで弾ける感じの面白さでした(分かりにくい)。途中で躓きもせず、余りに上手く噺が運んでいくものですから、合い間に何故か私が図に乗って「紅雀さんがこの噺を話して面白くない訳が無い」と、鼻が高くなって、最後まで上手く行くことを半ば確信しておりました(怖い)。小輝は、本当に男が手を出せない女で、オーラが凄かったです。ただ、余りに完璧というか隙がない感じで、彼女の本音をもう少し聞きたかった気もします。男が束になっても敵わない女=小輝、と少しコード化されている気がして。二股ならぬ三股がバレた後も、最後の鴉を殺したいという発言も、どうも彼女が取り繕ってまだ自分を綺麗に保とうとしている感じがして、そこは彼女の本心ではないなあと思ったり。源やんのキセルが詰まったのをイライラして手荒く扱ったり、清八を追いかけてきたと称して、昔お得意様だった彼の家の近くに立ったり、ここに何か彼女の個性を感じたりします。もう少し増えないだろうか…。あと嘘泣きをして指の隙間からチラッと相手の顔を見る小輝も良かったなあ。春蝶さんの「紙入れ」に出てくるお上さんほど「しっぽを出せ」とは思いませんでしたが、もう少しだけという思いも残りました(贅沢すぎる)。噺に出てくる実在しない人物の心の底を見てみたいという思いは、それだけ噺に深みがあったのかなあと思います。源やんは、最後、影が少し薄かったので、もう少し小輝を責めても良かったのでは。清八のだまされ方は一通りやない、と言いましたが、清八の妹の話は持ち出しませんでした。
以下メモ
・しゃべりな~~(や)・・・・…清八が来た。意外な所で笑ってしまった
・包丁を持って出かけようとする清八を、後ろから両腕で制止する源やんの両腕の幅が少し狭く感じた。清八の肩幅が小さく感じる
・小輝が店のお上さんと会話する場面で、上を向いて賢そうな表情をする小輝に女優のような貫禄を感じた。年上の女性にぶりっこする年下の女の子の表情が凄く上手く出ている。紅雀さんはどこで習得したのだろうか。
・「丁子が云々で今日は良い日だと思った」という台詞は無い。小輝が、やや黙って俯き、整えた髪を気にして触れる仕草?が良かった。かなり俯いて、耳の下くらいから手を入れる仕草。櫛を調えているのだろうか?
・目でものを言うところ(メモにあっただけで場面が思い出せない)
・源やんには「あんな男」と言って、喜六には目配せをする。ここが少し分かりづらかった。源やんが何で女言葉使うんやろと思った。小輝が喜六に言っている台詞だと気づくのに、割と時間がかかった(私が鈍すぎるのか)
・清八=もやしの●●がうらやけたよう
・喜六=腐ったじゃが芋
・言い訳は余りしない小輝だが、あくどさを感じない。さっぱりした感じ
・しっとりした最後


終わってから、にこさん、H子さん、らーさん、さきさんと一緒に駅まで帰りました。会を包み込むような良い雰囲気だったねと皆さん口々に言っていました。ああ~そうやったんや~(何故気づかない…)

次回は8月26日(金)。
桂 優々さん「動物園」、桂 雀五郎さん「遊山船」、桂 まん我さん「佐々木裁き」-中入り-桂 雀三郎さん“お楽しみ”、桂 雀太さん「饅頭こわい」。
全部気になる(><)。…あと2回で会が無くなるそうなので、行ってみようかな。
           

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