落語「崇徳院」の恋煩い場面の遠いご先祖さま?

落語「崇徳院」は、
四代目米團治が、歌舞伎の「新薄雪物語」に、若旦那とお嬢さんの出会いを想起する場面があると指摘しています。

それで文楽の「新薄雪物語」台本をちらっとななめ読みしたり、原作の「薄雪物語」(これが全然崇徳院っぽくない)をななめ読みしたりしてました。

ところが、原作の「薄雪物語」の隣に「薄雲物語」という話があって、お姫様の恋煩い場面が、崇徳院の若旦那のそれとちょっと似てるなあ! と思いました。




原文を抜粋するの大変なので、
私の凄く怪しい現代語訳で勘弁して下さい。


(玉から生まれた美しい薄雲姫の恋する相手は)天上人に隠れなき桜の宮、と姫が知ったので、いよいよ思いの種となり、明けても暮れても(?原文「あけぬくれじと」)想い暮らしていらっしゃったけれども、本当にままならない世の中のことだったので、仕方がなく、(京都から)故郷(の田舎)にお帰りになり、
ひと間所に取りこもって、
桜の宮の事だけを
想い暮らしていらっしゃった。


ああ、桜の宮様のお手紙なりとも見れたなら、ここまで私の身体はやつれはしなかったのに。
もし世の中に神や仏があるならば、
思いに沈む私の身の程を、
露ほどでも(桜の宮様に)告げて下さいと、
姫君は少しまどろんでいらっしゃったが、

うつつにも
桜の宮様のお姿のみが、
見えてしまう。

こうして、
日数を送っていらっしゃると、
いよいよ、お心持ち重げに見えてしまう。


ここに、姫君の乳母に
いざよいの局(熊五郎っぽい役割)という者があった。
姫の枕元に参って言うには、
「どうして言わないの、姫様。
私は、つくづく見たところ、
尋常ではないご病気と知っています。
どのようなことがあって、
ここまでお隠しなさるのか、
お話くださいませ」

と言うので、姫はそれを聞いて、
「さては色に出てしもうたかや。恥ずかしながらお話します。
 この間、都にのぼった時に、賀茂神社のきざはし(階段)で、桜の宮様とかいう方を、ひと目見てから忘れられなくなり、ここまで憧れています。もし、私が死んだら、都に行って桜の宮様に伝えて下さい」

と言うと、姫はうち伏せてしまつた。
いざよいの局は姫の気持ちを知って、
「馬鹿ねえ、姫君さま。
そのように、たやすい事で思い煩うなんて。人を恋うも恋われるのも、世の中のつね。
今日からは、わたくしにお任せ下さいませ。
良いように願いを叶えてみせましょう」
と言うので、姫君は喜んで、
「何と、頼もしい事でしょう。いざよい。ともかくも頼み申します」
と、仰った。

(いざよいの局は、姫の母君にかけ合って、もう一度、姫を都に連れていく。
 いざよいの局は、都の宿屋で女将をしている桜の宮の乳母・あおやぎと、偶然出会い、姫と桜の宮は両思いだった事が分かる。ハッピーエンド)



「薄雲物語」、江戸時代に歌舞伎になってます。
ああ、台本読みたいなあ!!

※※
原文は
『近世文藝叢書』小説 第三 P444。
明治43年 発行
元禄以前の刊行小説を集めた本。
「薄雲物語」は作者、開板年月 未詳。

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