春撰組~前座根性を叩きなおす会~【壱之輔編】

2011年1月24日(月)

壱之輔さんの「崇徳院」目当てに、
チケットを衝動買いしてしまいました…。

桂 治門 「寄合酒」
桂 咲之輔「御公家女房」
桂 春雨 「初音の鼓」
桂 壱之輔「崇徳院」
~中入~
桂 福丸 「書割盗人」
桂 春蝶 「紙入れ」
まさか職場から18時半開演の繁昌亭に間に合うとは思いませんでした。
晩ご飯のうどんは死に物狂いで食べましたけど。
あと、手袋を失くしました。両方共です。orz

お客さんの数はそこそこ席が埋まった感じです。
両隣が空いて気を使う必要が無いくらい(笑)。ガラガラじゃないんですけれども^^;
でも年代もバラバラで良い雰囲気でした。

 会の目的を語りに、春雨さんと春蝶さんがマイクを持って登場。
「前座根性」というのは、必ずしも悪いことではないのですが、
余りに長いこと前座をしていると、お客さんの顔色をうかがう事よりも、
楽屋にいる先輩の顔色をうかがうことを優先してしまうのだとか(汗)。
 壱之輔さんは15年やっていて、まだ前座をつとめることが多いらしい。
…というのも、先輩が元気すぎて死なないから、中々ポジションが上がらないのだそうです(苦笑)。
たまには、トリをつとめさせなければ、と。
 途中、福車のようになったらあかん(?)とか何とかお二人がさんざん言って、
とうとう、ご本人が「出て来るような空気を作るな」と私服で登場してしまいました。
会を手伝いに来ていたのに(たぶん)、とんだ災難(^m^)。


 桂 治門さん、“じもん”さんとお呼びする年季あけて間もない噺家さんです。
桂小春団治さんのお弟子さん。思いの外、しっかりした口調で、
年季明けした噺家さんは、小鯛さんもそうでしたが“やわ”な所がないですね。舞台慣れしてます。
 マクラも少し。年季あける前の苦労話など。(ちょっとうろ覚えですいません)。
 抑揚が平たい感じの話し方で、仁鶴さんタイプになるのかしら??
まだ若いから、この先どうなるか分かりませんね。
 「寄合酒」は、そこかしこに面白いところが散らばっているのですが、山場がどこだったのか、
思い出せません。個人的には、鰹節を鬼の角に見立てる場面と、鯛を切る場面が好きなのですが…。でも、奥様方には随分受けていたように思います。料理が出来なさ過ぎる男の人を見るのは矢張り面白いものですね。


桂 咲之輔さん、おかっぱ頭?(スタートレックのスポックのような髪型)からスポーツ刈りに。
 この間、ファンの女の子から差し入れをもらいまして、それがきっかけでとんとん拍子に良い事が、とマクラを興奮ぎみに話します。落ちは伏せておきますが、けっこうそこが面白かったです。
 御公家女房は、基本的に九雀さんのテキストに沿ったものを(たぶん)。どうしても、
ベテランさんと比べてしまいます(汗)。咲之輔さんならではのくすぐりも欲しかったような…。
全体的にせかせかした印象で、笑いを取りこぼしているところが勿体無いです。テキストだけでなく、
間合いも九雀さんから学んでもらえれば…などと偉そうな事を。
もしかしたら、兄弟子の壱之輔さんのために早く噺を終わらせなければならないのに、マクラで時間を取ってしまったので、焦ったのかも知れません(^^;)。


桂 春雨さん、痩せ型で、目の下にクマ?があって、ちょっと強面な印象…。喋り方は優しいのですが(^▽^;)。それでも、出てくるなり、咲之輔さんのダメ出しを。「もうちょっと落ち着かんと…」。
 マクラは多分、小噺だったように思います。それが「初音の鼓」と同じ登場人物を思わせるのです。
けっこう面白くて、珍しい話のように思いますので、ここに書き留めておきますね。
大名は身分が高すぎて、世間知らずだというお話です。
ある大名が、食事を取っていて、「菜の味が昨日のものよりも薄く感じる」と、お傍の者に言います。
お傍の者は三太夫(さんだゆう)と云って、「殿、昨日の菜は百姓が郊外の畑で“下肥(しもごえ)”をかけて作ったものです。今日の菜は、城内(?)の畑で“水肥(みずごえ)”をかけて作ったものです」と言います。すると大名は、「許す。この菜にシモゴエをかけよ」と。
 初音の鼓は、そんな天然で世間知らずな大名に、古道具を売りつける道具屋さんが出てきます。殿と三太夫が武士言葉なので、商人言葉が凄い映えますね。大名はいつも面白い品を持って来てくれると、かなり道具屋を贔屓しているよう。三太夫が言うには、小野小町の腰帯とか、直江兼続の使った兜だとか如何わしいものばかりなのです。今回は何と、静御前の持っていた「初音の鼓」を持ってきました。でも「折り紙」(たぶん鑑定書)が付いていません。この鼓を打つと、音を聞いた一番近くの者に狐が取り付くので、それが本物である証(あかし)だと言うのです。
 この噺は本当に短いのですが、春雨さんの話す世界にどっぷりと漬かってしまいました。大名・三太夫・道具屋の個性が見事に表現されています。噺の後半、ずっと春雨さんは「コンコンコンコン」鳴いていました。ベテランが、ずっとコンコン言っているんですよ。衝撃でした。
 周りのお客さんの笑い声は思うほど大きくは無かったのですが(直江兼続の兜のくだりでは、しばらく笑いが止まらなかった>私だけ?)、喉の奥で震える笑いも多く、生粋の古典落語を堪能した気持ちになりました。


 ついに中トリの壱之輔さんが登場。待ってました~!
 福丸さんと同じ齢の壱之輔さん。しかし芸歴は壱之輔さんの方がずっと上です。
歩んできた道が違いすぎる…というのは、自分は普通の公立高校へ行き噺家に。
福丸さんは灘中灘高京大法学部出身で、何故か噺家に。
勉強しすぎて頭がおかしくなったんじゃないかと、壱之輔さん(^^;)
 話は変って、歌手を目指している青年が、彼女を家に連れてきたら、君のために歌を作ったと言えますが、噺家はどうもさまにならない、と崇徳院の前触れのような流れに。
 たぶん番頭さんが「熊はん、こっちや」と呼んでいる声から始まったように思います(うろ覚えでごめんなさい)。熊五郎の第一声がどうも彼らしくなくて、あれ?と思ってしまいました。ほんとうに熊はん?…と思ったらちゃんと熊五郎らしくなりました。これは何かを予兆していたのでしょうか…。
 「真田小僧」の良さが余り出ていなくて(涙)。全体的に固い感じがしました。テキストが合っていないのかな?誰に教わったか分かりませんが、壱之輔さんの良さを引き出すような内容ではなかったように思います。雀三郎さんに噺を教わりに行って欲しいと思いました(何故に)。私も雀三郎さんの崇徳院は聴いた事が無いのですが、何となく、壱之輔さんは「雀」と相性が良いように思うのです。
・見台(けんだい)は使わない
・熊五郎は「枚方(ひらかた)に出かけていた」と言う(船場から遠すぎるような気が^^;)
・病気中の若旦那の話す姿勢が、片手を付いて凄く斜めになっている。とてもしんどそうな表現だが、これでボケる熊五郎に突っ込みが出来るのかどうか
・「亀吉を連れて」高津さんへ行った
・お嬢さんの顔に見えてくるものは、天井、欄間の天人、掛け軸の鍾馗(しょうき)さん
・お風呂とうなぎで、酒はない
・大阪中をグルグルグルグル×3探した(何処を捜したのか何となく言って欲しい)
・やや唐突に喧嘩が終わり、サゲ。「一対の夫婦が出来ました」
・ざこばさんのやり方?
 壱之輔さんは、私を本気にさせました(怖)。
彼の実力はこんなものではないハズ。三月は彼の禁酒番屋を見に行きます。


中入り後、福丸さん。
細身ですが、ふわ~っとした雰囲気の人で、賢くてピリピリした感じはしないです。
でもちょっと毒舌?「前座根性を叩きなおす会を開くなんて、良い先輩“面”してますよね。モニター見て、『あ、今すべった」なんて、話してるんですよ」と。福車さんの私服の赤い靴下にも一応突っ込みを(笑)。確かにあの時、観客の誰もが「めっちゃ赤い靴下やな」と思ったはず(^^)。
 書き割り盗人は、泥棒が天然で面白かったです。ご隠居さんに「貧乏で家具が無くて寂しいから壁に絵を描いてください!」と頼む主人公も相当ですが。
・ほうきとちりとりくらい買え、という所が面白かった
・時計を描いてもらっても止まったままなので、色んな時間で止まっている時計をたくさん描いてもらう。これは初めて聞きました。笑
・主人公、欲張って窓に富士山と通天閣を、ご隠居に描いてもらいます。すると主人公の留守中に家を扉からのぞきにきた泥棒が、「ええ天気の日は、大阪からでも富士山が見えるんやなあ」と。やばい、この泥棒面白すぎです。
・絵を描く動きがちょっと乱暴に見えたのは、こごろうさんが丁寧だからでしょうか?掛け軸の縦の線が短く感じました。高い場所に槍を描く時も、横に一本ぶわっと線を引いただけだったような。踏み台が無いから仕方ないのかなあ。
・本当はもっと面白い噺家さんなのでは?と思わす何かがあったのは、トリの前のポジションだったからなんでしょうか。リミッターを解除した一席を聴いてみたいです。^^


桂 春蝶さん、会の冒頭、マイクを持って登場された時は、普通のお兄さんでした。声の大きさも…。高座に上がった春蝶さんは、ちょっとダークな感じ(笑)。声も低くてぼそぼそ~っとした話し方。マクラは、師匠(春団治さん)に同性愛者と数年間も間違われていたという、その経緯を。トラウマ体験を面白おかしく、次々と語ってくれます。福笑さんが楽屋にいると、楽屋が浅間山荘のようになると言うのは(^▽^;)<福笑さんを知らないのですが、何となく可笑しかったです。気の弱いタイプの人なんですね。それでもあちこちの落語会に呼ばれている人気の高い噺家さんです。
 「紙入れ」は若くて格好良い貸本屋の男が、人妻と良い仲になり、旦那の留守を狙って逢引をしているのですが、案の定、旦那が帰ってきてしまう…というもの。この人妻の演技が凄かったです。若い男を誘惑できるだけの器量というか度胸がある女というのがガンガン伝わってきました。演技がリアルなのに、どこか笑ってしまうんです。説得力があって尚且つ笑えるというのは、一体どうなっているのでしょうか。春蝶さんの人妻は大変危険です(笑)。魅力が強すぎて…濃厚な人妻ぶりというか何というか。ほんと、ねっとりです。若い男がつかまるのも無理は無いですね。蚊帳の中で雷に怯える人妻と二人きり。仕組まれた罠です。
 浮気がばれると怯える間男と、全く知らない旦那の会話が全くかみ合っていなくて可笑しかったです(^^)。奥さんは最後までしっぽを出さず(くやしい、一回くらいひやりとさせたい)。
 凄く充実した一席でした。面白かったけど、ちょっとキャラが強すぎるかな?紅雀さんもそう思われているかも…(汗)。

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うっ!?

浮気やなくて、本気なのね!?
福丸さんと春蝶さんのご感想も楽しみにしています(^^)b
あの~、こちらのブログ私のブログにリンク貼らせて頂いてもよろしいでしょうか?
よろしくご検討くださりませ~m(_ _"m)ペコリ

にこさんへ

本気って、壱之輔さんのことですか?
何か、このままだとくやしいから聴きに行きたいなあと思っているのですが…^^;

福丸さんと春蝶さんの感想、早々に書けてしまいました。
そう言っていただけて嬉しいです。

リンクの件ですが、私、勝手に、にこさんのブログにリンク貼らせてもらっているので(汗)、
ご検討と云うか何と云うか、本とこちらこそよろしくお願いしますm(__)m

(^^ゞおおきに~

ほな、早速リンク貼らせて頂きまする~(^^)
このメンバーの中では福丸さんしか聴かせて頂いた事ござりませぬ。
壱之輔さん、一度聴く機会に恵まれたいなぁ。。。

春蝶さんの紙入れは、私も見ていますが、あの色気には思わず参ってしまいますね。(笑い)
千朝さんの三枚起請の小輝さんの色気もすごかったです。
春蝶さんは、若い男性を参らせる色気で、千朝さんのは、中年男性を参らせる色気かな・
本物の女性でもあそこまで色気は出せないような気がします。
( ゚∀゚)ギャハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

にこさんへ

 リンク有難うございます。^^
にこさんのブログは訪問者が多そうなので、ちょっとびびってます(笑)。
 壱之輔さんは、福丸さんと違って米朝一門と接触が少ないように思います(気のせいかしら??)。本当にいいものを持っている噺家さんだと思うので、にこさんにも一度聴いてもらいたい人です。タイプ的には歌之助さんと紅雀さんの間くらいかなあと思っているのですが。

もずさんへ

 春蝶さんの紙入れ、もずさんもご覧になったことがあるんですね。本とあの人妻は今まで見たことの無い悩殺タイプでした(笑)。視線の送り方とか、顎の上げ方とか…。
 三枚起請は、まだ聴いた事が無い噺です。千朝さんの若い男を参らせる女性・小輝さん、見てみたいです。本物の女性でも~というのは、宝塚歌劇に通じる事かもしれませんね^^。異性が演じた方がより性が際立つというのは。
 上方落語は東京と比べて女性が活躍する噺が少ないと思っていたのですが、まだ出てきそうですね。
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